*初代のプロジェクター
私が初めて購入したプロジェクターは、SHARPの「液晶ビジョン XV-H1Z」というモデルでした。1990年のことで、当時の価格は驚きの50万円でした。
初代のZ1に較べると若干コンパクトにはなりましたが、今から見るとキャリングハンドルはあっても約15kgと重いプロジェクターでした。同じシャープの80インチスプリングローラースクリーンもセットで購入し、6畳二間を通しにしたリビングルームからベランダへ出入りする窓のところのコンクリート梁に取り付けました。
プロジェクターは普段はキャビネットにしまっておき、映画を見るときに取り出してワゴンに乗せ、電源やビデオコードを接続して映画会にするという使い方でした。
その当時は天井につり下げるタイプは大きくて重い3管式のプロジェクターしかなく、これでもずいぶん手軽に大画面を楽しめるようになって喜んだものでした。
1998年4月に今のマンションに移ったときは、室内の間取り図をスキャナーに読み込んでレイアウトを考えました。リビングルームが以前のような長方形ではなく変形でかつドアやベランダ/窓が多いため壁面積が少ないのです。当然スクリーンをリビングの壁側に持ってくるとすると使える面は2ヶ所しかありません。
B案はスピーカーの両側にスペースがとれるので音響的にはよい配置なのですが、スピーカーに対抗する面がベランダに面したガラスであって反射が気になること、プロジェクターの位置が窓の前の梁の下になって将来天吊りにするときに障害となること、残った壁際に食器棚を置くとスクリーン中心から右に観客が偏ることなどの難点があってA案に落ち着きました。
プロジェクター本体は従来同様、キャビネットに格納しておいて映画を見るときに出してキャスター付のワゴンに載せて投射します。電源と映像信号はスクリーン下のAVラックからテーブルタップとビデオケーブル引き出して接続していました。
*二代目のプロジェクター:2000年6月
私が次に購入したプロジェクターはSONYのVPL-VW10HTでした。
液晶プロジェクターもだんだん普及してきて、新しいモデルが出てきました。
ある時、ソニーの新製品展示会が平和島の流通センターで行われたので見学しているときに新しいプロジェクターのプロトタイプが紹介されていました。以前のモデルで批判のあったファンノイズを内部に設けたダクトで低減し、排気口をレンズのある前面に設けた家庭用の使用を重視した設計となっています。
画素数も十分で明るく、据え置きにも天吊りにも対応し重量も大したことはないのでこれ以上のものは望めないと、早速注文することにしました。もちろんまだ量産は始まっていませんので発売時期も価格も未定となっていましたが、とにかく市場に出たらすぐ買うつもりになっておりました。
ところが、それから半年近くなってもまだ発売になりません。秋葉原の販売店を回ってもデモ機はおかれるようになりましたが生産が遅れているとのことで予約受付の状態です。どうも光源である放電灯がフィリップス製でその生産数に限界があってそれで本体の生産も遅れているとのことでした。
ようやく注文した商品が到着したのが3月。価格は65万円でした。早速今までのワゴンの上に置いて比較してみましたが、画面の緻密さ、色の鮮やかさ、そしてシネマモードにしていても眩しいくらいの明るさにすっかり満足しました。そうなると今度はいちいち使うたびに引き出すのではなく、天井に固定したくなるのが人情というものです。
ところが専用の天吊りユニットは結構高額で、しかも直付けではなく天井に固定したパイプから下がった板に取り付ける方式です。これだと頭にぶつかることはないまでもかなり圧迫感があり見た目もよくありません。
そこで、ズーム機能を使いながら投射位置を探っていくとちょうどキッチンのドアの内側にまで下げることが出来ることがわかりました。キッチンの天井は下がり天井で居間の天井よりも30センチ位下になっています。脚立を持ち出して壁に細い針を刺して探ってみると、石膏ボードの裏にはかなりの空間がありそうです。心配した縦桟もうまい具合にスクリーンの中心に向かい合う場所でプロジェクターが納まる間隔になっています。
早速石膏ボードをカッターで切り抜き、切り口を似たような壁紙で整え、プロジェクターを押し込みました。スクリーンが天井から一段下がった梁から下がっており、一方この開口部は天井近くに位置していますので、プロジェクターはやや下向きに投射する必要があります。つまり、後部を持ち上げて設置しなければなりません。さて、どうするか?
