*コトコト煮ない「おでん」
寒くなってくると「おでん」が良いですね。
日本各地、さまざまなおでんの具があって汁の味もさまざまです。北海道のおでんの特徴と言えば、白子、ツブ貝、ジャガイモ、蕗、ワラビ、根曲がり竹などが入ることでしょうか。
さて、具材はともかくとして、汁には私の好みがあります。それは透明に近い昆布の出汁が効いたおでんが好きだということです。ということで、ここでは私好みのおでんの作り方をご紹介します。特徴はなんと言ってもぐつぐつ煮ないこと。絶対に沸騰させずに、煮るのは15分だけです。それでちゃんと味がしみこむのか?大丈夫です。
では汁の作り方から。一番簡単には「ヒガシマル」のうどんスープを使うことをおすすめします。これには刻んだネギが入っていますから、それだけ取り除いておいてください。そして昆布だし、カツオだし、塩、みりんで好みの味に調整してください。うどんのツユよりやや濃い目になればオーケーです。醤油は入れません。すでにヒガシマルのうどんツユに淡口醤油が入っているからです。
おでんの具材は買ってきてそのまま入れるのではなく、必ず手を加えましょう。
・大根は皮を厚く剥いて面取りをして、裏に包丁で十文字に切れ目を入れて白いところがなくなるまで下煮(出来れば米のとぎ汁で)する
・こんにゃくは両面に鹿の子切り(縦横格子状に切れ目を入れること)して2,3分ゆでておく。
・玉子はゆでる前に殻の尻の面に画鋲で穴を開けておくと、きれいに殻がむける。
・練り物はざっとゆでて脂を落としておく。
・はんぺんはほかの具に味がしみてから最後に入れる。
具材の仕込みが出来たら汁に入れますが、このとき絶対に沸騰させないようにしてください。沸騰させると汁が濁ります。プクリプクリ、コトリコトリで15分、それで十分です。長く煮ると練り物がグズグズになってしまいます。そしてそのあとは鍋を新聞紙や毛布で包んで保温したまま2時間放置します。こうして徐々に温度が下がっていく過程で具材に味がしみこむのです。あとは食べる前にはんぺんを入れてもう一度沸騰直前まで温めてからテーブルに出してください。
お汁が出来たので温めながら具を入れます。 |
下ゆでした大根を水で冷やしています。 |
これも下煮したこんにゃくを洗っています。 |
厚揚げをゆでて脂を抜いています。 |
練り物の脂抜きです。 |
がんもの脂を落としています。 |
はんぺん以外の具材を入れて、絶対に沸騰させないようにして15分煮込みます。 |
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鍋を火から下ろして新聞紙や毛布で包んで保温します。じわじわとゆっくり温度を下げるためです。その際に味が具材にしみこんでいくのです。
2時間、この状態で放置してください。 |
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ほぼ完成です。ここではんぺんを入れて再度加熱(沸騰させない)してテーブルに出します。 |
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大根の色を見てください。味がしみています。 |
こんにゃくも鹿の子切りはこんな具合。 |
やっぱりおでんには日本酒が合いますね。 |
いかがでしょう?しっかりと味がしみているのがお分かりだと思います。しかも練り物など、元の弾力と素材の味がちゃんと残っているはずです。この週末、お試しください。