イタリア旅行2015

11月7日(土)第2日目

朝6時半に目が覚めました。外はまだ暗くて、気温は10度でひんやりとしています。まずは朝食を食べましょう。顔を洗って着替えてレストラン棟へ行きます。渡り廊下で屋外に出るとぞくっと寒気がします。例によってセルフサービスなのでトレイを取ってパンはクロワッサンと丸いパン、それからハム、チーズ、ゆで卵、コーヒーにジュースをのせてテーブルに着きます。添乗員さんからは「ひとり1個ずつ」と注意がありました。部屋はわれわれツアーグループだけです。きっとお代わりなしでホテル代を安くしているのでしょうね。なんでイタリアでクロワッサンなのかわかりませんが、パサパサであまり美味しくはありません。コーヒーだけはお代わりしても怒られないようなので2杯もらいました。


宿泊するホテルの部屋から見る朝焼け、いま7時です。

朝食はセルフサービスで、パンとハムやチーズはひとり一つずつと言われました。

ここはゴルフ場の宿泊施設でした。

ここが玄関。周りは何もないでしょう。

さあ、バスに乗って出発です。

お、308です。ホイールがちがいますね。

バスはミラノの街を目指して走ります。

もうすぐミラノ市街の出口です。

朝食を終えたら、手荷物を整えてチェックアウトして出かける準備です。
今回我々が泊まったホテルはミラノの郊外にあるゴルフ場内にあるので、ホテルを出たらすぐに高速道路に乗って街の中心までは40分くらいかかります。昨夜はホテルに入ったのが遅かったわけですが、仮に早くても周囲には商店もレストランも無いのでぶらぶら出歩くこともできません。

さて、市内に入り、最初に見物するスフォルツェスコ城の横の駐車場にバスが止まりました。バスを降りると、ミラノ在住の日本人ガイドさんが待っていました。イタリアでは法律によって専任の資格を持ったガイドを雇わないとツアーの見学が出来ないそうです。つまり添乗員は移動の手配やサポートをするだけで、史跡の解説などは自分では出来ないシステムなのですね。

ということで、ズンズン進むガイドさんの後について遅れないように小走りで追いかけながら説明を聞き逃さないようにしなければいけません。お城の次は街の中心部にあるスカラ座とその前のスカラ広場、ここにはかのレオナルド・ダ・ビンチの像もあります。そしてその先にあるのが「エマヌエルビットリオ2世ガッレリア」です。ここはガラスの天井のアーケードで、中には有名ブランドのショップがずらりと並んでいますが、ブランド品に興味がない私にとっては床のタイルのモザイクのほうが面白いですね。で、そのモザイクのひとつ、トリノの紋章である牛のオ●●●●をかかとで踏んづけてクルリとターンすると願い事がかなうと言う伝説がありまして、観光客の皆さんがクルクルやっていました。だから床のその部分が磨り減って穴が開いているのでありますね。


ミラノ市内に入りました。

最初の見物場所に到着です。

お城の入り口にやってきました。

蛇口を押さえると水を飲むことが出来ます。

最初に見物するのはスフォルツェスコ城という昔の城砦です。

巨大なお城に皆さん、大はしゃぎです。

石造りの建物がきれいですね。

LEDではなく電球式の信号です。

バイク専用の駐車場が用意されています。

初めて見た電気自動車。ミラノ市のものでした。

これが「スカラ座」。意外と小さくて官庁の建物のように見えますね。

ここはスカラ広場です。中央に建つ像はレオナルド・ダ・ビンチとその弟子達です。

スカラ広場の向こうがビットリオエマヌエル2世ガッレリアの入り口です。

きれいなアーケードは、ビットリオエマヌエル2世ガッレリアの特徴です。

アーケードの中心には、4隅に大陸をあらわすフレスコ画があって、これがヨーロッパ。

これはアメリカ大陸をあらわしています。

こちらはアフリカ大陸。

そして、これがアジアです。

中央部の床には美しいタイルの紋章が嵌め込まれていました。

観光客が紋章の上でかかとでクルリと回っています。こうすると願いがかなうらしいです。

続いてこのおじさんもクルリ・・・

というわけでニョーボも真似してクルリ。

皆が回るので、磨り減って穴が開いています。

ミラノの地方都市の紋章だそうです。

それにしても見事な装飾です。

見かけたお巡りさんがまたカッコいい!