まず、プロジェクターのカバーの両側のビスでLアングルを固定して後部を持ち上げさらに全体を乗せる台にも角度をつけて映像をスクリーンの上端に合わせ、その分台形ひずみを補正しました。
距離的にはほぼテレ側いっぱいにズームを調整しています。このとき既に、4:3はこれで良くても16:9で投射するためにはズームをいっぱいに絞ってもまだ画面がスクリーンからはみ出すことが解っていました。したがって約60センチくらい前に出さなければならないのですが、仮に60センチ出しても両方のアスペクトはカバーしきれません。せめてもう少しズーム幅を大きくしてくれていたら同じ位置で4:3と16:9を写すことができるのですが・・・。ともかくプロジェクターを壁に埋め込んでしまいたいがために当面は4:3画面だけでいくことにしてDVDもレターボックス再生に設定しました。
リモコンは本体の前にもセンサーがありますので問題なく使えますし、プロジェクター裏側の空間はキッチンと同じ面積だけありますので冷却についても問題ありません。
これで我が家のホームシアターシステムは完成となったのですね、16:9の時代が来るまでは・・・!
*天吊りスライド化へ:2001年3月
「スクリーン編」でも述べたとおりなのですが、BSチューナーを入れてからついに今までの4:3画面は物足りなくなって16:9へ移行を決意し新しいスクリーンを導入しました。もっともスクリーンは全面グレーであり黒の縁取りがあるわけではないので、ある程度まで投射位置を下げれば、4:3の投影は可能なのです。しかしその位置で16:9を投影すると当然横幅が広がりますので画像がはみ出してしまう、従ってプロジェクターを60センチくらい前に出して全体を小さくしなければならないわけですね。せっかく壁に穴を開けてうまくプロジェクターを埋め込んだのですからいまさら穴をふさいで天井に直づけするのは忍びない、そうすると自然に結論は、見ないときは壁の中にプロジェクターを仕舞っておいて映画を見るときに所定の位置に出てくる、つまり「スライド方式」に落ち着くわけです。早速、スライド機構をどうするか、いくつかのプランを考えました。
- プロジェクターを天板に固定してコの字型の足をつけてレール上を前後にスライドする
- スチールデスクの引き出しのスライド機構を利用してプロジェクターを横で支えて出し入れする
- 天井にハンガーレールを設けてプロジェクターを吊り下げて滑車でスライドさせる
第一案は全体が大がかりになるのと、バランスをとるためにかなりの重りが必要なこと、第2案は見た目はいいものの左右のがたを押さえる方法が無く根元を支える機構が大変ということで最終的に3番目の案に落ち着きました。はじめは手で出し入れするとしても、将来、適当な方法で電動化する場合でも比較的楽に対応できそうだという理由もあります。
さて、レールには身近な素材であるカーテン用のレールと滑車をそのまま使うことにしました。ただしプロジェクターの重量を考慮して車がダブルになっているものを使います。カーテンのフックをかける穴が丁度5ミリですので5ミリのボルトとナットで4組の車をプロジェクターに取り付けました。固定にはプロジェクターの3箇所の穴を使いアルミアングルやL金具を使用しました。
レールは、プロジェクターが壁から出る部分は直接天井に木ねじで固定(天井は石膏ボードですが裏に木の桟が入っている場所を選んであります)しますが、壁の中は別に支柱を用意してプロジェクターを支えるような構造にしてあります。
プロジェクター全体を下向きにする調整は、前方の車を固定している棒ネジの高さで行います。実際に投射しながら試行錯誤を重ねて最終的に位置を決定しましたので時間は結構かかりましたが、この改造に要した費用は¥3000ほどで済みました。
これで、上映のたびに手でガラガラと出し入れする必要はありますが、それほどリビングルームの見た目を損なわずに16:9の大画面を楽しめるようになったのでありました。
*天吊り電動スライド化へ:2002年6月
スライドメカニズムが完成すると、次はいかにしてこれを電動化するかです。
