Marine Life | |||
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*船に乗ろう! |
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免許を取っても船がなければ宝の持ち腐れですね。 そこでいわゆるボートを貸してくれるクラブのメンバーになって必要なときだけ借りるという方法があります。 他にも民間のボートクラブが都内にはいくつもあります。 私の場合は、当初は免許取得でお世話になったところで割引でレンタル会員になって1-2年ほど操船の腕を磨き、慣れてからもし中古艇の出物があればその時は購入を考えてもいいかななどと考えておりました。ところが私より1-2ヶ月、免許取得で先行している同僚とあれこれ話し合ううちに、どのボートクラブでも結局時間や航行海域の制限を受けるのなら、最初から共同で一隻船を買ってしまうほうが交代制にしてもかなり自由に使えて、費用もクラブに入ってレンタルするのと大して変わらないのではないか・・という意見が出てきたのでした。確かに一人で100万単位のお金は大変ですが、3-40万円なら何とかなりそうです。 ボートの「売ります」情報を調べるにはまずインターネットのYAHOOのオークションでしょう。そしてボート雑誌。 でもその前にまず、「どういう船を希望するのか」それをある程度決めておかなければなりません。 ・用途 ・エンジン 他にはエンジンの搭載場所によって船外機、船内外機、船内機に分かれます。 もう一つエンジンには数の違いがあります。船内機では余程の大型ボートでない限りエンジンは一つですが、船外機や船内外機ではエンジンやプロペラを2セット搭載する場合があります。本来一つで十分なところを倍にするのですからスピードは上がりますし、たとえ片方が故障しても航行を続ける事が出来るわけです。またこまかなことですが、プロペラが回転するとその反作用の影響で右回りと左回りで差がでたり、バックすると舵をまっすぐにしていても片方に回り出すのですが、プロペラが二つあると互いに逆回転させることでこの作用をうち消すことも出来ます。これを一基がけ、二基がけと呼びますが、もちろん二基がけの方が費用は高くなりますが安全性も高いというわけです。2基がけではコクピットのコントロールレバーが2本になっていますので見てすぐわかります。もちろん回転計や水温計などのメーターもそれぞれに付きますので数は2倍です。 ・船体 まずなんといっても操縦席の上の屋根は絶対必要です。オープンタイプの船では夏は暑く冬は寒く雨の日は乗れない、限られたものになってしまいますので我々の目的には合いません。その上保管中にコクピットが雨や埃にさらされることにもなります。 我々はクルージング重視なのでキャビンは広くベッドやテーブル、ソファがある方がいいということになります。 ・装備 電装品ではステレオ、これは絶対欲しいものの一つですが、これは最初から付いていなくても自分で付けられますし、CDチェンジャーも追加したいところですから、購入時の条件にはなりません。漁探やGPSもこのたぐいです。あればもちろん歓迎ですが「付いていないからこの船は買わない」というレベルではありませんがどちらかというとこの中では漁探がセンサーの取り付けに手間がかかるのでややポイントを高くしましょう。他にもサーチライトなどは欲しい装備に入れておきましょう。 構造的な装備ということであれば便利なものが、シンク(流し)とかシャワーですね。これは清水のタンクがあって電動のポンプで水を出します。シャワーならポリタンクに水を入れるキャンプ用のものでも代用は出来ますがきちんと装備されている方が見た目上はるかに好ましいものの一つです。 ウィンドラスは降ろしたイカリを引き上げるときに使う電動の巻き上げ機です。さっとクルージングだけしてひきあげる乗り方ではあまりイカリを降ろすことはありませんが、そもそも船首にしっかり固定する必要があるのと電気を食うのでバッテリーから太い配線を用意しなければならないので、最初から付いている方がいいことになります。 夜間航行設備、救命設備などは普通は完全に備わっているものなのでここでは触れません。 ・まとめ - ヤマハFR23HT :ヤマハの23フィート艇、115馬力のガソリン船外機一機がけがほとんど、個室トイレ有り - 日産PS730 :24フィート艇、個室トイレ、リアドア有り、ガソリン船外機と船内外機の2種有り - 日産F/FSB760 :25フィート艇、個室トイレ有り、ディーゼル船内外機 さて、この中から欲しい船が見付かるのでしょうか? インターネットのYAHOOのオークションで見つけたボートのうちこれはと思うものについて持ち主に質問をし、近くに係留されているものは日時を打ち合わせて、実際に船を見せてもらうことができました。 ・6月8日(日):ヤマハFR23HT/DX 価格120万円 船は四つ木という、荒川の横を流れる綾瀬川に係留しているとのことで自宅から自転車で係留場所に向かいました。地図をファックスで送ってもらっていたので場所は直ぐわかり堤防のコンクリート壁から船が見えるのですが、壁の上には金網のフェンスが張られていて中に入れないのです。ところどころ扉が付いているのですが、チェーンでロックされています。携帯電話で連絡を取ろうとしていると、丁度桟橋に人影が見え向こうでもこちらに気が付いて内側からチェーンを外して、入れてもらうことができました。 さて船の状態ですが、13年経っていますのでゴムの窓枠などはそれなりに古くなっていますが全体としてはきれいな感じがしました。ただ、トイレが、最近乗った人が詰まらせたままにしていたためにモーターが焼けてしまっていて交換のため取り外した状態になっていました。引き渡しの時は新品を付けてくれるという話です。 隣の荒川とは堤防で仕切られていますが、間に水門があるのでそこをくぐると荒川に出ます。ここは広いのでフルスロットルでクルージング、30ノット近く出るとのことでかなり早く感じました。私は翌週に実技の試験を受ける身ですので、操船は遠慮してただ載せてもらっただけですが、やはりこのくらいの大きさだと走りも安定するしいかにもボートという感じがします。 その晩のことです。はたしてS氏から電話があり、もう一人が135万円の価格を提示したというのです。従って我々は少なくとも136万出さなければその船は買えないことになりました。これは当初の予定からかなりのアップです。結局そのくらい出すのなら、他にディーゼルエンジン搭載とか装備が充実しているとか、もっと条件の良い船もあるかもしれないということで購入はあきらめることに決定しました。 ・6月15日(日):日産FS750 価格150万円 この船もインターネットで見つけました。船は江戸川に係留してあるとのことで、江戸川清掃工場の前で個人の販売者と落ち合い、そこから小さなボートで係留場所に向かいました。同型の船が2隻あるとのことで順番に見、そのうちの一隻で試運転をしてみました。江戸川を下って、おなじみのディズニーランドのところからUターン(教習で通ったところです)、今回は共同購入者3人で行ったので交代で舵を握ってみました。これはエンジンがディーゼルでシャフト船です。速度的には結構出るのですが、やはりディーゼルということで音はやや大きく特有の排気ガスの臭いがします。個人的にはこの臭いは苦手で、どうしても漁船を感じさせられてしまうのが難点かもしれません。 船体は年数相当でかなり色あせてもおり、デッキが広くて釣りだけが目的であればほとんど不満のないところですがトイレが個室でないこと、全体に「華」がもう少し欲しいということでこのモデルも見送りと決定しました。 ・6月22日(日):日産PS730 価格110万円 vs FSB760 価格115万円 PS730というこの船は、「ボートライフ」という雑誌で某マリーナの中古艇コーナーで紹介されているのを見つけました。早速電話で問い合わせると現在は陸上にあるのでいつでも見ることが出来るとのことで、又3人で新中川沿いのマリーナを訪問しました。 まずエンジンからみていきますとガソリン、船内外機艇です。VG30という、セドリックなどの日産製自動車で定評のあるエンジンを使っていますので信頼性があり部品の入手も簡単です。何と言っても良いのはリアドアがあってキャビンが写真のように一体感がありますし、操縦席もファブリックでゲスト席が二人がけのベンチシートであることです。写真で見るとおり内外ともとてもきれいで、デザインも良く日産の代表的な人気モデルというのも頷けます。ステアリングがスポーツカーみたいな3本スポークというのもいいですね。気になるトイレは天井が低いのでかがみ込んで入る必要があるものの、ちゃんと個室(運転席のハンドルの裏側がトイレです)になっています。
