*関アジも真っ青!ベルギーアジの姿造り
昔、ベルギーはブラッセルに駐在員として滞在していた頃の話です。
日本人としてはお刺身は欠かすことが出来ませんから、週末になるとモロッコ人がやっている通称「アラブの魚屋」に出かけました。魚はその日によってカニ有り、イカ、マグロ、サバ、メルーというハタの仲間、それにアジでした。メルーは白身で、刺身にするとコクがあって甘く、あらは鍋にしてもとても美味しい魚なのですがなんとも高価な魚で50センチくらいのもので1匹5-6000円もして、その上たまにしか入りません。
その点、いつも有るのが安くて脂がのって美味しいアジなのです。そのアジたるや、体長が40〜50センチくらいあってしかも日本のアジより味が濃くて美味しいのです。体型は細長く、いうところの「関アジ」によく似ています。日本ではまずお目にかかれませんし、アジというとタタキがせいぜいですが、これだけ大きいと鯛ではないですが姿造りだって可能なのです。
背から包丁を入れ、鯛そのままに身を剥いで皮を剥き、斜めに切って身に戻して並べます。反対側の身は刺身もしくはなめろうにして手前に並べます。もちろん、ごく軽く塩をふって身を締め骨を抜いておくことはいうまでもありません。これでまず日本ではお目にかからない「アジの姿造り」の出来上がりとなります。これを良く日本人の来客の時や、他家にパーティに呼ばれたときに手みやげとして持っていったものでした。やはり日本人にとっては刺身があると食卓が賑やかになりますね。もちろん、日本ではないのでツマの代わりにアルミフォイル、なめろうも大葉なんてありませんからポロネギとパセリで作りました。
さて、日本に帰ってきて新鮮なアジも大葉もあるので、それなりにタタキやなめろうを作ってはいるのですが、ふとした拍子にベルギーの大型のアジを食べたいという気持ちが強烈に湧き出てくることがあります。忘れられない味の一つです。ところが、今日、いつもの魚屋に入っていたのは、鹿児島産の40センチ近くあるアジでした。これならばあのヨーロッパ風の姿造りもできますね。
というわけで、ベルギーアジの姿造りを25年ぶりに再現してみたしだいです。
日本ではいままで見たことがないサイズのアジです。測ったら38センチありました。 |
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半身を刺身にして、残りでなめろうを作りました。 |
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さあ出来ました。パセリがなかったのでブロッコリーを代わりに使いました。 |