*ラーニングリモコンを使う
AVシステムが増えてくると、誰でも困るのがリモコンの山です。
そこで必要になるのが、いわゆるラーニング(学習)リモコンですね。
私が長い間使用しているのが、アルプス製のごく一般的なラーニングリモコンで全てのボタンで学習が可能というものです。
私のシステムは、まず入り口にCDプレーヤーやFMチューナー、VHSと8ミリのデッキがあって全てソニーのAVH-555ESというセレクターに入り、ビデオ出力はプロフィールのモニター(いまはプラズマモニター)と液晶プロジェクターに接続され、音声はヤマハのDSPアンプからスピーカーに出すという構成でした。AVH-555には選択した入力に応じてアンプ系、機器系、ビデオ系の電源制御が出来る機能を持っており、たとえば「FM」のボタンを押すと機器とアンプの電源が、「VHS」を押すと機器とアンプとビデオすなわちモニタの電源が入るようになっていました。
このため、普通の学習リモコンでシステム全体のコントロールが出来ておりました。
唯一、必要だったのはボタンにどう機能を振り分けてレイアウトするかということでした。
特にプリンタがカラーになりきれいになるに従って、以前はインスタントレタリングに頼っていたものが、ドローソフトでカラフルなレイアウトを作って粘着シートに印刷することで簡単にきれいなリモコンを作成できておりました。
右のイラストは1998年頃のものと、2000年頃のものです。DVDが入ったために、ボタン配置が大きく変わったことが見ていただけると思います。
しかしこのリモコンにはプログラム機能(マクロ機能ともいう、複数の信号を順に送り出す機能)がありません。それというのも、AVセレクターにそれに近い機能、すなわち「TV」を押すだけでビデオ系統とアンプの電源が自動的にオンになったからであり、テレビもチューナーもコンセントのオンオフで直接本体の電源がコントロールできていたからです。
それが決定的に問題となったのは、最近になってBSデジタルチューナーを導入してからでした。
それはつまり、電源は常時コンセントに繋いで置いてリモコンでオンオフするタイプの機材が増えてきたためです。
*プロントを買うまで
BSデジタルの導入に踏み切ったのは、どちらかというとコンテンツよりも画質の魅力からでした。 使用しているプラズマディスプレイはソニーの業務用モニターですが、1024×1024の画素数を持ちハイビジョンに対応しています。これを生かさない手はないと思いBSチューナーを入れましたが、AVセレクターはコンポジット信号しか通しません。コンポーネント信号は直接モニターに入れて切り替えなければなりません。ところがBSを見た後コンポジットに切り替えておくのを忘れると「テレビやビデオが写らない!」という苦情が家人から出てしまいます。
そこでプログラマブルリモコンを使うことにしましたが、最初に候補に挙がったソニーのRM-200は機能が今一、ビクターの液晶タッチパネル式のはボタンに名前を付けることが出来る点がいいのですがボタンの大きさや位置が決まってしまいかつ価格が高い、そうこうするうちにPHILIPSのPRONTOがぴったりであることがわかりサイトで色々探しましたが日本では販売されていません。アメリカのショップは220-250ドルで売っていて、イギリスよりはるかに安いのですが海外からの注文を受けていないとか、アメリカで発行されたクレジットカードしか認めていないのです。そこで在米の知人に頼んで現地で購入してもらってようやく入手できました。
*プロント事始め
このリモコンの優れているところは、本体で直説するほかにパソコン上の専用ソフトでプログラムしてダウンロードできることです。
早速プログラムソフトをインストールしてプログラムを作り始めました。ちなみにこのソフトはウィンドウズ版しかなくマック版は用意されていません。
まずはプログラムの前に手持ちの機器全てを登録しなければなりませんが、はじめは付属のコードがどの程度使えるかを見るためにラーニングはせず機器を選択してみました。そして試しに使ってみて、動かない場合はラーニングするということを繰り返して登録終了。
次はいよいよプログラムを開始しますが、あらかじめ紙の上にフローチャートを作りながら機器の動作の順番を決めておくとスムーズにいきます。
ここでいくつか問題というか仕様上のルールを発見しました。
- 「ホーム」に相当するはじめの画面のボタンは選べない
機器につけた名前(アルファベットのみ)の長さによって自動的に3種類あるボタンの長短が決まるのでボタンをそろえるためにはスペースで調整する必要がある。
- 「ホーム」画面のボタンはカスタマイズできない