そしてそのガッレリアを抜けると広場があって、そこにあったのはミラノの大聖堂。イタリア語で「ドォーモ」と呼ばれるゴシック様式の巨大な教会です。ガイドさんの説明はここでおしまいで、あとはバスが出発するまで約3時間半の自由時間です。さっそく大聖堂の中に入ってみましょう。本来なら2ユーロの入場券を買わなければいけないのですが、ちょうどミサの時間ということで10時半までの30分間は無料になっていました。ラッキー!!入り口で荷物のチェックを受けてドアを開けます。奥からミサの声が聞こえますから、静かに歩きましょう。
おお、これはすごい・・・・これまでヨーロッパの教会は散々見てきた私ですが、さすがにカトリックの総本山があるイタリアはすごいですね。これでもかという装飾が次から次から怒涛のように押し寄せてきます。装飾の「濃さ」がベルギーはもちろん、フランスともドイツとも違います。あまりの絢爛豪華さに圧倒されて、教会を出たときはぐったりと疲れてしまいました。


これが有名なミラノの大聖堂、ドォーモです。これはすごい!

う〜む、すごい迫力です。中に入ってみましょう。

おお、いきなり来ました!重厚感たっぷりです。

この雰囲気はベルギーやフランスの教会とはちがいますね。

ステンドグラスも見事。

柱の彫刻も凝っていますね。

シーッ、今ミサの最中です。

なんとミイラ?金属の面をかぶっています。

荘厳の一言です。

凝ったつくりの聖堂です。

1600-1700年に作られた7世紀ミラノを復活させた司教ジョバンニ・ボーノを祀った霊廟です。

聖バルトロメオの像です。

地下の聖堂も非常に凝った作りです。

地下聖堂の奥にはミラノの守護聖人のうちの1人、聖カルロ大司教が祀られています。

圧倒的なステンドグラスの数です。

出るのはため息ばかりとなりました。

パイプオルガンが2台?この構成は初めて見ました。

吊り下げられた絵?織物?も素晴らしいですね。

あまりにも濃すぎて・・・なんだかぐったりと疲れました。

さあでは、お昼にしましょうか。大聖堂のすぐ隣のガッレリアに戻ります。ここには数々のレストランが並んでいますが、あらかじめネットで当たりをつけておいた一軒に入りました。まずは地元のワインをもらって、頼むのは楽しみにしてきたここの名物である「ミラノ風カツレツ」、それにパスタとしてタリアテッレのボロネーゼ(ミートソース)です。おや?これは?なんとパルマの生ハムの最高峰「クラテッロ」があるではありませんか!これ、これを食べてみたかったんです。イタリアの生ハムはパルマ産が有名で「プロシュート」と呼ばれますが、その中でもさらに限定されたジベッロ村周辺で伝統的な手法で作られているものだけが「クラテッロ」と呼ばれ、世界で一番美味しい生ハムとされています。これはぜひ食べてみるべきでしょう。ウェイター氏にクラテッロを追加してもらいます。そうしたら、「クラテッロを食べるときはこれと一緒に食べて欲しい」と揚げたパンのようなものを持ってきました。「これはニョッコを揚げたもので、生ハムには絶対合うから」「おおニョッキね?」「いや、ニョッキではなくて、ニョッコといいます。」なるほど、小麦粉製品には細かいイタリア人らしいですね。食べてみると、中がモチモチして皮は軟らかい、甘くはなくてハムの塩味にぴったりなじみます。
続いてはタリアッテーレ。これは1人前を二人に取り分けてくれました。ソースがとてもマイルドで、トマトの酸味は感じません。とても上品な味になっていました。そして、来ました、「ミラノ風カツレツ」です。骨付きの子牛の肉を揚げた物ですが、ふむ、思ったより薄くて大きさもそれほどではありませんね。キャベツの千切りとソースが欲しくなりますが・・・レモンを絞っていただきます。もともと子牛の肉はあっさりとしているので、鶏のささ身みたいな味です。「食べ切れなかった」などというコメントをネットで見ましたが、ポテトも含めてなんなく食べ終わりました。一方、ニョーボが注文したチキンのほうは、小さいとは言っても丸ごと1羽が開きになってやってきました。まあ、男性なら食べきれると思いますが、ポテトも多くて半分食べてギブアップです。


バスケットの前のはクラテッロという生ハムの最高峰だけあって24ユーロ(約¥3100)。

クラテッロは「ニョッコ」という揚げパンと一緒に食べるのだそうです。

タリアテッレは1人前。ウェイター氏が取り分けてくれました。14ユーロ(約¥1800)です。

タリアテッレのボロネーズ(ミートソース)です。チーズはもちろんパルミジャーノ。

名物の「ミラノ風カツレツ」は26ユーロ(約¥3400)。骨付き子牛肉のカツですが小さい?

