2012年1月14日 TPCで打ち合わせ
2012年になりました。
船は相変わらず東京パワーボートセンターに置いてあります。
実は年末に東京パワーボートから修理見積もりを受け取ったのです。 その金額はあっと驚く、約100万円。まあ、10万や20万で直るものではない、50万円はかかるものと覚悟していましたが、さすがに100万円はきつい。なにしろ、すでにエンジン交換で200万円、ドライブ修理で30万円をつぎ込んでいます。ここに来てさらに100万円かけて乗り続けるのか・・・年齢的にも体力が落ちてきたし、気軽にクルージングに出る仲間がいなくなっている、さらに3.11以来津波の不安があって今ひとつ船を出す元気がなくなってきています。これを潮時として、いっそのことエンジンだけ売り払ってスクラップにしてしまうのか、それともきっちりと修理してもう数年乗り続けるのか、方針を決めなければいけません。
そこで1月の6日に相談に乗ってもらうべく出かけてきました。ところがマリーナはお休みで、あらためて14日に出直したというわけです。
最初に三船所長から見積もり内容の説明を受けました。確かに昨年の打ち合わせでは、新しく造るタンクをすっぽり収めて船底と一体構造となるようにFRP加工で船底を作り直すという方針を立てました。つまりハルのねじれに対してタンクを船体と一体埋め込みにすることにより剛性を上げようという意図があったのです。ですが、そのためのFRP形成作業のコストがかなりになって修理費用がかなり高くなってしまいました。
そこでさらに作業を見直した結果、タンクの周囲に適宜充填材を入れて上から天板で押さえる方法に変更してFRP形成を最低限として、コストダウンをはかることができそうだという結論に達しました。そこで、その方法で修理を継続していただくことに決めたというわけです。
さて、そこで問題になるのは作り直すタンクです。材質はステンレスで、容量は今の300リッターに対して250リッターくらいになっても良いからと伝えてありました。ところが、三船所長曰わく「いや、ほとんど同じで作れると思います」とのことです。それは素晴らしい!実は模型がもう出来ているというので見せていただきました。木を組んで造られた外寸模型は横幅がハッチを通るサイズに約15センチ小さくなっています。その分厚みが2センチくらい増えているため、内容積はほとんど変わらないというのです。実際にこの模型でハッチから出し入れをして問題なく収容出来ることを確認したそうです。

今までのタンクと幅の比較です。横幅が少しずつ小さくなっているのがわかります。 |

真横から見た写真です。背中合わせに置いてありますが四角い部分の厚みが増えています。 |

これで厚みの違いを見てください。 |

アルミタンクは半分に切ってあります。長さは変わりません。 |
タンクの作製に1ヶ月くらいかかるそうです。タンクが出来たら連絡してくれるそうなので、また見に行こうと思っています。
2012年3月1日 ボートショー
今年もやってきました、パシフィコ横浜。毎年出店が少なくなっているように感じます。はたして来年も来る気になるのでしょうか。それはともかく、今年はフローティング会場がベイサイドマリーナに移りました。パシフィコ横浜からはシャトルバスが出るそうですが、時間がかかるので行きませんでした。最初にヤマハのブースに行って、ホーエイさんを呼び出してもらい、タンクの話をあれこれ。それから一通り見て回りましたが、これはという面白グッズは見つかりませんでした。

