*画面が縞模様になった「プロジェクターの修理」
2020年10月:
去年まで我が家のホームシアターで使用していたのは、SONYの液晶プロジェクターVPL-CX86です。16年間使用した先代のVPL-VW10HTと2016年に交代しました。とはいってもヤフオクで入手した中古品でしたが、明るくてコンパクトなのでとても気に入って使用していました。しかし去年の6月に、勝手に電源が入るようになったので御殿場のCX-70と入れ替えたのです。その後も御殿場で使用していたのですが、今年の春ごろから画面全体が赤と青の縞々模様になってしまう不具合が発生して、使えなくなってしまいました。
普通なら液晶の位置ずれを疑うところですが、開けてみてもこのプロジェクターには液晶を調整するような機構は見当たりません。もしかしたらサービスモードで専用の調整プログラムを使って電子的にやっているのかもしれません。ともかく修理できるまでの間、もう一台VPL-CX70をヤフオクでゲットして代替品として使っていました。
ところが半年ほど経つとCX-70の画面の右下が三角に色が付いてきました。埃でも液晶に着いたのか、それとも偏光板が焼けたのか・・・そこでプロジェクターを降ろして液晶など光学部品を掃除してみることにしました。おや、3枚の液晶とプリズムが一体となったこの構造は、CX86とそっくりじゃないか?そこでCX-86も開けて二つを並べてみました。液晶のサイズも、スペックの画素数もそして取り付け部分の構造も全く一緒です。コネクターのピン数も同じ。調べてみるとCX-70もCX-86も2005年と発売時期が一緒です。そして液晶パネルはどちらも「0.79型XGA TFT LCDパネル×3、約236万画素(786,432×3)」と同じですから、同一の部品が両者に使われていると考えられます。CX-70の液晶パネル自体におかしいところは見当たりません。これをCX-86につけてみたらどうだろう?縞々が治るかも知れません。
ということで、入れ替え作業の開始です。
CX-86のカバーを外してみました。結構ぎっしりと詰まっています。 |
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点灯状態です。白い光が3原色に分割されているのがわかります。 |
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基板の下にある3枚の液晶と合成プリズムのブロックです。これを交換してみます。 |
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左がCX-86で、右がCX-70です全く同じ部品と言って構わないでしょう。 |
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どの液晶もきれいです。 |
プリズムを通して向こう側が見えます。 |
スイッチオン。おお、縞々が無くなりました。成功です。 |
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埃避けのフィルターがボロボロです。 |
目の細かい紙をフィルターにしました。 |
フィルターも新しくなりました。 |
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修理完了です。これで映画が楽しくなります。 |
液晶プリズムブロックの交換で、縞々はなくなり正常に絵が出るようになりました。ということなら、CX-86を東京の自宅のメインプロジェクターとして復帰させようではありませんか。プロジェクターを天吊りスライド機構に取り付けて投射位置を調整すれば、作業完了です。
そうそう、今回目出度くも復帰したCX-86には、かつて「いつの間にか勝手に電源が入る」という奇病がありました。実はそれも直ったのです。なんということはない、設定メニューに「電源を繋いだら自動的に点灯する」という多分タイマー作動を想定したのであろう項目があって、それが「ON」になっていたのが原因でした。きっと電圧変動とか瞬断の影響を受けて電源が入っていたのだろうと思います。それをオフにしてからは、怪奇現象は発生していません。