マイレシピ公開!<My Favorite cooking>

*夏限定!「塩水ウニ丼」

夏の北海道と来ればやっぱり「ウニ丼」だべさ。これ食べないと、来た甲斐がないっしょや!
というわけで今回は「ウニ丼」の話です。

ウニは日本全国どこでも採れますが、北海道でウニの名所と言えば知床に利尻、礼文、日高もありますか、これらは皆、昆布の名産地なのです。そう、ウニは昆布を食べて育つので、美味しい昆布のあるところに美味しいウニがあるわけですね。

アワビのところでも書きましたが、私は海水浴に行くと必ず「何かを採る」のが目的の一つです。
もちろん勝手にウニやアワビを採ってイイワケではありませんが、私が子供の頃はそんなにうるさくは言われなかったですね。まあバケツ一杯持ち帰ればりっぱな密漁ですが、海の中で一個や二個割って食べる分には許してもらえるって感じでした。右の写真は、数年前に奥尻島に行ったときのものです。岸から2、30メートル、腰くらいの深さのところなのですが水中メガネで覗くと岩の周囲にいっぱいウニが付いています。小さいのは無視して大きいのだけ採ってみました。身もつまっていて美味であったことはいうまでもありません。

うちの子供もご多分に漏れずウニは大好きなのですが、小さいときからちゃんと採ったばかりのウニの味を覚えさせ、ただし「お寿司やさんで、いつもこれと同じウニが食べられるとは限らない。だからパパがいいと言った店以外ではウニは注文してはいけない。」と言い聞かせて育てました。苦くて薬臭いウニで高い金を払うなんてバカらしいだけですものね。

さて、ちゃんとしたお店、そして「ウニ丼」とくれば、小樽は「ふじ鮨」の「生うにちらし」であると断言させていただきましょう。
もともと積丹半島奥の美国というところに本店があるのですが、数年前に小樽にも支店を出しましたので、札幌からほんの一走りで美味しいウニ丼にありつけるようになりました。

どうしてここの「生うにちらし」がいいかといいますと、普通の「ウニ丼」は丼なりチラシの容器にご飯をよそってウニを載せただけ(写真右上)なのですが、「ふじ鮨」のはまず、酢飯を使っていること、これはお寿司やさんだから当然として、次に器が下の写真のように底が浅く大きいわけですね。
ということは広い面積をカバーするために大量のウニが使われているということです。それも当然輸入物ではない、地元で採れた新鮮なウニだけを使っています。ですから、天候が悪くてウニ漁が休みだったりするとウニを大量に使う「生うにちらし」も「お休み」することがあります。
勿論、全面ウニではなく、一部には漬け物がありますが、それにしてもこのボリウムで¥2800はお値打ちだと思います。

「ウニはそこらにあるのを採って食うもの。ウニなんかに金払う気がしない」と長年ほざいてきた私がそういうのですから・・・「間違い無い!!」

 

上:普通のウニ丼
下:ふじ鮨の生うにちらし

ウニの種類:

では、ここでウニの説明です。
ウニの中で食用にするのは棘の長い「ムラサキウニ」(写真下、左)と短い「バフンウニ」(写真下、右)です。身は「ムラサキ」の方がやや白っぽいのに対し「エゾバフンウニ」のそれはオレンジ色なので、単に「白ウニ」「赤ウニ」と呼んでいるお店もあります。値段としては「エゾバフン」が粒が小さく、味が良いこともあって一番高価です。

旬は夏、しかも場所によって漁期が決まっておりその時期以外には生のとりたての味は楽しめないことになります。そこで普通はミョウバンなどで身を締めて見た目を良くし、防腐剤を使って冷凍した「板ウニ」が流通しているわけですね。

そんな中、近年「塩水ウニ」とか「海水ウニ」というものが出回っています。
要するに殻から取りだした身をそのまま海水に漬けて密封したものです。冷蔵庫で1週間から10日くらいしか持ちませんが、ウニそのままの甘み、美味しさを味わうことが出来ます。

最初は、札幌市内のスーパーで積丹産のものを見つけて買ってみたところ、100gのパックが¥980と安いにも関わらず非常に美味しかったので、以来お気に入りになってしまいました。

さて、この美味は東京で手にはいるのか?
生憎まわりのスーパーでは扱っていないようなので、築地に行ってみました。さすがは築地、無いものはない世界に冠たる市場ですから難なく見つかりました。
北海道産はもちろん、三陸産、そして中国産まであります。価格も¥600から¥1800とそれぞれ産地によってばらばらです。ここはせっかくですから、「利尻」を奮発してみました!

縁の三角の部分を引っ張るとシールが切れて蓋が取れます。中は海水がびっしり詰まっていますので、あわててこぼさないようにしましょう。
このまま小鉢に海水ごと取ってスプーンですくって食べると、割った活ウニをそのまま味わう感じになります。

ここは甘みを一番感じるように、ザルにそっとあけて海水を切り、さらにペーパータオルで水気をとります。そしてまずはこのまま、醤油を付けずに食べてみてください。

どうです?これがウニの本当の味だったのか、いままで食べていた板ウニはなんだったのか、ああもうこのまま死んでもかまわない(・・はオーバーとしても)という気持ちになること請け合いです。

このあと、ウニ丼にするときはゴマを振りかけたご飯の上にウニを載せてタレを回しかけるだけです。
我が家では刺身用にいつも「割醤油」を、つまり醤油に煮切った日本酒を3割くらい加え根昆布を入れたものですが、用意していますのでこれにワサビを溶いたものをタレとしています。

まあ、安いものではないですが、北海道まで行って3000円だしてウニ丼を食べると考えれば十分納得のいく味であると申せましょう。

もう一つ、特に日本酒のつまみとして評判がいいのは、卵豆腐の上に塩水ウニを乗せたものです。卵豆腐のやわらかな甘みがウニの甘さをさらに引き出してくれます。

築地以外で入手する方法としては、「塩水ウニ」はネット販売のサイトがたくさんありますので検索してみると良いでしょう。最後に、都内で「塩水ウニ」を出しているお店(私は行ったことはありませんが)を紹介しておきます。

 

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