まずは最大のヤマハのブースへ。 |

展示艇はさすがにおおいですね。 |

これが今年デビューの新モデルです。 |

スターンに350馬力の船外機が埋め込まれています。 |

コクピットは1機がけなのでコンパクトですね。 |

キャビンの豪華さはなかなか。 |

このサイズになるとトイレも余裕があります。 |

キッチンはちいさめ。電子レンジはありません。 |

会場全景です。 |

平日のせいか空いていますね |

今年は船外機のニューモデルはなし。 |

300馬力のカットモデルです。V6ですね。 |

ん、これはなんだ?キャリアカート? |

組み立てるとこうなります。欲しいけど価格未定。 |

サンキャットは改良版が出たそうです。 |

最近LED製品が増えました。 |

ポーナムです。燃料タンク・・欲しいな。 |

アルミハルの構造がよくわかります。 |

今年もありました、チタン工業会。 |

新製品はチタンのプロペラですって。 |

コクピットが総ガラス張りですよ。 |

明るくて見晴らしが良さそうです。 |

こちらもいつもの模型が展示されていました。 |

ショップも例年通り。 |
2012年3月11日 まだ・・・
天気がいいので様子を見にやってきました。もしかして、もうタンクが載っているんじゃないだろうか?
残念ながら期待は虚しく、何の進展もありませんでした。まだタンクが出来てこないのだそうです。これでは到底花見には間に合いそうもありません。
折角来たし、暖かいので船内の片づけをやり始めました。ラジオが入っている棚が、以前に波に叩かれたときに取り付けているネジが抜けて片方が下がって斜めになっているのも修理しましょう。テーブルを外して、棚を一旦外してあらためて取り付けなおします。CDチェンジャーが作動しないので、取り外して持ち帰って修理します。
次はスイムデッキの手すりの台座が割れているのを交換します。固定ボルトは抜くことが出来ましたが、パイプを受けている筒の部分が抜けません。完全に塩噛みしているようです。これは台座をディスクグラインダーで切断するしかありませんね。その作業は次回としましょう。
それにしても、タンクはいつ出来るのでしょうね・・・
2012年3月25日 手すりの修理&タンクが到着
前回スイムデッキのてすりの台座を外そうとしても出来なかったので、今回はディスクグラインダーを持参しました。鉄切断用のディスクで縦に切り込みをいれ、ハンマーで叩いたところ、ようやく外すことができました。新品の台座を位置決めしてドリルで穴を開け、ボルトとナイロンストップナットで固定します。裏側からナットをあてがって押さえるのは、エンジンが降りているときなら二人でやれば難しくありません。
取り付けてから、下の穴を埋めたエポキシのはみ出しを落とし忘れていることに気が付きました。次回、カッターでも使って削り落とすことにします。
この作業をしていると、通りかかった所長が「お待たせして住みませんでした、燃料タンクが出来上がってきて工場においてあるので、帰りに見て行ってください。」とのこと。そうですか、ようやくできましたか・・・いやあ待ちくたびれましたね。
そして、工場に行ってみると、ありました、銀色に輝くステンレスのタンクが!
木で作った模型にあわせてオリジナルよりも幅は狭く、その分高さを少し高くして容量の減少を補正しています。
そして特注ですから、オリジナルと同じ位置に給油パイプやブリーザーパイプ、レベルゲージのセンダーユニット取り付け穴などが開いています。

ディスクグラインダーで切込みを入れました。 |

ようやく外れました。これを新品と交換します。 |

固定する穴をドリルで開けます。 |

交換完了ですが、エポキシの後が残っています。 |

これが特注のタンク。ステンレス製なのでオリジナルよりは重くなりますが、腐食の心配はありません。 |
中間に並ぶ点は仕切りを固定する溶接跡です。 |

出入りのパイプはオリジナルと同じ位置です。 |
来週から作業にかかってくれるとのことですが、まだ船底の修整や掃除なども手が付いていませんから2週間で終わるとは思えません。
それに船検が切れているので、たとえエンジンが載って動かせるようになったところで船を移動させることも出来ません。東京パワーボートは千葉県になりますが、月に2回、定期的に検査員が来るそうなので、船検も依頼することにして申請書類を一式渡してきました。あとは検査の委任状を提出すれば船検を取ってもらえるわけです。
さあ、修理完了はいつになるのでしょうか?
2012年4月1日 まだ・・・
船検に必要な委任状を持参しました。船内の状態は変わっていませんが、タンクを固定するパネルが出来ていました。追加の作業として、船底塗装を依頼してきました。

さて、このタンク、容量はどの位なのでしょうか?図面をもらったので計算してみました。
横幅は920センチ×高さ28センチで257600平方センチ、ここから底の切りか木部分の面積を引いて長さの1200センチをかけたところ281.256リッターとなりました。これは外形寸法ですし、途中に仕切りもありますのでざっと280リッターと考えましょう。元のタンクは300リッターでしたから、ほとんど変わらないと言っていいでしょう。

それにしても、さすがに特注だけあって縦横のサイズだけ違いますが、ホースの出入りを含めて完全にオリジナルのコピーになっていますね。で、このタンクのお値段・・・30万円です。安くはないですが、品質的にはこれ以上望めませんし、万一のときもそれなりの保証がありますのでやむを得ませんね。
2012年4月7日 ドライブの塗装
もしかしたらもうタンクが乗っているかな、と期待してのぞき込んだ船内には、タンクを固定するステンレスのベルトが取り付けられているだけでした。
それはともかく今回は電蝕で粉を吹いたドライブの掃除と塗装をやりに来たのです。ドライブが降りているうちにやってしまわなければいけません。インバーターを起動して、電動ドリルに真鍮のワイヤーブラシをつけて白くなった部分を削りました。そのあと、錆止め成分を含んだ黒の塗料を刷毛で塗りつけました。時間がなくてドライブのロアケースまでは作業が出来ませんでしたので、次週にやることにします。

