*春においしい「トリ貝」
冬になるといろいろな貝が美味しくなりますが、これもそのうちのひとつです。そろそろ春だなあと思う頃になると、河岸のあちこちにトリ貝が並びます。殻のまま、むき身の生、そして普段私たちが見る開いて白いプラスチックの台に並んでいるもの。
そんな中から生のむき身を買ってきました。ホッキでも他の貝でも基本的に殻付きで買ってくるのですが、トリ貝は実は殻が薄くて割れやすいのです。ということで外観は右の写真でご覧ください。赤貝に良く似ていますが、色が茶色っぽくて薄いですね。例によって最近は韓国からの輸入物も増えているようです。
さて、トリ貝の調理は大変です。問題なのはその名の由来になった鳥の頭みたいな黒いアシです。この色が落ちやすくてさばくのが大変なのだそうです。ですのでアシに触らないよう、こすらないようにガラス板の上で調理するのが良いでしょう。ガラス板がないときはアルミホイルの光るほうを上にしてまな板に巻き付けます。さばくのはアシに包丁を入れて切り開き、中の内蔵をかき出すだけです。そのあとは塩と氷で軽く洗って刺身でいただきます。色が落ちますので、水道でじゃぶじゃぶ洗ったりペーパーでこすってはいけませんよ。もしゆでるのでしたら、丸のままゆでてから開くようにしましょう。塩と酢を入れたお湯でゆでることで色落ちが止まるからだそうです。
シャキシャキとした歯ごたえに口中に広がる甘み・・・こりゃ日本酒ですよ!
トリ貝の殻はとても薄く、玉子の殻と同じくらいなのですぐに割れてしまいます。 |
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この形が「トリ貝」の名前の由来です。 |
アルミフォイルの上でさばきます。 |
脚を切り開いて中のワタをかき落とします。 |
自分でさばいてこそ食べられる、生のトリ貝。 |