いずれにしてもモーターの回転運動を直線運動に変換してプロジェクターを出し入れするわけですが、しかもある程度ゆっくりと動かすメカニズムとなるとそうはありません。
まず1案として、モーターの軸に連結した長い棒ネジにナットを組み合わせる方法、そして第2案として二つのプーリーにかけたワイヤーをモーターで駆動する方法を考えました。
第1案はメカニズムとしては単純であり、ステッピングモーターを使えばスピードも自由に調整できて良いのですが、ナットをうまく固定するためには溶接をする必要があります。ナットの替わりにアルミや樹脂の板にネジを切って使うことも考えましたが、終端でかなりのトルクがかかりますのでいずれネジ山がバカになる可能性があります。
そこで思いついたのがワイヤー式であり、自動車のパワーウィンドウを上下させるメカニズムを利用することです。
早速クルマの修理工場から廃棄部品をもらってきて試してみました。電源は12ボルトのバッテリーでスムーズに動き、さらに終端でモーターに負荷がかかると自動的に電源を遮断する回路も組み込まれているのもありがたいです。ただ、残念ながらストロークが8センチほど足りません。仕方なく両端のプーリーを外してガイドをアルミアングルと入れ替えました。ワイヤーの長さも伸ばさなければならないので日曜大工センターで1ミリのワイヤーと自転車用のブレーキケーブルを購入してきました。ブレーキケーブルは外側のフレキシブルチューブを使うためです。モーターとプーリーを分解し、ワイヤーをステンレスワイヤーの長いものと入れ替えてプッシュ・プル機構は完成しました。
電源は12ボルトの密封型鉛バッテリーを使用し、ACアダプターから常時トリクル充電をする回路を加えました。スイッチは、リモコンにするまでも無く丁度キッチンの照明スイッチが壁に付いているのでそこの3連のベースにモーメンタリーのプッシュスイッチを2個、空いているところに取り付けました。
プロジェクターとの接続ですが、これは前後の調整幅をもたせるために小型のシャックルを介して穴あきプレートでプロジェクターの両側に連結しました。
これで天吊り電動スライドマウントは完成です。
難を言えば、前後の動きが少し速すぎることと、そのためにローラーがレール内を移動するときの音がゴロゴロという感じで少々品位に欠けることです。これは今のモーターの駆動電圧は12Vなのですが、9-10Vくらいに下げてやれば解決するでしょう。また、出来れば格納したときに連動して開閉するカバーでプロジェクターを隠してしまいたいと思って、2、3試作しましたがどれもうまくいかず最終的に吊り下げているローラーだけ見えないよう周りを覆うことにしました。
カバーは将来の課題とします。
格納時 上映時のポジション サイドビュー
*プロジェクターの電球交換の話:2010年3月
プロジェクターSONYのVPL-VW10HTも10年使用したらさすがに画面が暗くなってきました。交換用の電球はLAMP-P200というもので、定価が57000円もします。あちこち較べましたが、結局近所のヨドバシカメラに注文することにしました。価格は46200円でしたが、ポイントが10%つくので、実質41580円です。
注文して2日目に入荷した旨の連絡が来ました。引き取りに行ってみると、何とも大きな箱を手渡されました。中には分厚いスポンジにくるまれて小さなランプユニットが入っています。我が家の場合は、プロジェクター本体をおろすのが大変です。脚立に上って配線を外し、スライドレールのエンドキャップを外してから前に滑らせて本体を外します。布の上にそうっと置いてランプハウスのカバーを外し、ユニットを固定するネジ2個を緩めて引き上げます。新しいユニットを差し込んだら逆の手順で元に戻します。この間15分。さあ、試験点灯しましょうか。その前に、ランプの点灯時間をリセットしておきます。最初にリセットキーを押し、次が左矢印キー、右矢印キー、最後にリターンキーを押します。で、スイッチオン・・・おおお〜明るい!買ったときはこうだったのか〜もっと早く交換すれば良かったな、と思う瞬間でもありました。しかし・・・電球、高いよね!!
