*コリコリと甘い!「真ツブの刺身」
北海道でよく食べていて、最近は東京でも良く見るようになった食材は多いのですが「ツブ貝」(真ツブ)もその一つですね。ただ、ツブという呼び名は幅広いので、この刺身にする大きなツブは「エゾボラ」と呼ばれています。
刺身が一番美味しく、酒蒸しにしても悪くない美味しい素材です。
北海道でも、東京でも殻付きのまま売られているのが普通ですから、どう処理したらよいかわからない方も多いと思いますので解説しておきましょう。
通常、自分で食べるのであれば硬い殻をかなづちや出刃包丁のみねで叩いて割って中身を取り出してしまえばいいのですが、せっかくですので殻をそのまま残して飾りに使う方法をご紹介します。ツブに限らず巻貝は「最初の角を曲がってすぐ」の場所で肉が殻にくっついているので、そこをはがしてやれば全体がするりと出てきます。ですので殻に小さな穴を開けて、そこからアイスピックの先を差し込んで殻と肉の付け根を切り裂くのです。
まず最初に、全体をざっと水洗いして、殻のぬめりや汚れを落としておきます。 |
殻の一番長い線と開口部上端の交差する点を見つけます。 |
その交点のやや外側にアイスピックで穴を開けます。 |
アイスピックを差し込んで殻に沿って刃先を動かします。 |
フォークを突き刺して、外側にこじりながら引き出します。 |
はい、きれいにうろまで引き出すことが出来ました。 |
5センチくらいのアルミフォイルを丸めて軽くつぶします。 |
殻をぎゅっと押し付けて固定します。 |
このようにうろと内臓を肉から切り離します。 |
裏側です。白い部分が殻にくっついていたところです。 |
蓋を下にして半分に切ります。黄色のやわらかいところがアブラ(唾液腺)ですので、指先で取り去ります。 |
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このように唾液腺を全部取り去ります。 |
あとは水洗いして、身を薄く切ってください。 |
刺身を作るうえで重要なことは「アブラ」を残さないようにすることです。アブラと言っても、脂肪のように見えるだけで、実は唾液腺(だえきせん)のことです。通称「ツブ」と呼ばれる巻貝数種は、この唾液腺の部分に人の神経を麻痺させる「テトラミン」という物質を含むため、めまいのような症状を起こすことがあります。指先できれいに取り除いて洗ってください。
これでツブの刺身の出来上がりです。存分にその甘みをお楽しみください。