丸ごとのローストチキンにポテトを添えたものです。こちらは20ユーロ(約¥2600)でした。

おっと、気がついたら集合時間まであと10分しかありません。もっとゆっくりしたかったところですが、ドルチェもコーヒーも断って集合場所であるスカラ広場へ急ぎます。
そしてバスは山脈のそばを通って東へ向かい、「ロミオとジュリエット」の舞台となったベローナに向かいます。ベローナまでは200km、バスで約2時間です。

ベローナにはローマのものより規模は小さいですが、コロッセオが非常に良い状態で保存されているということです。そしてロミオとジュリエットはもちろん戯曲ですから実在したした人物ではありませんが、市内には「ジュリエットの家」とされているものがあるそうです。
バスは市内に入れないので、旧市街の外でバスを降りて歩いて橋を渡って中心部に向かいます。ここでの自由時間が限られていたため、そのジュリエットの家は見に行かず、コロッセオだけを見て残った時間でホテルで食べる夕食のサンドイッチとワインを買いました。というのもホテルのレストランは予約制のため今夜は使えないということですし、ホテルは小さな村のはずれにあって15分くらい歩けばレストランもあるようですが、面倒なので部屋で食べらることに決めてしまいました。イタリアはヨーロッパの中でも南なのですが東京よりも日が短いですね。1時間弱の短い滞在中にもどんどん暗くなってきます。

バスに戻って今夜のホテルがある、ノベンタ・ディ・ピアーブに向かいます。このホテルもベネチアの郊外、というよりベネチアを通り越して50キロくらい行ったところにあります。ところが、ホテルまであと1時間くらいというところで、突然車がぴたりと止まりました。渋滞かと思いましたが、全然車が進みません。これは事故ですね。しばらくすると3車線上の車が次々にライトを消し、エンジンを止め始めました。10分位して緊急自動車が3台ほど路肩を走って前のほうに向かっていきました。様子では1キロほど先に事故現場があるようです。これは時間がかかりそうですね。私の経験では2時間は動けないのではないかという気がします。ただ日本だと警察の実況検分があるのでかなりの時間がかかりますが、こちらでは通行確保が優先で、どんどん事故車を動かして道を空けますので日本ほど待たないと思います。ベローナを出る前にトイレに行っておいて良かった!
バスもエンジンを止めてしまったので、空調も止まっています。空気が悪くなるといけないので添乗員さんに頼んで時々ドアを開けてくれるよう運転手に頼んでもらいました。音楽を聴いたりして待つこと約2時間、ついに先のほうでテールライトが点灯しだしました。どうやら動き出したようです。のろのろと進んで追い越し車線で現場の横を通過、トラックが3台ほど路肩に止まっていますね。そして路面には大量の泡が見えました。燃料かオイルが漏れて中和剤を撒いたと思われます。


川の向こう側がベローナの旧市街です。

橋を渡って旧市街に向かいます。

アディジェ川の右側が城砦に囲まれた旧市街になります。

これが保存状態が良いコロッセオ。もう日が傾いてきました。

街をぐるりと囲む城砦がそのまま残っています。

ベローナで日が暮れました。

2時間たってようやく車が動き始めました。

道路に中和剤らしきものが撒かれています。

その先は順調に走ってホテルに到着しました。しかし既に10時半を回っています。これではもう村まで出かけてレストランになんて行けませんね。食べ物と飲み物を買っておいてよかった。
シャワーを浴びて、パーキングエリアの売店で買ってきたビールの6本パックをあけます。はい、イタリアでもフランスやベルギー同様パーキングエリアでビールやワインを売っているのですね。


割とモダンな室内です。

ここがバスルーム。シャワーだけです。

白いはしごみたいなのはヒーターです。

しかしなぜに便器が四角いの?

ところで、イタリアではドライバーの労働時間が厳格に定められていて休息時間も決められています。予定外の事故のためとはいえ、ホテルの到着時間が遅れたために明朝の出発時間を1時間遅らせて休息時間を確保することになりました。ですから明日の朝は少しゆっくり寝ていられます。さあ、明日はベネチア観光です。

11月7日(日)第3日目に続く

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