*電源が入らない「電気釜の修理」
2019年3月:
今回は、いとこの依頼で電気釜の修理を持ち込まれました。電源が入らなくてボタンを押しても何の反応もないそうです。電気釜には、電気ヒューズと温度ヒューズの2種類が入っています。たぶんそのどちらかが飛んだのではないでしょうか。そうでないとすると基板の交換となってしまうのでメーカーに修理を依頼しなければなりません。
症状を確認して、まずは底のカバーを外して中を見てみましょう。ふむ、IHタイプですね。この手はコイルを制御しているFETの不良ということもあるのですが、ざっと見たところ基板の方には焼けたところもなくてきれいです。
次は温度スイッチ。これはIHコイルの上に付いていました。テスターで当たると導通があります。となると電源コードの断線でそもそも電気が来ていないのではないだろうか?電源コードは掃除機のようにクルクルとリールに収納されるタイプです。リールの接触不良もあり得ますね。テスターで当たってみると、はたしてプラグとリールの導通がありません。そしてプラグの根元を見ると膨らんでいます。ここだ、断線している。モールドからの出口は一番断線しやすい場所です。被覆を剥いでみると、なんと2本とも銅線が切れていました。
修理方法は簡単です。新しいプラグを買ってきて付け替えることです。プラグは120円。これで修理が完了しました。
時計は内蔵電池で表示されています。 |
プリント基板はきれいで異常は見当たりません。 |
温度ヒューズはこれ。断線はしていませんでした。 |
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プラグからコードリール出口の導通がありません。途中で断線しています。 |
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プラグのモールドからでたところが膨らんでいますね。ここが怪しいです。 |
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思った通りここで銅線が切れていました。しかも2本ともです。 |
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市販のプラグに付け替えて修理完了です。 |
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はい、正常のボタンが動作するようになりました。 |
最後に電源を繋いでテストします。ボタンが反応して保温をするとお釜が温かくなってきました。以上で修理完了です。