左舷側の固定用のステンレスのベルトです。 |

こちらは右舷側。中央でボルトで締めるようです。 |

ステンレスのプロペラのせいでしょう、電蝕で真っ白に塩をふいた状態のドライブです。 |

ワイヤーブラシで腐食部分を落としました。塗装がはがれて地肌が出ています。 |
錆止め成分を含む黒い合成樹脂塗料を塗りました。ドライブ本体は次にやる予定です。 |
2012年4月8日 進水式&花見
ホームページに船のことを書き始めて9年になります。
嬉しいことに、この日記を読んでコメントをくださり、そのあとメールでやり取りをしているうちに直接会うようになってすっかり親しい船仲間になったという、すばらしき出会いが何度もありました。今はベラシスに移ったAさんも、一昨年に潮干狩りや花火に行った230DAのオーナーさんもそうです。
Yさんもその一人。彼はつたない私のトリニティ日記を何度も読んで、30代半ばという若さで24フィートのシーレイを買ってこれから本格的にボートライフを始めたいというのです。楽しいこともありましたが、ほとんど修理の記録簿みたいなトリニティ日記を読んでもなおボートが欲しいというのですから、覚悟も出来ているのでしょう。苦労した身としては出来る限りサポートして安全なマリンレジャーを楽しんでもらいたいものです。これは応援してあげなければいけません。くちはばったい言い方ですが、私のボートライフの信条は「人を知り、船を知り、海を知る」です。東京湾なんて小さいなエリアですが、意外と過酷な海です。航行ルールはもちろん、浅瀬、海苔網や定置網の位置、天候など知識不足はそのまま生命の危険につながります。そういう知識を得るためには、先輩に船に乗ってもらい、乗せてもらい、一緒に走りながら教えてもらうのが一番です。私自身がそうしてきましたので、これから始める人にも教えてあげるのが務めだと信じています。
ということで、進水式のあと、シーレイを係留場所である夢の島マリーナまで回航するというので、お手伝いを申し出ました。進水式はショップがやりますし、そのあと船の装備について説明がありますがそれもショップにお任せです。私の出番はその後の係留場所までの移動の手伝いです。
実は、当日は大潮で進水式が終わった昼頃に最大干潮となります。つまり、深い場所を選んで通らなければ、座礁するわけです。江戸川区のマリーナから夢の島までの旧江戸川を下って葛西臨海公園を抜けるルートは、特に危険です。何も知らずに川の中央をいけばいいんだろうと思ったら、絶対にたどり着けません。ここは真ん中を通る、橋は必ず名前の下を通る(一番深い場所の上に名前が書いてあるからです)、ここは飛ばしてよい、ここは思いっきり岸のそばを通るなど、細かくレクチャーして無事、夢の島に到着です。
事務所で契約手続きをして、まずは係留場所の決定です。空いているバースの地図をもらい、駐車場からの動線とか、船の接岸のしやすさをマリーナの風向きを考慮して決定します。トイレの場所、水道や電気のポストの位置関係も大切です。

ここの前は何度も通りましたが、入るのは初めて。 |

これは社長のオモチャのようです。 |

これが彼の船ですね。きれいだなあ・・ |

まずバウから塩と酒で清めます。 |

酒をふりかけて・・・ |

プロペラにも同様に。 |

するすると船台が滑り降りていきます。 |

向こうのパワーボートも社長のオモチャです。 |

バウレールは紅白のテープが巻かれています。 |

コクピットもピカピカです。 |

引き渡しを終えて、旧江戸川を下ります。 |

ジェットスキーの大群がやってきました。 |

潮が引いた葛西臨海公園を進みます。 |

夢の島マリーナのサービスバースに到着です。 |
そうこうするうちに、ちょうどタイミングよく船仲間のMAHIRO氏がやってきましたその上、Y氏の係留場所のお隣さんのSさんまでもやってきました。これは良かった、早速双方を紹介して話しているうちに、では初クルージングで花見に行こうということになりました。Y氏、いきなり納艇初日に先輩3人が同乗してのボートの花見ルートの教習です。最初に向かったのは大横川。潮の具合など通るための条件がきびしいですが、最高のクルージングコースです。桜も満開でタイミングも最高でした。
こうして花見クルージング教習は終了し、最後は着岸です。これが一番難しい。まずは先輩がお手本を見せて、あとは舫の取り方をあれこれアドバイスします。これは基本ですから、あとは自分で学んでくださいね。

