<Visit to Ningbo 2019>
2019年11月5日〜6日:寧波への旅(2回目)

この3年仕事を手伝ってきた会社のプロジェクトの関係で、再度中国の寧波(ニンボー)に行くことになりました。
前回は、今年の2月に同僚と二人で寧波の部品メーカーを訪問して技術的な話し合いをしたわけですが、今回は社長に同行して本格生産の打ち合わせをするためです。そのため時間的に1日だけの訪問となりました。

2月には日本から寧波への直行便は名古屋と静岡からしか出ていなかったので、上海経由で行ったのですが、その後春秋航空が成田から寧波への直行便の運航を開始したので、今回はそれを利用しました。1日1便で、その日程は;

11月5日
IJ101で東京=>寧波、到着後タクシーでホテルへ。センチュリーホテル泊。
11月6日
朝、迎えの車で訪問先へ。一日会議をして、夕方訪問先の車で寧波空港へ送ってもらってチェックイン。IJ102で寧波=>東京へ。

となりました。

●第1日目:11月5日(水)
さて当日、利用するフライトは成田発14時55分です。午前中は通常の仕事をして、お昼を食べてから自分の車で会社を出ました。今回も成田空港に隣接する民間のパーキングを利用しました。車を預けて、空港までパーキングの送迎バスで送ってもらいましたが、バスは春秋エアなどの格安航空会社が使っている第3ターミナルには行きませんので、最寄りの第2ターミナルで下車します。そこからターミナル連絡バスで第3ターミナルに移動します。

チェックインが済んだら、また長い連絡通路で発着ゲートに移動します。途中に出国検査がありますが、今はパスポートのICチップのデータをスキャナーで読み取って顔認証をするだけです。機内は1/3くらいの込み具合で、飛行機は定刻に離陸して日本列島を縦断していきます。


成田空港に到着しました。これが我々が乗る飛行機です。

席は社長が最前列、私は2列目です。

これが第3ターミナルです。

地上スタッフが見送ってくれます。

お世話になりました。

成田から羽田、川崎を飛び越えて南下します。

おお、富士山だ。

宝永火口の内側に雲があります。ジグザグの登山道もはっきり見えますね。

琵琶湖が見えてきました。中央の白い線は琵琶湖大橋でしょう。

大坂の上を飛んでいます。大阪城が右下に見えます。

関門海峡が見えます。中央下の四角いのは北九州空港でした。

福岡市の上空に来ました。

日没です。

寧波に到着しました。

さて、寧波空港に到着です。地方空港にしてはかなり大きな空港です。
入国手続きをすませ、ターミナルビルの前で客待ちをしていたタクシーに乗り込みました。前回は町の中心で、新幹線の寧波駅から近かったので地下鉄で行きましたが、今回は地下鉄の乗り換えが多いこととホテルに近くに地下鉄の駅がないので結局タクシーに乗る必要があるのですが、路上でタクシーを探してうろうろしたくないので、それなら最初からタクシーで移動しようと考えたわけです。道案内として、ホテルへの案内を中国語で書いたものをダウンロードして印刷して持ってきてドライバーに渡したので、大丈夫でしょう。行程のほとんどが高速道路で、出口さえ間違えなければその先は大した距離はないのです。それでも念のため、時々スマホを取りだして地図ソフトで現在地を確認して案内書通りのルートを走っているかチェックしました。そして約40分走ってホテルに到着しました。

こうして無事ホテルに入ったのですが、驚いたことにこのホテルは5つ星の最近出来たというとおりモダンでピカピカなのに、フロントに英語を話せる人がいないのです。幸いチーフらしき人が片言の日本語を話せたので問題なくチェックインできましたが、小さな民宿じゃあるまいしこんな大きなシティホテルで英語が通じないなんてあるものですかねえ。