ほかのページでは、ボタンはペイントソフトなどを使用して4階調で自分で作成したビットマップのボタンを貼り付けることが出来るが、「ホーム」では出来ない。
- 「ホーム」画面のボタンの順番は自動で設定される
配列は5段あるがボタンの順序はその階層に作成したページの順に自動的に決められるので、入れ替えるためにはページの作成順そのものを変えなければならない。
- ビープ音が鳴らない
これはバグなのか、ハードの不具合なのか不明ですが周波数を選んでビープ音を鳴らす機能があるのに設定しても働かない。
- ラーニングした信号が次回のダウンロードで消えてしまう
付属しているソフトでは本体に入っているプログラムをPCに戻して修正する機能が無いため、修正したプログラムを入れると全て上書きしたしまうため。これはPHILIPSのサイトから最新のバージョンをダウンロードする事で解決する。
http://www.pronto.philips.com
- プロントの問題ではないのだが電源のコントロールに注意が必要
ビデオデッキやチューナなど電源ボタンが一つで、押してオン、また押してオフの時に発生する問題。つまりあるシーケンスで「テレビをつけ、ビデオの電源を入れてビデオに切り替える」としたとき、そこからCDに切り替えてまたビデオに戻すとすでに電源がオンになっているのにもう一度電源信号を送るのでビデオがオフになってしまう。この場合、CDの切り替え時にビデオ電源の信号を入れておくこともできるが、そうするといきなりCDを入れたときにビデオの電源が入ったり、録画しているときに電源が落ちたりするのでまずい。
これを防ぐために有効なのは「初めて電源を入れる」パターンと「切り替える」パターンを作って使い分けること。私の場合はそれをプロジェクター用とプラズマ用そして音楽用をそれぞれ作って「ホーム」に割り当てる事で解決。
なお、機器によっては付属のリモコンは電源ボタンが一つでもそれとは別にオンとオフの信号を持っていることがあり、この辺の情報はアメリカのユーザーサイトに「ディスクリート信号」として紹介されている。
http://www.remotecentral.com/cgi-bin/mboard/rc-neo/list.cgi
特に最後については色々と試行錯誤をしてたどり着いた、やむを得ない方法です。
この種のリモコンが一般的になって、ディスクリートのリモコン信号が簡単に手にはいるようになることが望まれます。その点では、ソニーのプラズマやプロジェクターはリモコンがそのようになっているので大変助かっています。
今の私のリモコンの画面は、左の図のように上から、
<START PDP>・・全てオフの状態からプラズマを見る
<Change PDP>・・プラズマで他のソースを見る
<START Proj.>・・オフの状態からプロジェクターを見る
<Change Proj.>・・プロジェクターで他のソースを見る
そして<MUSIC>・・CDやFMを聴く
となっています。
例えば<START PDP>を押すと、右図のようにアイコンの付いた<TV><BS><DVD><VHS><8m1><8m2>の画面にジャンプします。
そして<VHS>のボタンを押すと以下のシーケンスを実行します。
- プロジェクターの電源オフ
- VHSビデオデッキの電源をオン
- プラズマの電源オン
- プラズマの入力をコンポジットに
- AVセレクターをVHSに(イコライザー+AVアンプの電源オン)
- AVセレクターのイコライザーを”使用”に
- AVセレクターのPCM入力を”解除”に
- AVアンプの入力をVCR(AVセレクター音声入力)に
- リモコンの画面をTVチューナーのチャンネル表示にジャンプ
<Change PDP>では同じ画面ですが、シーケンスのうち”プロジェクターの電源オフ”や”ビデオの電源をオン”が無くなります。そして<START Proj.>ではプロジェクターがオンになってPDPをオフにし、さらに電動スクリーンを下げる信号が加わります。
また、<MUSIC>ではFMとCDのボタンが現れ、どちらもPDPやプロジェクターの電源を切ってから入力を選択するシーケンスとなります。
このリモコンの改善すべき点としては、液晶画面とバックライトの時間設定が出来るのですがバックライトはともかく液晶が最長120秒までしか表示せず消えてしまうことです。使う前にいちいちどれかのボタンを押さなければ表示が出てこないのはワンテンポずれますし、ここは是非常時表示が可能になればいいと思います。
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