早速、先輩による実地教習が始まりました。 |

大横川にやってきました。 |

川の中央をデッドスローで引き波を立てないようにして進みます。 |

今年も和船友の会の体験乗船をやっています。行く手を遮らないように注意して進みます。 |

お、カタマランが出てきました。大勢乗っていますね。 |

まさに満開の桜。今年も見ることが出来ました。 |

こちらは横十軒川。水門をくぐります。 |

これ、隅田川のお約束ポイントです。アサヒビール本社の壁に反射するスカイツリー! |

ここは浅草です。たくさんの屋形船が絶景ポイントに集まってきています。 |

それにしても見事な桜とスカイツリーのコンビネーションですね。 |

おっと、後ろに付いたのはヒミコです。 |

細かく指示を受けながら運河を進むY氏。 |

無事桟橋に着岸しました。 |

ようこそ、夢の島へ。 |
いやあYさん、良かったね、初日から中身の濃い一日で。
さあ、これからは潮干狩りもあるし、タイクーンやYBM、浦賀や保田のばんやにも行かなくちゃいけませんね。もう少しするとトリニティも復活するでしょうから、こっちにも乗ってくださいね。
頑張れ、Y氏!!
2012年4月15日 花見クルージング
先週、あまりの桜のきれいさに、ゲストを乗せてクルージングに出たいというY氏。
無理もありません。じゃあ。私も道案内でお供しましょう。潮回りから言って、大横川はかなりきびしいですからね。
私自身もひさびさの花見、例によってつまみを持参します。定番の、なんちゃってかに玉でしょ?スパイシーチキンでしょ?そしてプリプリエビとホタテはバジル炒めにしよう。確か彼の船は電子レンジがあるはずだけど、万一冷めても美味しく食べられるメニューでいきます。あとは野菜スティックと、鮭おにぎりも追加ね。
10時半、マリーナを出港です。今日は隅田川では早慶レガッタが開催されるので通行制限があります。両国橋より上は、12時20分から2時の間だけしか通れません。なので、予定を変更して大横川を抜けたら浜離宮でお昼を食べ、そのあと隅田川を浅草まで行くことにしました。
で、大横川には慰労としたのですが、ちょうどお昼が満潮とあって小潮なのに水位が高くて通れそうもありません。仕方なく浜離宮に直行してお昼にすることにしました。残念ながら桜はほぼ終わっていますが、それでも結構な数のボートが集まってきています。

カニかまとネギをごま油で炒めます。 |

フライパンを揺すりながらまとめていきます。 |

美味しそうに焼けました。 |

ホタテとエビのバジル炒めも出来ました。 |

スパイシーチキンも用意できました。 |

さあ、乾杯をして食べ始めましょう。 |

浜離宮です。正面が桜の木なのですが残念ながらほとんど花が散ってしまっています。 |

屋形に横抱きしている船がいます。結構大きな団体さんですね |
こちらはヨットのグループです。 |

Y氏が用意したホットプレートの焼き肉です。 |
食べ終わって1時近くになりました。通行規制が解除されていますので、いまのうちに隅田川を遡ってみましょう。警戒船がたくさん出ていますね。レガッタも練習でしょうか、川に出ていますからゆっくりと横を通り過ぎます。やはりこちらも桜は終わっていますね。浅草でUターンしてふたたび大横川へ行ってみました。さっきよりは潮位が下がっているので、ぎりぎり通れましたが、幌をおろしても隙間10センチ。ゆっくりと手で橋桁を押しながらくぐりぬけることができました。こちらも桜はほんの少し残っているだけですが、ここへのコース教習だけはしてあげることが出来ました。これで来年は一人でも来られるでしょう。

前回よりは穏やかな隅田川を遡ります。 |

やはりここも桜は散ってしまっています。 |

おっと、正面からレガッタがやってきました。右はヒミコです。 |

さらにレース中の女性レガッタチームとすれ違いました。デッドスローでやり過ごします。 |

いやあ、本物のレガッタレースを見られてえがった・・。 |

ふたたび大横川に入ってきました。 |

幌をたたんでもこの高さです。 |
その後はマリーナに戻って後片付け・・・・で、私の携帯がなりました。昔からの船仲間で今朝夢マリからゲストを乗せてリバークルージングにでたM氏です。
「Keyさん、やってしまいました。日本橋川でエンストです。」
「ぬぁにぃ〜?エンストだけ?怪我人は?」
「それが・・・・ガソリン・・・・持ってきてもらえないかと・・・」
「おっけ、すぐ行くから」
てなわけでY船長に出動を頼み、マリーナの給油所でガソリンを40リッター携行缶に入れてもらって出発しました。Y氏、今度は初めてのリバークルーズです。
「いやあ、先週といいい今週といい、すっごく濃い週末ですね」とY氏。
(うん、そうだね。過去に2日間で東京湾の4大名所を回ったヒトもいるけどね・・・)
M氏が通ったあとを追って隅田川から神田川に入りました。秋葉原、御茶ノ水、水道橋と進んで日本橋川へ水路を曲がります。ここは高速道路の橋脚が立っているので、まるでスラロームです。日本橋まで来たところでようやく、桟橋に船を固定している仲間を発見しました。バックで接近してガソリンを渡し、給油して無、エンジン始動。万一に備えて仲間の船のあとを付いていきます。マリーナに到着して、やれやれ。