さて時計を見るともう7時近いです。部屋で手と顔を洗った後食事に出ました。日本を出る前にグーグルの地図で周囲を探索して、ホテルの周りにはろくに店らしい店がないことがわかっていましたので、最初から外には出ないでホテル内のレストランで食べる予定にしていました。へたに街角の小さな店に入って、言葉も通じない、見たこともない食材もわからない料理が出てくるなどという、旅行者あるあるハプニングは社長を案内している手前、避けたかったのであります。

さて、レストランに入って席まで案内してもらうあたりでもうこのレストランも英語が通じないということが理解できました。そうはいってもまずはビジネスの成功を祈ってビールで乾杯したいところです。ところが、手真似を交えて何とか注文した2本のビールが冷えていないのです。これは何かの間違いか?スマホで「冷たい」を中国語で調べてウェイターに見せても「没有(メイヨー)=無いよ」という返事が返ってきました。え?ないってどうゆうこと?前に中国に来た時、どこでも冷たいビールが出てきたけどなあ・・・仕方なくぬるいビールで乾杯。料理が来たので紹興酒を頼んだら、初めて見る透明な四角い375ccの瓶が来ました。「パゴダマーク」が付いていてちゃんと紹興市の住所が書いてありますから大丈夫そうです。ほう、我々が日本で飲んでいる紹興酒よりもかなりマイルドな味ですが、とても飲みやすくて美味しいじゃないですか。よしよし、ようやくリラックスして食事を楽しむ雰囲気になってきましたよ。

最初の料理はエビ入り焼きビーフンです。実は一番目の料理として魚のすり身団子揚げのようなものを注文したのですが、品切れとのことでビーフンが最初になったのです。メニューの写真では甘エビサイズのエビがびっしり乗っていたのですが、これはただの炒めた小エビが入ったビーフンです。でもさすがに本場は美味しいですね。お腹が空いているので特に美味しく感じます。
続いては蒸しワタリガニネギ醤油味。これも美味しいけれど、いかんせんカニが小さいので食べづらいです、もうちょっと大きければなあ・・・でもネギ醤油でお酒が進むから紹興酒をもう一本もらいました。
最後はタケノコスープ。メニューのページに有ったシナチクの煮つけのような写真を指さして頼んだのですが、ちょっと予想と違いました。薄味のチキンスープに根曲竹みたいなものが入っています。白いところはサクサクととても柔らかく、外側の緑色のは見た目が完全に竹なので普通なら固くて食べられないと思うのですが意外に軟らかくなっていて驚かされました。
メニューは中国語に英語が併記されているので理解するのは全然問題がないのですが、まさか五つ星のホテルで英語が通じないとは思わなかったので通訳ソフトの類を用意していかなかったのは失敗でしたね。それはともかく、本場中国の料理の味付けはとても薄味です。日本の中華料理が濃すぎるように感じました。


エビ入り焼きビーフン。メニュー写真ではエビがびっしり入っていましたが実際はチラホラ。

文句なく美味しかった、蒸しワタリガニネギ醤油ソース。惜しむらくはカニが小さい。

さっぱりとした味の本場の紹興酒。1本375ccしかないので3本空けちゃいました。

見た目は青竹っぽいですが、意外と柔らかく煮えています。スープが美味しい。

さて、お腹はいっぱいになりましたが寝るにはまだ早い。もうちょっと飲みたいですね、ということで同じ階にあるバーへ向かいます。ほかに客は一組だけで、見たところコーヒーなんぞを飲んでいるようです。我々はウィスキーを飲むことにして、オンザロックとソーダ割りを注文したところまたもや「没有(メイヨー)=無いよ」という返事。なに?もしかして冷蔵庫が壊れていて氷とか冷えたビールがないのか?ウェイターが持ってきたメニューを見ると、コーヒー、紅茶の後は数種類のワインしか書いてありません。「でもあそこにいろいろあるじゃないか?」と酒瓶が並んだバックバーを指さすと、にこりともせず「〇?÷*◎」。どうやら並んでいるのは飾りらしいです。そこで社長が立ち上がってカウンターでメニューを指さしながらなにやら聞いています。女の子が首を振ったりうなずいたり、どうやらワインも全部の在庫があるわけではないようです。それでもなんとか注文を終えて待っていると、恭しくボトルが運ばれてきてきました。見ているとウェイター氏は二つのポットにワインを継ぎ分けています。ええ?年代物のワインでもないのにデキャンタ?ですが継いでいるのはデキャンタ用ではないただのカラフみたいなポットだし、なぜに二つに分ける?公平に2等分して飲めということなのでしょうか?
ちなみにワインは見事に室温になっていました。これはセラーなどで保管していたのではなく、ずっとその辺に置いてあったということですね。ワインの味自体は悪くはなく、もうちょっと冷屋してあれば、もっとおいしくいただけたに違いありません。中国では冷たいご飯は嫌われると聞いていましたが、飲み物もそうなんでしょうか?謎です。


