2004年夏、花火見物

夏を彩る風物詩、それは花火です。

東京都内で観る花火といえばまずは規模も大きく有名なのが隅田川花火大会、これは今年は7月31日に行われました。なにしろ都心の隅田川に浮かべた台船の上で行われますので、周辺の陸地はいうまでもなく、船で花火を見に行くというのはもともと狭い川の中とてかなりの混雑が予想されます。

幸い私の自宅のマンションのベランダからは2ヶ所の会場から打ち上げられる花火を両方とも見ることが出来ますので、ここで済ますことにしました。ベランダにイスとテーブルを持ち出せば準備完了、ビールは冷蔵庫からすぐ持ってこられるし、テレビの解説だってみられます。
交通の心配もなく、いたって楽ちんな花火見物です。

そして8月1日の江東区花火大会。
これは荒川の河口近くで行われるということで、まずは船上花火見物の練習をかねて出かけてみました。7時半の打ち上げ開始に合わせて6時に新中川の係留所を出発。葛西臨海公園の水路を抜けて屋形船の後を追いながら荒川に入り、たくさん船が集まっているところに行ってみました。当日はかなり風があり混雑した場所でアンカーを打っても流されて他の船にぶつかる可能性があります。そこで少し離れた、開けた場所に移動して船を止めました。
そうこうしているうちに、打ち上げ開始。飲み物や食べ物をあたふたと準備しながら宴会の開始です。このときはもう一艘、仲間の船と一緒だったので隣同士で船をつないだのですが、かなりの波で大きく揺られながらの見物となりました。規模としては江東区の花火大会は3000発ということで決して大きくはありませんが、それでも初めて船から見る花火ですので、それなりに楽しむことが出来ました。
写真を何枚か撮ったのですが、何しろ足元が大きくゆれる中でのスローシャッター、ご覧のとおりなんとか花火とわかる程度のものしか撮れませんでした。
終了後は、屋形船などがいっせいに動き出しますが当然帰りの水路も混むことが予想できたので少し時間をずらしてから帰路につきました。

江東区花火大会:完璧にブレてますが下に並ぶ灯りは東西線の鉄橋です

つづいて翌週、8月7日は14000発と規模も大きい江戸川の花火大会です。
こちらも多くの船が出るのですが、たまたま船仲間の一人が打ち上げ会場のすぐそばに住んでいてそこから良く見える、わざわざ混んでいるところに船を出すこともない、とのことで、船を出すのは見合わせて陸上からの見物としました。マンションの9階の階段踊り場に席をしつらえ、先に宴会を始めてある程度飲み食いしてから花火をじっくり見ようという計画です。
当日の朝、築地までバイクで出かけて仕入れてきたアイナメの刺身やウニの塩水漬けなどを手土産に地下鉄で篠崎駅に着いてびっくり。電車の中も浴衣姿のカップルなどで既にラッシュアワー並みの混雑でしたが、駅のホームから改札を出るまで人で埋まりなかなか進みません。ようやく地上に出てみればこちらも待ち合わせの人もいて駅前広場も人、人、人。
ようやく友人宅に着いて宴会を始めるうちに開始時間となり、さすがは江戸川花火、迫力があります。こちらはなにしろ大地の上ですから、写真もそれなりに撮ることが出来たとおもいます。あれだけの人が集まったわけですから、当然帰りの電車も大混雑に間違いありませんのでまたまた宴会を続けて11時過ぎに「もうよかろう」ということでお開きになりました。

江戸川花火大会:階段の踊り場から撮影しました



そのまた翌週、14日は東京湾の花火大会です。
これは打ち上げ場所が海の上ですし、見る場所も広いので船で出かける絶好のチャンスです。目の前をぞくぞくと船が下ってゆくなか、係留場所でもう一隻と合流して5時半出船。葛西臨海公園の水路に入るともう、前も後ろも屋形船有りクルーザー有りの数珠つなぎ状態。そして荒川から運河に入る水門も、普段なら出る船入る船交互に通るのですが今夜ばかりはどちらも切れ間がありません。波にあおられないようタイミングを見てすかさずスロットルをあけてすばやく通過します。その先も運河の中はのろのろと渋滞航行、引き波が壁にあたって跳ね返り、狭い水路はうねりまくりで船はまっすぐに進めない、その横を小さなボートがすり抜けてゆくという状態でかなり神経を使うひとときでした。
ようやく運河を抜けて、お台場前の高速道路の桁下付近でアンカーを打とうとしたら警察のボートがきて「ここに止めてはいけない、あっちへいけ」と言われ、しばらくうろうろした後に運河に戻って脇の貯木場に空いている場所を見つけて泊めさせてもらいました。今回ももう一隻と一緒につなぎ終わったと同時に打ち上げが始まり、あたふたとテーブルを出し、つまみを「チン」し、プシュプシュと缶ビールを開けて「カンパア〜イ!」。
この花火は直径の大きな玉があがるとのことで、さすがに音も大きくて「ズン」と腹に響きます。幸い運河の中とあって波もなく一同存分に船上花火見物を満喫することができました。帰りもご多分に漏れず、ゆっくりとして時間をずらしたのですがそれでも数珠つなぎ状態であったことは変わりありません。

東京湾花火大会:多少ブレてますが、花火は大きかったです



船が修理で動かなかった昨年とは打って変わり、今年は陸からも、そして船からも花火を堪能出来た、最高の夏となりました。

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