右上の電車、そしてこの橋は御茶ノ水駅です。 |

うまく漂流しながら接岸できたようです。 |
ホント、Y船長にはまたもやいいトレーニングが出来ました。怪我人もなくて一番簡単な救助作業でしたが、何事も経験です。ちなみにガス欠の原因は、エンジンの調整を依頼されたメカニックが船長の知らないうちにかなり走ってガソリンを使ってしまったためのようです。船長はまだ150残っていると思っていたのに、メカが燃料が減ったことを連絡していなかったのですね。これでY氏も予備燃料の大切さを知ったでしょう。
2012年4月21日 エンジンが乗った!
先週は船仲間のクルージングに付き合ったので、自分の船を見に行けませんでした。ほかの仲間から、「トリニティ、のぞいてみけどタンクが載っていたよ」と聞いたので、今週こそはドライブの塗装をやらねばと行ってきました。
お、船の前にバンが止まっていますね。船に上がってみるとすでにエンジンが乗っていて、排気管の接続作業中でした。わ、急に作業のテンポが早くなっているのね。え?ドライブを明日付けるの?
ステンレスのプロペラをつけたために電蝕で潮を吹いているドライブの掃除と塗装をするつもりでしたが、今日中に終わらせてしまわなければなりません。所長の好意で作業場の隅を借りて、電動ドリルの先に真鍮ブラシをつけて磨きます。そしてさび止めの塗装をして、ピカピカになりました。いやあ、かろうじて間に合ってよかった・・・
これでドライブが接続されたら、試運転をして、切れている船舶検査を受けて引渡しとなります。それにしても長かったなあ・・・・

船の前にバンが止まっていました。作業中? |

エンジンが乗っていて、周辺作業の最中でした。 |

なんとも久しぶりに見る景色です。 |

そして鎮座ましますのはピカピカのタンクです。 |

タンクはベルトとボルトで固定されています。 |

清水タンクのレベルゲージの配線もされています。 |

これが問題のドライブ。ステンレスの固定ボルトの周囲から腐蝕が広がっています。 |
プロペラの周囲も腐蝕しています。 |

反対側も同じ状態です。 |

真鍮のブラシで磨くときれいになりました。 |

写真で見るより表面はきれいです。 |

塗装をし終わったところです。 |

見違えるようにきれいになりました。さあ、これで乾燥すれば取り付けてもらえます。 |
2012年4月22日 ドライブも付いた♪
当初、Y氏の船で潮干狩りに行く予定でしたが天候が悪くて中止になりましたので、午後から船に行ってきました。ドライブはすでに取り付けられていて、ジンクを交換しているところでした。
私はスイムデッキの手すりの固定ねじが緩まないように、ドリルでパイプに受け穴を開ける作業をしに行きました。ところが、電動ドリルをコンセントに差し込んでインバーターのスイッチを入れても100Vが出てこないのです。もしやとおもってデッキの下を覗くと、100Vの分電盤のプラグがインバーターの下にぶら下がって落ちていました。タンクの取り付け作業中に引っ掛けて抜いてしまったのでしょう。雨で濡れたハッチからやっこらせと背中からもぐりこんで接続しなおしました。これで電動ドリルが使えるようになって作業終了。雨が降ってきたのでこれでお終いとします。

ところで、急にピッチを上げて作業しているのは水曜日(25日)に船検を受けるからとのことでした。もしかすると週末には引き取れるのかもしれませんね。ということはゴールデンウィークは船内の大掃除?
2012年4月28日 復活前夜?
船検も終わったはずなのですが、まだ完了の連絡がありません。
どんな具合なのか、様子を見に行ってきました。
ハルがきれいになっていて、船底塗装の最中でした。
ステンレスのプロペラが取り付けられていましたが、海草が付着して乾いた状態で茶色い汚れとなってこびりついていますので、これを落としておきましょう。電動ドリルに真鍮ブラシをつけてブィィィ〜ン、ピカピカになりました。どうせならペラクリンを塗っておけば電蝕防止にもなるかな?車を走らせてビーフレンズというボートショップまで行ってみましたが、残念ながら品切れでした。ガソリンを40リッター、携行缶に入れて持ち帰って給油しました。

船底塗装のマスキングテープが見えます。 |

こちらは2回目の塗装作業の様子です。 |

プロペラに茶色い汚れがこびりついています。 |

ブラシで磨いたらピカピカになりました。 |

ついに作業完了です。明日は試運転をすることになりました。 |
いやあ、本当に長かったです。ついに試運転までこぎ着けました。
2012年4月29日 トリニティ復活!
朝9時、試運転の立ち会いにやってきました。途中でスタンドによってガソリンを60リッター、携行缶に入れて持ってきましたので給油します。これで100リッター入りました。ゲージは半分をちょっと切っている状態です。
船がスロープに乗りました。そしてスルスルと川に入って浮かびました。トリニティ、復活の瞬間です。
早速試運転です。エンジンを始動して・・・ん?なんだかシャカシャカ音がしますね。エンジンより後ろのほうから聞こえる気がします。滑走は問題ありません。途中で操船を替わります。リモコンが重くなりましたね、どうしてだろう。そしてステアリングが戻すときにがくっと重くなります。フルードをチェックしたらほんの少ししか入っていませんでした。予備が積んであったのでフルードを補給します。
最後に新しい船検証をもらってシールを貼って完了です。
水門は開いたままでしたのでそのまま通り抜け、懐かしの水路へと戻ってきました。係留場所に船を付けて・・・ただいま〜
さて、では掃除にかかりますか・・・

