インド紀行2016

2016年2月2日(火)第1日目

インドに向けて出発の日です。
今回は成田まで私の車で行きます。江戸川区で同僚を乗せ、幕張で取引先の2人を乗せて東関道を成田まで走り、ホテル日航成田前のパーキングに車を預けました。今回初めて成田のパーキングを利用しましたが、1日600-700円くらいなんですね。駐車場とターミナルは送迎サービスがありますので、一人ではともかく人数が多いときは電車で行くよりも楽で割安になりますね。

駐車場からターミナルビルまで送ってもらい、JALのカウンターでチェックインを済ませました。今回は出張とはいってもエコノミークラスの利用ですが、うれしいことにJALは787のエコノミークラスに「スカイワイダー2」というシートを導入しています。これは前後方向で5センチ、左右方向で5センチスペースを拡大して、通常は3+3+3という座席配列を2+4+2として1席分を広くしているのです。その上エンターテイメントも「マジック6」という最新の映画を加えて洋画66タイトル+邦画17タイトル、TVドラマなどビデオ58種類もの選択が可能で画面も大きいときています。これはゆっくりと楽しめそうですね。なにしろ成田からデリーまで10時間以上かかるのですから。ちなみに帰りは7時間半と短くなっていますが、これは偏西風のせいです。行きは西に向かいますので向かい風に逆らって飛行するから余計時間がかかるわけということですね。
さて、無事チェックインできましたから、ポケットWiFiの借り出しとか外貨購入(インドの通貨はルピーですが、国際的には通用しないので円をドルに換えて持って行きます)をして搭乗ゲートに向かいました。

787の機内はさすがにシートが楽ですね。予約の都合なのか私と同僚は中央の4席の内側にアサインされましたが、両側に人がいても窮屈さはそれほど感じませんでした。映画は「007 スペクター」「スティーブ・ジョブス」「オデッセイ」「ミケランジェロ・プロジェクト」など、日本未公開を含めて4本も話題の作品を見ることが出来ました。


良い天気です。ゲートに向かいます。

WiFi可能なコーヒーショップでメールチェック。

これが我々が乗るJALのボーイング787です。

JALの座席は前と左右に5cm余裕があります。

席の間隔が狭い上に足元の箱が
邪魔なのがアリタリアの777です。

JALは画面が大きくて内容が充実。

アリタリアのエンターテイメントは画面が
小さくて、日本語の映画は少しです。

昼食です。和食を選びました。ワインはもちろんボトルでもらえます。

着陸前の軽食はサンドイッチとフルーツでした。

10時間ちょっとのフライトでデリー・インディラ・ガンジー国際空港に到着したのは、現地時間で夕方の6時半でした。結構モダンな空港ターミナルですね。入国手続きをして、税関を抜けると広いロビーは人であふれていました。そして外に出た瞬間に甘ったるいお香と排気ガス、それにプラスチックが焦げたいがらっぽい煙が混じったような匂いと絶え間ないクラクションの音が押し寄せてきました。なるほど、これがインドかぁ・・・

15分ほど待って出迎えの車が到着しました。何しろ初めての国ですからキョロキョロしてしまいますが、まず走っている車がデコボコ、キズだらけですね。無傷な車なんてほとんど見当たりませんよ。確かにスズキのマークを付けた小型車が多いですね。そしてタイのトゥクトゥクと同じオートリキシャ、オートバイ、自転車・・・・それらが渋滞となるとホーンを鳴らしながら我先にと隙間に突っ込んでいくのですね、いやあこれはこの国では運転できませんわ。
ようやくホテルに着きました。門の外にガードマンが3人立っていて、入ろうとする車は全てチェックするのですね。ボンネットとトランクを開け、車の下も鏡で調べています。結構厳重ですね。さらにホテルの玄関前では宿泊客といえども手荷物のX線検査と金属探知機+ボディチェックがあります。


ホテルの全景です。(ネット画像使用)