バックバーにずらりと並んでいるのは飾り。メインバーなのにウィスキーがない!?

安い若いワインなのにデキャンタ?

しっかりとこぼれてラベルを汚しているし。

それでもワインはワイン。二人で1本空けるとさすがに心地よくなったので、部屋に帰って寝ることにしました。シャワーは面倒なので翌朝に浴びることにして、すぐにベッドにもぐりこみました。

●第2日目:11月6日(木)
そして翌朝、分厚いカーテンを開けてみると良い天気です。
シャワーを浴びてすっきりしましょう。5つ星ホテルだけあって、内装はモダンできれいです。トイレや洗面の設備は世界の高級品、日本のTOTO製です。浴槽の横がガラスになっているのは、中国人の好みなのか、それとも風呂に入って外の景色が見られるようにというサービスなのかよくわかりませんが、前に泊ったシェラトンもこうなっていましたね。


窓の向こうの高層アパート。40−50階くらいありそうです。

部屋の内装です。5つ星だけあってモダンでちゃんとしています。

ダブルルームのシングルユースでゆったり。

部屋との境のガラスには電動シャッターあり。

設備は日本のTOTOです。

さて、では朝食に行きましょう。これもモダンで凝った内装になっています。料理は中国風のものと、パン、フルーツの洋風の両方があります。まずは焼きそばに小籠包、ソーセージ、ベーコン辺りをいただきましょう。飲み物はオレンジジュースです。社長がお替りでラーメンみたいなものをもらってきたので、私も麺のコーナーに行ってみました。黄色い中華麺に白いフォーみたいな平たい麺、うどんのような太い麺といろいろあります。私がうどんらしき中太の麺を指さすと、コックさんが湯通しをしていくつか並んだ容器から細かい牛肉の煮込みみたいなものを乗せてタレをかけてくれました。手元の容器を指さすので、見るとネギとシャンツァイ(香菜/パクチー)で、これはお好みでかけろということのようです。礼を言って席に戻り、ではいただきます。うん、甘辛い牛肉が美味しい。これはいわゆる中国でよく見る牛肉麺(ニューローメン)ですね、スープがないですけれど。満足しているとスタッフと思しきおばさんがやってきて何か聞いてくるのですが、意味が分からない。首をかしげていると待っていろというしぐさをして去っていきました。戻ってくると両手にカップを持っていて、我々の前にトンと置いてまた何か言いながら「じゃあね」という感じでいなくなりました。器を見ると白い球がふたつ、透明なスープに浸っています。食べてみると中には甘い餡が入っています。ゴマ団子ですね、汁にはしょうがのかけらが混じっています。見るからに外国人である我々に、自慢のデザートを持ってきてくれたわけですね、あのおばちゃんは。


朝食のレストラン。しゃれています。

宿泊客は見当たりません。

まずは炒麺、小籠包、炒め野菜、チキンソーセージ、目玉焼き、ベーコンから。

うどんみたいな中太の麺を指さしたら牛肉麺になりました。

中に餡が入った団子。スープの中の黄色いのはショウガです。

さて、そろそろ迎えが来る時間です。部屋に戻って着替えて荷物を整えロビーに降ります。すぐに訪問先の営業氏がやってきて久しぶりの再会の握手。訪問先の本社と工場は寧波にありますが営業部は台湾の台北市にあるので、かの営業氏は台湾から我々の訪問に合わせてやってきてくれたわけです。
社長も降りてきて、フロントで支払いを済ませて合流。表で待っていたワンボックスに乗車して、ホテルから工場までは10分くらいで着きました。前回は街の中心部でしたから、それに比べるとはるかに近いわけです。