いよいよ船をおろします。 |

一旦引き上げてビルジの水を抜きます。 |

スルスルとスロープを下ります。 |

新しい船検シールを貼りました。 |

試運転も終了して、ようやく引き取り可能となりました。 |
シートの汚れ具合。かなり汚いです。 |

メーターパネルも埃だらけです。 |

ここはすぐカビが広がるところです。 |

ここまできれいになりました。 |

ドアにもカビが広がっています。 |

掃除が終わったらこうなりました。 |
今日の作業はここまで。ハッチの中を片づけて元通りにするためにはもう一日必要です。
2012年5月5日 夢マリバーベキュー
ゴールデンウィーク後半の今日、例のY氏が三番瀬に潮干狩りに行きたいというのですが、私はその日まで旅行中です。なので6日なら出られるのですが、5日は無理。そして三番瀬から戻ってマリーナでバーベキューをしたいのだそうです。む〜午後からのバーベキューなら参加できるかな。
というわけで都内に戻ってその足で麻布のニッシンに寄って牛肉とラム、ソーセージを買って帰宅しました。そしてすぐに仕度をして夢マリに出かけました。
マリーナのバーベキューコーナーで仕込みをします。今回の参加者は14人だそうです。ラム約1キロと4キロの牛肉の半分ほどをスライスしてタレに漬け込みます。残りのブロックはそのまま塩コショウで焼くのです。
他にもゆでたポテトやアスパラ、鯛の塩焼き、焼きうどんなどのメニューがあって、夕方まで楽しい時を過ごすことが出来ました。

タレを準備してお肉の仕込みを始めます。 |

これがニュージー牛のチャックロール4キロです。 |

マリーナのバーベキューコーナーです。 |

目の前はゲストバースです。 |
牛の半分をスライスしてタレに漬け込みます。 |

さあ、バーベキューの開始です。 |

Y氏のご家族の差し入れのシイタケです。 |

最後に2キロの塊を焼きます。 |

鯛の塩焼きも美味しそうにできあがりました。 |

つづいて焼きうどんの出来上がり。 |

潮干狩りで取ってきたホンビノスを開いています。 |

ホンビノスの場やー焼きを作っています。 |
2012年5月6日 2年ぶりの三番瀬
当初はトリニティで三番瀬に行こうと思っていましたが、当日になって家族が気が乗らないと言い出しました。そこで急遽、船橋から出る仲間に電話して乗せてもらうことにしました。
車で船橋ボートパークまで行って、仲間の船に乗せてもらいます。昨年は震災の直後ということで来るどころの話ではありませんでした。実に2年ぶりの三番瀬です。上陸してみたところでは以前と変わりませんね。地盤沈下の様子はほとんどありません。海浜公園のほうにはかなりの人が来ています。浦安市が放射能検査をして安全だということで海浜公園の潮干狩りをこの4月から再開したからですね。早速テントを立ててバーベキューの仕度を始めましたが、南風が強いです。大丈夫かな。
取りあえず潮干狩りを始めてみました。う〜ん、なかなか採れませんね。ホンビノスはそこそこ採れるのですが、アサリが極端に少ないのです。これは震災のせいなのでしょうか。でも、かなり採っている人もいますね・・・やはり私がへたなのか・・・
バーベキューを始めましたがどんどん南風が強くなって、テントが吹き飛ばされそうです。東京湾も白波が立ってすごい荒れようです。これはトリニティで出てこなくて正解でしたね。この海の中を帰ることを考えるとぞっとします。

2年ぶりの三番瀬に上陸しました。う〜ん、見慣れた景色です。 |

こちらではかなりの人が採っていますね。昔と変わりませんよ。 |
たくさんのボートが集まっています。さすがにゴールデンウィークですね。 |

さて、準備が出来ました。潮干狩りに出かけましょう。 |

約1時間で採れたのはこれだけです。 |

一方、こんなに採った人もいます。 |

この堤防のところ、昔よりも砂が多い=堤防が低くなったように見えませんか? |

最初はチャンチャン焼きから始めます。 |

タレに漬け込んだ牛肉を焼きます。 |

こちらはスライスした牛肉です。 |

さらに風が強くなってきてテントが飛びそう・・ |

向こう側は白波が立ちまくっています。これはすごい。 |

堤防に押し寄せる、この波を見てください。 |

ボートパークは風も波も穏やかです。 |

ここはららポートの隣なのですね。 |

バーベキューの2次会開始です。 |
かなり頑張ってバーベキューをやりましたが、適当なところで撤収して船橋港に戻りました。港では先に帰った仲間家族が風のない場所でバーベキューをやっています。我々も合流してバーベキューの2次会を行いました。
さて、解散して帰りに船に寄って清水を積み込む作業をしました。ふとみるとバウレールの左側がぐにゃりと曲がって縦の柱が2本台座から抜けてしまっています。風や波にあおられて隣のバースの浮き船台の柱がレールを下から突き上げたのにちがいありません。曲がったレールを押し下げてみましたがとうてい一人では直せないので取りあえずそのままにしてきましたが、さて、どうしたものでしょう。