何とも大きな箱ですね。 |
これが交換する電球です。 |
プロジェクターを元に戻しました。 |
さあ、いよいよ試験点灯の瞬間です。 |
なんと、昼間でもこの明るさがあります。 |
さて、これでまたあと10年使うことができるでしょうか。
*プロジェクター三代目の話:2016年11月
初期の名品SONYのVPL-VW10HTも16年使用したら、さすがに最近のプロジェクターに見劣りするようになりました。
いまのは小さくて軽くて明るくて、しかも画質が良くなっています。とはいってもやはりDLPでは映画を見る気になれません。液晶タイプがいいですね。その点、ソニーのVPL-CX86はオートフォーカスでサイドショットという横方向のひずみ補正もできる優れものです。これも定価は60万円くらいするのですが、ランプ寿命が短い良品をオークションで手に入れることができました。そこでまだちゃんと映るのですがVW10HTと入れ替えることにしました。
このプロジェクターを入れ替えのために降ろします。 |
こちらが入れ替えるプロジェクター、ソニーの「VPL-CX86」です。小さくて軽いです。 |
このローラー機構を新しいプロジェクターに移植します。 |
ボロボロのフィルターを取り換えます。 |
2ミリ厚のアルミ板に位置決めをします。 |
ドリルで穴あけをします。 |
アルミ板にローラーをねじ止めします。 |
そしてアルミ板をプロジェクターの底面に固定すればOK。あらかじめ天吊り用の固定ナットが3か所、ボディに埋め込まれています。 |
アルミ板の固定完了です。 |
配線をして入れ替え作業の完了です。 |
前のよりずっと小さくなって、格納穴がとても大きく見えます。 |
投射位置を調整します。オートフォーカスなので上下左右をあわせるだけです。 |
画面の明るさが全然違います。明るさは前のプロジェクターの2倍以上あるのです。 |
新しいプロジェクターは、カタログデータによると前のVW10HTよりも30センチくらい投射距離が短いのです。そのためスライドレールの一番前でも画面がはみ出す恐れがあります。テスト投影の結果、目いっぱいズームを絞ってぎりぎりレールの一番前でスクリーンに収まることが分かりました。
いやあ、これはきれいな絵ですねぇ。
この明るさは一度体験したらもう元へは戻れません。これでまた映画を楽しめそうです。
*プロジェクター四代目の話:2019年6月
とても明るくてコンパクトなSONYのVPL-CX86でありますが、設置してしばらくするといつの間にか勝手に電源が入るようになりました。
電源が入ってもソースとなる映像機器の方はオフのままですから何も映りませんが、ブルーバックの青い光だけが煌々と壁を照らしているというのは不気味です。原因は何でしょう?リモコンかそれとも電源か・・・・プロジェクターの格納場所は台所の屋根裏です。冷蔵庫の電源とも共通で、もしかするとコンプレッサーのオンオフでノイズが出て、それでプロジェクターの電源が入っているのかもしれません。そこでプロジェクターの電源をアンプ類と同じ電源からとるように変更してみました。その結果、前よりは頻度は減ったものの、まだ時々真夜中に点灯していることがありました。そうなると最後の手段として、このプロジェクターは御殿場で使用している別のプロジェクターと入れ替えることにしました。
このプロジェクターを入れ替えのために降ろします。 |
左がが入れ替えるプロジェクター、ソニーの「VPL-CX70」です。86よりもさらに小さくて軽いです。 |
入力が1系統だけになります。端子版が反対側に付いています。 |
降ろした「VPL-CX86」です。吊り下げ固定用のアルミ板をCX70に移設します。 |
映像尊号のケーブルと電源を接続しています。CX-86とは反対側に配線が来ます。 |
画像を投影して調整をします。若干左寄りに投影しています。 |
スクリーンに合わせてキーストーンやサイドショットも調整が必要です。 |
前のよりさらに小さくなったので、格納穴がやけに大きく見えます。これで設置完了です。 |
これでもう「怪奇現象は」起きないでしょう。御殿場ではプロジェクターの電源は入れっぱなしではなく、映画を観るたびにキャスター付きの台を運んできて電源をつなぎますので全く支障はありません。仕様的にはCX-70の方が若干ランプ出力が小さいので、200ルーメンほどCX-86よりも暗いのですが、実用上は全く問題ありません。
多分最後のコンポーネント接続機としてまだまだ活躍してくれることでしょう。
*四代目プロジェクター復活の話:2020年10月
去年まで我が家のホームシアターで使用していたのは、SONYの液晶プロジェクターVPL-CX86です。16年間使用した先代のVPL-VW10HTと2016年に交代しました。とはいってもヤフオクで入手した中古品でしたが、明るくてコンパクトなのでとても気に入って使用していました。しかし去年の6月に、勝手に電源が入るようになったので御殿場のCX−70と入れ替えたのです。その後も御殿場で使用していたのですが、今年の春ごろから画面全体が赤と青の縞々模様になってしまう不具合が発生して、使えなくなってしまいました。
普通なら液晶の位置ずれを疑うところですが、開けてみてもこのプロジェクターには液晶を調整するような機構は見当たりません。もしかしたらサービスモードで専用の調整プログラムを使って電子的にやっているのかもしれません。ともかく修理できるまでの間、もう一台同じVPL-CX70をヤフオクでゲットして代替品として使っていました。