とにかくチェックインをすませて、夕食にでかけましょう。もう8時を過ぎました。ホテルを出て20分ほど歩いて見つけたのはベジタリアンのカレーレストラン。え〜ビールがないのか・・・でもお腹が空いたから、何でもいいや。席に着くとたくさんの丸皿が並んだステンレスのお盆がガシャガシャと目の前に置かれ、何人ものウェイターが次々と各種のカレーやヨーグルトを注いでくれました。飲み物はミネラルウォーター。それぞれの皿を味見してこれは美味しい、これはチョット厳しいなどと「仕分け」をして美味しいカレーは何度もお代わりをもらいます。
こうしてインドらしい夕食を
いただいて、ホテルへの帰りはオートリキシャに乗りました。サスペンションは固く、エンジンは2ストロークでしょうね、「ババババ」と音と振動がすごいです。ホテルまでの料金はわずか50ルピー(¥100)でした。さあ、ホテルに着きました。誰かの部屋に集まってビールでも飲みましょう。ルームサービスで冷えたインドのビール「キングフィッシャー」を取り寄せて、まずはインド到着の無事を祝って乾杯!・・・の瞬間にハプニング発生。なんと、メンバーの一人が座っていたイスの前脚が2本外れてしまい、座っていた人は床に尻餅をついて、これには皆大笑い!さらに別の人は部屋の電話で話をしていたら突然通話が出来なくなり、受話器を見るとさっきまで本体とつながっていたコードが抜け落ちている、など早速インドの「洗礼」を受けたのでありました。


長かったフライトですが、あと30分くらいでデリーに到着です。

左前方が入国審査です。

空港ビル前の道は喧騒の世界。

昔のヒルマンみたいなタクシーが走っています。

バイクが隙間をすり抜けていきます。

隙間があるとグイグイ進んでいくクルマ。

ホテルのレセプションホールです。

夕食はベジタリアンカレーとなりました。左から2番目と3番目のカレーが美味しかったです。

ホテルに戻ってきました。ビールを飲みましょ!

なんと、イスに座ったら脚が折れました。

ここで宿泊した部屋を見ていただきましょうか。
19階建ての堂々たる外観にふさわしく、スタンダードルームでも1泊8000ルピー(¥16000)もするのですが、これはインドの労働者の2か月分の給料に相当するそうです。帝国ホテルも真っ青なお値段ではありませんか。それなのに脚が取れたイスとかコードがない受話器とか漫画のようなことがおきるのがインドなのです。幸い私の部屋のイスは大丈夫でしたが、洗面台の化粧ベニア板が一部はがれているとか防水シールがきちんとできていない、あるいはシャワーヘッドの穴の2/3が詰まっているなど細かい不具合が見つかりました。


1泊8000ルピー(¥16000)もするだけあって、一応ちゃんとした部屋です。

バスなしでシャワーだけのトイレ。

一見きれいに見える洗面台ですが・・・

近くで見るとシーリングが切れていたり盛大にはみ出していたりするんですね。

シャワーヘッドは天井だけでノズルはまっ茶色。

そのうち水が出るノズルは1/3だけ。

さあ、この辺で冒頭に書いた「インドに行くと価値観が変わる」ということの意味がじわじわとわかり始めてきましたよ。「高級ホテルだから完璧、安いホテルだといい加減なことがある」というのが日本にいたときの私たちの常識でしたが、壊れたイスや洗面台、シャワーを見るとこの国では必ずしもそうではない、と思うようになります。そうすると今度テーブルが壊れても、「まあ、そんなこともあるさ」で済ますようになるわけです。そのようにして、今までの自分の価値観では許せなかったことが許容できるようになるのですね。
では明日からこの国でどんな事が起きて、どんな新しい価値観を学ぶことが出来るのでしょうか?
では今日はこれでおやすみなさい。また明日・・・・

2月3日(水)第2日目に続く

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