左舷側のバウレールが持ち上がっています。 |

この船台の柱にぶつかったようです。 |

2年ぶりの三番瀬のアサリですよ。 |

かろうじて一回分の酒蒸しになりました。 |
三番瀬のアサリとホンビノスは、かろうじて一回分の酒蒸しになりました。2年ぶりの味です。嬉しいですね〜トリニティは出せませんでしたが、久しぶりに潮の香りを楽しんだゴールデンウィークとなりました。
2012年5月20日 バウレールが曲がっている
その後隣のバースの持ち主からは何の連絡もありません。一体どうなっているのか様子を見に行ってきましたが、隣の船はゲストバースに係留したまま、そして船台はそのまま放置されています。ここは毎日巡視員が見回っているはずですが、何をしているのでしょう?
息子と二人で曲がったバウレールを押し下げて、なんとか支柱2本がデッキに付くところまで戻し、1ヶ所だけはネジで固定できましたが、もう2ヶ所は台座自体が割れてしまっていて交換しなければいけません。そして先端に近い部分は逆に支柱が抜けなかったためにレールが大きく根元から曲がっており到底人力では直せません。それでも最低限航行できる状態にはしておきました。

ここは支柱が頑張ったためにレールだけが曲がっており、その部分はどうしようもありませんでした。 |

上から体重をかけて曲がったレールを押し戻し、なんとか台座に固定できました。 |

ここと後端の台座は割れて支柱ごとすっぽ抜けていました。押し戻しても固定できません。 |
あとは隣の持ち主に何とかしてもらわなければなりません。そこで翌日東京都公園協会に電話しましたが、月曜は休みですって。そこで翌日再度電話して状況を説明し、船台の持ち主に連絡してくれるよう依頼しました。
2日後、持ち主から電話があって先方の手配でバウレールを直してくれることになりました。当然といえば層なのですが、こちらが文句をつけなければそのまま知らぬ振りをするつもりだったのでしょうか。あまりにも腹が立って、以前に船台がトリニティのハルをガリガリこすっていたことや、仕切りのロープが低すぎてこちらの係留索が浮かび上がらずに首吊りになりそうなことを言い忘れました。
2012年6月3日 バウレールはどうなった?
船台の持ち主はすぐには無理でも次の週には修理させるからといっていたので、はたして修理できたのか見に行ってみました。相変わらずバウレールは曲がったままですし、船台は沈んだまま放置されており、彼の船はゲストバースを占領しています。

前は傾いたポールが隣の船にぶつかりそうでした。 |

今はまたうちのバースに侵入してきています。 |

このポールの先端によってトリニティのバウレールが押し上げられ、ポール2本が外れたのです。 |
いい加減うんざりして帰宅したところに持ち主から電話があり、「ベイライナー2452のバウレールの部品は在庫が終了していて入手できない、ついてはローカルの社外品で修理するがそれでも良いか」とのことでした。純正部品がないのであれば仕方ありませんね。こちらはアッセンブリー交換でも現品修理で壊れた台座だけ交換でも、元に戻してさえくれれば社外品を使っても良いむねを伝え、さらに作業のために船内に入る必要があるとのことですから鍵の手配をして電話を切りました。
確か、以前も隣の船がガンネルにぶつかったときに、ゲルコートの修理は出来たのですがハル周囲の飾りラインのテープが手に入らなくてそのままになったことがありました。船が古いとどんどん純正部品が無くなるのですね・・・・困ったものです。
2012年6月10日 バウレールの修理中
その後、修理は終わったのかまた様子を見に行ってきました。
上から見たときはバウレールが切れているように見えましたが、確かに大きく曲がったセクションだけレールが切り取られています。壊れていた台座やジョイントは新品と交換してありました。バウレールはもともと1本ものなのですが、修理代を安くするために曲がった部分だけを交換しようという計画のようです。なんとなく釈然としませんが、見た目と強度に問題がなければ、船も古いことだしダメとは言えないでしょうね。

ここはレールがすっぱりと切断されています。曲がった部分だけを交換するつもりのようです。 |

壊れた台座とジョイントは新品と交換してありました。 |

引っ張られて割れた台座は交換してありました。 |

支柱はネジ止めでしたが、これはリベット止めです。 |
これは意外な修理方法でしたね。まあアッセンブリーが手に入らなければ修理するしかないわけで、つなぎ目さえちゃんとしていればそれで構いません。
6月12日
用事があって前を通ったので様子を見てみました。どうもレールがつながったようです。船に上がってみました。思った通り、ジョイントのなかでつないだようです。見てみましたがしっかりとリベットで固定してあり、強度的にも問題はないようです。
と思ったら、良く見ると右と左でカーブの具合が違っています。特に切って継ぎ足した部分で一旦下がっていますのでレールがうねっているように見えるのです。近くではそうでもないのですが、コクピットから見ると余計はっきりします。

