あれこれ修理 <My repair experience>

*カビが生えちゃった!「レンズの修理」

2021年3月:

久しぶりの旅行で会津若松に行きました。当然、カメラは1眼レフを持って行きますので、しっかりと充電して出かけました。撮影を始めて・・・あれ?なんだかファインダーが曇っていることに気が付きました。ファインダーをティッシュで拭きましたが変わらないですね。レンズを覗いてみてガビーン!!カビが生えているではありませんか。それも簡単にねじって外せる一番外側のUVフィルターやその下の前玉と言うレンズの表面を拭いても取れませんから、前玉の裏側とかその奥のレンズに生えているようです。うわ、これは厄介なことになりました。

考えてみれば最後にこのカメラを使ったのは2019年の夏で、それ以来そのままでしたからね。写した写真を見るとやはりカビのせいで画像がハレーションみたいに白っぽくなっています。

<携帯で写した画像>        <1眼レフで写した画像>

症状を確認したところで、さてどうしましょう。レンズの分解には専用の工具が必要なので、順当にはニコンのサービスに依頼するところです。まずはネットで調べてみましたが、大体15,000円から20,000円くらいかかるようです。うーん、やっぱりそのぐらいかかるか・・・工具さえあれば自分で出来ないこともないのですけどねえ、とネット検索しているうちに工具の写真が出てみました。そう、これです、通称「カニ目レンチ」ことカメラレンズ修理スパナ。これさえあれば自分で分解できる!早速アマゾンにレンズを持ち上げる吸盤と一緒に注文しました。

工具が到着したので、早速作業にかかりました。
まずは前玉。つまり絞りの外側のレンズから始めます。最初にUVフィルターを外します。そしてレンズの周囲に貼ってあるシールをはがします。ここでカニ目レンチ登場。クルクルと回してレンズを緩めます。緩んだら吸盤で吸い付けて取り出します。カビ取りに使うのは無水アルコールと綿棒、それに「キムワイプ」という細かいケバが落ちない特殊なティッシュです。カビをふき取ったらエアでほこりを飛ばして逆の手順で組み立てます。


道具がそろったので分解作業を始めます。レンズはニコンの18-105ミリズームです。

レンズの周囲のシールをはがします。

この2か所を回してレンズを外すのです。

でました、これがカニ目レンチです。

ツールを広げて穴に差し込んで回します。

吸盤でくるくる回して取り出します。

はい、前玉(レンズ)が取り出せました。

光に透かして見ると・・・うわ、こんなにカビが生えていました。

無水アルコールとケバが出ないキムワイプでカビをふき取ります。

カビは全部取れたようです。

これで前玉レンズはきれいになりました。

前玉の下、2枚目のレンズにカビを見つけました。

はい、これです。これもきれいに拭き取ります。

次は絞りの手前側のレンズ(後玉)です。こちらには絞りを動かすレバーやオートフォーカスのモーターの配線、接点などがあるので非常に複雑です。ネジも小さいので飛ばさないように注意してください。


カバーを固定しているネジ3本を外します。

レンズ抑えリングの固定ネジを外します。

接点を固定している2本のねじを外します。

台座の下にはシムが3枚入っていました。

台座と接点の端子板をわきに寄せます。台座のアース線を切らないように注意。

3本のねじを外して中央のリング状の部品を外します。下のシム2枚を飛ばさないように注意。

思ったとおりレンズ全体にカビが生えて白っぽくなっていました。

このレンズはカタカタ動きます。これもクリーニング完了しました。

シムを乗せてリングを取り付けます。

シムを重ねて位置を合わせてネジを締めます。

最後に絞りとズームの動きに異常がないことを確認します。

これで見える限りのカビは取れたと思います。
最後に写真を撮って確認しました。

ばっちりですね。修理完了です。
今度からカメラは乾燥材を入れたタッパーで保管するようにしましょう。

=>一覧へ戻る