大きさを取れば760、内装の充実というか雰囲気を取れば730、で値段は同じ・・これは迷うところです。 二隻をさんざん見比べた結果、多い人数で乗った場合には仕切りが無い分760の方がまとまってわいわいやれそうですので、760に軍配が上がりました。船首のバウキャビンも730では座って頭がぶつかるので、もぐり込んで寝るだけですが、760では一応皆で座って真ん中にテーブルをおけば食事くらいは十分出来るというのも理由の一つです。 さて、そうして船を絞り、ほとんどこれで決まりとばかり手付け金を払ってその日は終了。そしてマリーナの社長の「船は試運転して見なきゃ最後までわからんものだよ。」というアドバイスに従って後日、日を決めて船を水におろしてもらいテスト走行をする事になりました。 さてテスト走行の日、マリーナの前を上ったり下ったりしたのですが、なんとスピードを上げるとステアリングがとてつもなく重くなるではありませんか。聞いてみればこの船はパワーステアリングが付いていないのだそうで、車なら車庫入れで重くても走り出せば軽くなるのですが、船は停船時が一番軽くスピードが上がるに連れて重くなり、さらには片方にだけ(通常は右だけ)重くなるのは普通だそうです。こればかりは我々の完全な盲点でありました。シャワーやトイレやエンジン、その他の装備にばかり注意が向いていてパワーステアリングかどうかなんて全くチェックしていませんでした。 さて、またオークション探しに逆戻りです。 ・6月28日(土):ベイライナー2452
ところが前の日産艇に決めようとしたことで、必ずしもディーゼルという条件にこだわらなくてもいいではないかという事になったため再びこの話を考え直してみました。あらためてインターネットで調べてみると、他の船はとっくに生産終了しているのですが、ベイライナーシエラ2452は名前が少し変わっていても依然として現行モデルでカタログにも載っているのです。写真やスペックでも詳細が解りますし、ギャレーの設備もクルーザーだけあって冷蔵庫や電子レンジはもちろん、温水器までが標準で装備されていてまさに完璧です。無いのはエアコン、洗濯機、テレビくらいでしょうか。キャビンも広く天井が高い上、窓が3面にあるので明るく居住性にも優れています。
とはいえ、それを上回る利点が多いのですから予算オーバーもやむなしとして、と それから名義変更に必要な住民票や印鑑証明を取り寄せ、係船料の引き落としをする口座を開設してそのコピーなどを用意し、支払いを済ませ・・・ついに我々の船が決まりました。 船の名前はとうに決まっています。「TRINITY」(トリニティ=三位一体)としました。共同購入する3人が一体となって協力しあい、共にマリンライフをエンジョイしようという意味でこの名を選んだのです。ただ、資金は3人で分担しましたが、名義については取得時と後日売却するときの手続きの簡略化のために一人を代表として単独名義としました。また、つまらないトラブルで友人関係を壊さないためにも経費計画を作り、クラブとしての利用規約も作成しました。 さて、この船は中古艇ですから基本は現状渡しなのですが、リトルオーシャンのサービスとして船底の清掃と塗装、ドライブのオイル交換やゴム部品の交換などをやってからの引き渡しとなりました。 多分7月13日頃には引き渡しも済んで、初航走が出来るものと思います。 さあ、この夏のマリンライフ、楽しみなことになってきました。 当初、予想していたとは言えこの船の故障はかなりのものでした。詳細は「日誌」に記載しましたが、いくら最初から自分たちで出来る限りの修理をしようと誓い合っていても、いざとなるとなかなかそうは行かないものです。仲間の二人は車の現役メカニックですから、私としては彼らに率先して修理にかかってもらいたい気持ちがあるのですが、それぞれ個人の事情があっていつも船優先ではない・・そして実際にエンジン故障でレスキューされたりすると故障探求の意欲よりも「こんな船に乗ってられるか!」という言葉が出てくる。そうして次第に3人の気持ちがバラバラになり、ついには2年目を待たずクラブ解散に至る結果となりました。 その時の解散手段としては、船を売却してその代金を3人で分配するというのものでした。しかし、急いで売るとなると価格的に不利ですし、一方せっかく手に入れた船だからもう少し頑張って不具合を解消してみたいという気持ちも私には残ります。その結果、私が、解散を主張するメンバーに彼の出資額を全額補填することで自主退会してもらい、残りの2名で船を維持する方向で話がまとまりました。 トラブルさえ無ければ・・・せめてすぐに直れば・・・今はその気持ちで一杯です。 => My boat life 2003へ続く |
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