ところが半年ほど経つとCX-70の画面の右下が三角に色が付いてきました。埃でも液晶に着いたのか、それとも偏光板が焼けたのか・・・そこでプロジェクターを降ろして液晶など光学部品を掃除してみることにしました。おや、3枚の液晶とプリズムが一体となったこの構造は、CX86とそっくりじゃないか?そこでCX−86も開けて二つを並べてみました。液晶のサイズも、スペックの画素数もそして取り付け部分の構造も全く一緒です。コネクターのピン数も同じ。調べてみるとCX-70もCX-86も2005年と発売時期が一緒です。そして液晶パネルはどちらも「0.79型XGA TFT LCDパネル×3、約236万画素(786,432×3)」と同じですから、同一の部品が両者に使われていると考えられます。CX-70の液晶パネル自体におかしいところは見当たりません。これをCX−86につけてみたらどうだろう?縞々が治るかも知れません。
ということで、入れ替え作業の開始です。
CX-86のカバーを外してみました。結構ぎっしりと詰まっています。
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点灯状態です。白い光が3原色に分割されているのがわかります。
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基板の下にある3枚の液晶と合成プリズムのブロックです。これを交換してみます。
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左がCX-86で、右がCX-70です全く同じ部品と言って構わないでしょう。
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どの液晶もきれいです。
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プリズムを通して向こう側が見えます。
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スイッチオン。おお、縞々が無くなりました。成功です。
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ホコリ避けのフィルターがボロボロです。
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目の細かい紙をフィルターにしました。
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フィルターも新しくなりました。
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修理完了です。これで映画が楽しくなります。
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液晶プリズムブロックの交換で、縞々はなくなり正常に絵が出るようになりました。ということなら、CX-86を東京の自宅のメインプロジェクターとして復帰させようではありませんか。プロジェクターを天吊りスライド機構に取り付けて投射位置を調整すれば、作業完了です。
そうそう、今回目出度くも復帰したCX-86には、かつて「いつの間にか勝手に電源が入る」という奇病がありました。実はそれも直ったのです。なんということはない、設定メニューに「電源を繋いだら自動的に点灯する」という多分タイマー作動を想定したのであろう項目があって、それがなぜか「ON」になっていたのが原因でした。きっと電圧変動とか瞬断の影響を受けて電源が入っていたのだろうと思います。それをオフにしてからは、怪奇現象は発生していません。
*電動スライドワイヤーが切れた話:2022年7月
我が家のホームシアターはリビングに設置されています。
それで、当初プロジェクターは投影距離の関係で壁に穴をあけてその中に設置してありました。それが画面サイズの変更(4:3から9:16)により50センチほどスクリーンに近くする必要が出てきたので、天井にレールを設置して吊り下げるスライド式になっています。つまり普段は壁の中に収納しておいて、映写時に50センチほど電動で前に出て来るメカニズムとなっているのです。ちなみにメカニズムは自作品で、車のパワーウィンドウのモーターやスライド機構を流用しています。
このスライドシステム、もう20年も使っているのですが、先日映画を見ようとしたらワイヤーが絡んだ音がしてプロジェクターが出てきません。ついにワイヤーが切れてしまったのかな?
そこでプロジェクターを取り外して電動スライド機構を見ると、前に引っ張るワイヤーが緑色の前方プーリーからたれさがっています。
電動スライドメカニズムを引っ張り出してテーブルの上に置いてみました。
プロジェクターを前後に動かすスライダーに固定してあった2本のワイヤーのうち前に引っ張るわいたーの先端の固定部が割れてワイヤーがすっぽ抜けてしまっています。そのためテンションがかからないので、先端が外れてフリーになったワイヤーが駆動プーリーに絡まってぐしゃぐしゃになっていました。
絡まったワイヤーには癖がついているので再使用はせず、DIYショップで新しいステンレスワイヤーを買ってきて張りなおしました。
割れた固定部は補修して、新しいワイヤーを張ります。
駆動プーリーにも新しいステンレスワイヤーを張りなおしました。右側は再使用した引き込み側のワイヤー、左に向かうのが新しいワイヤーです。
作動チェックをしてメカニズムをもとに戻します。プロジェクターを押したり引いたりする金具も曲がっているところを修正しておきましょう。
スライドレールにプロジェクターを吊り下げて修理完了です。何度か出したり引っ込めたりしたあとにテスト投影をして、画像のずれがないことを確認します。
さて、これでまた映画を楽しめそうです。「トップガン」の新しいバージョンはいつレンタルできるようになるのかな?
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