あれこれ修理 <My repair experience>

*開閉しません「ウォッシュレット」

2014年6月:

トイレのTOTOウォッシュレットが開閉しなくなりました。
このトイレ、壁に取り付けた赤外線リモコンでふたと便座の開閉やフラッシュなどすべての操作をするのですが、時々開閉しないときが出てきました。電源を入れなおしたりして一時的に直ったりもしましたがついにr時からまったく反応しなくなったのです。リモコンのボタンを押すと「ピッ」と音がしますから、リモコンの不具合ではないようです。また、便座とふたを上げた状態で電源を入れるとリモコンで閉めることはできますからモーターや駆動回路の不具合でもなさそうです。そうなるとセンサー回路、つまり今便座やふたがどの位置にあるのか検知する回路の不具合でコンピューターが混乱しているのではないかということです。

何はともあれ、カバーをとってみましょう。外側の固定ねじはすぐわかったのですが、まだ外れない。あちらこちら探ってようやくコントロールパネルの裏側から留めているねじを見つけました。


さて、分解を始めますか。

うは、カバーを外してみたらこんな具合でした。

これがカバーを開閉するモーターです。

こちらが便座を開閉するモーター。

赤外線センサーの作動を点検します。

正常に開閉するようになりました。

センサーを点検したところ、特に異常はないようです。もしかしたら位置のずれかもしれません。慎重に位置を調整してみたところ、正常に開閉するようになりました。
ところが修理完了と思ったのもつかの間、一度電源を切ったらまた動かなくなりました。再度カバーを外してセンサーを調べたら、便座の閉状態を検知するセンサーの信号がおかしいことがわかりました。やはりセンサーを交換しなければなりませんが、それまで手で自由に開閉できるように開閉の抵抗になっているモーターを取り外しておくことにします。


便座の駆動部です。モーターを蓮したところです。

こちらがやはりモーターを外したふたの駆動部。

この2個のモーターで開閉しています。

この、下にあるセンサーが不良でした。

使用されているセンサーはシャープのフォトインタラプタでした。赤外線発光ダイオードとフォトトランジスターを組み合わせたもので、反射型と通過型がありますが、これはよく見る標準的な通過型センサーです。便座を開閉するシャフトに付いているタブがコの字の間にあるかないかでフォトトランジスターがオンになったりオフになるのです。
秋葉原を探したところ、秋月電子でまったく同じ形状のパナソニック製のセンサーを見つけました。これなら取り付けねじの穴の位置も同じですし、スペックを見たところ電気的特性も変わりませんので、そっくり交換できるでしょう。
さっそくセンサーを交換しますが、このときにセンサーのフォトダイオード側の端子数が違うのに気がつきました。ネットで調べてみるとシャープのセンサーにはアンプが内蔵されていて高感度になっているようです。その電源の分だけ端子が出ていたのでした。とりあえず電源は無視してアースと信号線だけを接続してみて組みつけてみました。そしてテスターで作動をチェックしたところで問題が判明、オリジナルのセンサーと電圧が反転しているのです。つまり開と閉で逆の信号が出ているわけで、これでは動作するわけがありません。

そこで基盤の裏にトランジスターで信号を反転する回路をつけてやることにします。これでコンピューターに行くオンとオフの信号が逆になりますから、大丈夫なはずです。


作業の前に工具や部品を落とさないようにラップします。。

これが秋月で買ったパナソニックのセンサーです。

センサーを交換します。手前右にあるのが不良のセンサーです。端子の数が違うけれど・・・大丈夫かな?

交換完了。早速取り付けてみましょう

ここで新たな問題の発覚です

センサーにトランジスターと抵抗からなる反転回路を追加しました。

光をさえぎった状態はゼロボルトです。

カッターを外すとはい、5ボルトになりました。

あとはこのセンサーを取り付けるだけです。うまく動くはずですが・・・・もう一度センサーを本体のコネクターに接続して、テスターで信号を確認します。よし、大丈夫。

センサーを取り付けて仮に便座とふたを組み付けてリモコンを操作して作動を確認します。うん、やりました、直りました。カバーをかぶせてねじ止めし、便座とふたもあらためてねじで固定しました。


前回の作業はこの状態で中断していました。

改造をしたセンサーです。

さて、テストをしましょう。

はい、ふたが開きました。

続いて便座も開きました。

カバーを元に戻して修理完了です。

ふう・・・時間はだいぶかかりましたが、かかった費用はセンサーが30円に追加の回路を入れても合計で50円足らず。こんなのでもメーカーのサービスマンを呼んだら部品代と出張費で2-3万円は請求されるんでしょうね。それよりもう部品がないからこの際買い替えたほうがいいなんていわれたら・・・・まあ、そのときはモーターをはずして手で開閉するようにすればいいのですけどね。

というわけでウォッシュレットの修理の物語、完結でございます。

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