工場で、出迎えてくれた先方の社長夫妻を紹介し、会議が始まりましたがその内容は社外秘なので割愛いたします。
お昼になると営業氏以外のスタッフは退室し、代わりにお盆に乗った定食が運ばれてきました。少なめのごはん、鶏団子のスープそして青梗菜の炒め物、トマトと玉子の炒め物、それにごぼうとニンジンなどの煮物です。この工場は細かい作業が多いので、作業をする人も女性が多数だからでしょうかおかずもスープも薄い味付けになっています。朝ご飯をしっかり食べた我々には少ないご飯がちょうどぴったりでした。


会議室に運ばれてきた昼食。社員食堂と同じメニューだそうです。

訪問先の社長室でご自慢のステレオを試聴させてくれました。

さて、訪問の目的を果たしてビジネスは終了しました。親切にも空港まで車で送ってくれるということです。
我々を乗せた車はすぐに高速に乗って北上し、およそ40分で工場に到着しました。チェックインも問題なく終了、出発ターミナルに移動すると、高い天井の広いターミナルの端を板壁で仕切っただけの場所が国際線の出発ゲートでした。

それでもカフェテリアとトイレとコンビニは専用でエリア内にあります。出発まで1時間近くありますし、LLCゆえ機内では食事が出ないのでここで何か食べておいた方がいいだろうとカフェテリアに入りました。壁のメニューを見ると、出ました、中国のファストフードの定番「牛肉麺」とデザートしかありません。ふたりとも牛肉麺とビールを注文しました。何気なくカウンターの中を見ると、棚に缶ビールがずらりと並んでおり、まさかと危惧したとおりにそこから2本をつかんでコップと一緒に差し出しました。「うーん、やっぱり中国には冷たいビールはないのだ」とうなだれてビールを受け取って空いたテーブルに座った瞬間、それまでテーブルを拭いていたウェートレスのお姉さんがつかつかとやってきて我々のビールをつかんでカウンターに向かい、レジのお兄ちゃんに向かって何事か命令しています。そしてお兄ちゃんが下の方から取り出したビールを我々のテーブルにトンと置いてくれました。そのビールにはうっすらと水滴が付いているではありませんか!そうです、冷たいビールです。きっと「ほらあ、この人たちは外国人なんだから、ビールは冷たいほうを出さなきゃダメだって言ったじゃないの!」みたいなことを言ってわざわざ取り換えてくれたのでしょう。うれしいことです。さらにそのお姉ちゃんはつまみのピーナッツを2皿持ってきてくれました。それがサービスなのか代金に含まれているのかはわかりませんが、我々が満面の笑みで受け取ったことは間違いありません。そして冷たいビールで「お疲れ様」の乾杯。カァーッ、やっぱり冷たいビールは旨い!!
そこに牛肉麺も到着しました。うん、上品なスープです。漢方薬みたいな香りもします。ここでもスープは薄味でした。これに慣れるとなんともないのでしょうが、日本のラーメンは味も油も濃すぎる気がしてきます。


ビールと牛肉麺を注文したら、ピーナッツがあとから出てきました。

麺は冷や麦みたいなストレート麺。スープは漢方薬みたいな香りの薄味。

帰りのフライトは真っ暗なので写真を撮る楽しみもなく、定刻に成田に着陸しました。
入国審査もパスポートをスキャナーにおいてカメラで顔を確認するだけです。到着ロビーから車を預けてある会社に電話して、駐車場への送迎バスを待ちます。並んでいる自分の車に乗り込んで東京を目指します。社長を自宅へ送り届けて帰宅。わずか1日半の留守でしたが・・やっぱり日本はいいなあ・・・味噌ラーメン、食べようかな。

 


					

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