一度切り取ったレールを別なパイプで置き換えたようです。上の写真と比較してみてください。 |

このジョイントの右側が新しいパイプです。 |

そしてここで舳先のレールとつないでいます。 |

ところが離れてみるとなんだおかしくないですか?つまり交換した部分の左側が押し上げられたのを元に戻さないでそのままつないだからなのですね。 |

視点を下げてコクピットから見てみました。左側が持ち上がって波打っているのがわかります。 |

同じ視点でズームしてみました。左に見える支柱の左右で高さが違っているのです。 |

隣の船台は相変わらずです。 |

さらに私のバースに入り込んで来ました。 |
う〜ん、これは・・・せっかく修理してはくれましたが、押し上げられた左手前部分をそのままにしてつないでいるのでレールが波打ってしまったのですね。これじゃあオーケーとは言えません。それにしても船台がこのままではまた同じことになります。一体いつになったら撤去してくれるのでしょうか?
2012年6月30日 作業あれこれ・・・
先週、船を隣のバースに移動しました。
浮き船台はそのままですし、また同じことをくり返されるのはいやなのでひとつ下流に避難したのです。もちろん、あらかじめ東京都公園協会の係留所管理部には電話して了解を得てあります。移動して取りあえずそこにあった係留索を使ったのですが、長い間水中にあったので苔と泥でヌルヌルです。いまはパリパリに乾いていますので、十分に揉んでやわらかくしてバケツの水で泥や藻を洗い落とします。これですんなりとクリートに通すことが出来ます。
次は高圧洗浄機のテスト。ケイヨーD2で7000円で購入した高圧洗浄機があるのですが、はたして水中ポンプの水量で足りるのか、100Vのインバーターで電流は足りるのか、テストしなければなりません。水中ポンプの出口を高圧洗浄機に直結します。水中ポンプは12Vなのでバッテリーに接続します。そしてインバーターの電源を入れてスイッチオン。ビビビビ・・・ポンプが止まりました。ちゃんと規定の圧力まで上がったようです。ノズルを取り付けてガンの引き金を引くと、シュワー、出ました!よっしゃ!!
せっかくなのでデッキの洗浄を始めました。ウン、これはいい。ですが、10分ほど使っていると心なしかポンプの音が低くなってきました。ん、もう終わり?この高圧洗浄機は1KWの消費電力ですから、インバーターのバッテリーからは100Aくらい流れている計算です。そりゃ10分くらいでバッテリーが弱っても無理もないです。結局このシステムは動くことはわかりましたが、そこそこ掃除するためにはバッテリーの容量が足りないですね。ともあれ、クルージングでかぶった潮を洗い落とすくらいには十分使えそうです。

一番消費電力が少なそうな高圧洗浄機を買ってきました。ノズルは2種類あります。 |

ポンプで川水を吸い上げて洗浄開始です。 |

ビルジポンプとフロートスイッチです。 |
次は古いビルジポンプの手直しです。エンジンを降ろしたときに、古いビルジポンプがオイルを含んだ水のせいで樹脂のケースが壊れかけていましたので、別のポンプと入れ替えてあります。その古いポンプもまだ動くことは動くので予備のポンプとして使うことにします。ポンプはともかくフロートスイッチがひどいですね。スラッジで汚れ、オイルで変形しています。ヤスリで整形してスムーズにオンオフするように修正しました。外したカバーを接着剤で付けましたので、このまま乾燥させて取り付けは次回です。
7月15日
3連休なので1日くらいは船を走らせたいと思ってやってきました。
しかし満潮で水位が高い上に南風が強く、かなり荒れています。仕方がないので船を出すのは諦めて、ガソリンを補給しました。
ところで先日話したバウレールの波打ちはどうなったのでしょうか?明らかではないのですが以前よりカーブが滑らかになっているように見えます。きっと修正をしてくれたのでしょう。

コクピットから見た、前の状態です。左側が持ち上がって波打っているのがわかります。 |

今回の状態です。落ち込んでいた部分が持ち上がっているようです。 |
2012年8月4日 戸田の花火!
昨年は震災のせいで中止になった戸田の花火を見に行ってきました。
当初、今年は江戸川に行ってみようかと思ったのですが、なんと観覧場所が有料となったというのです。しかも27フィート以上ではないとお金を払っても入れません。トリニティの場合は2時半以前に篠崎の水門を通って打ち上げ場所の上流で開始まで待機し、終わったあとも下流の船が全部帰るまで待っていなければいけないらしい、これはたまりません。ということで例年どおり戸田に行くことにしました。
今回は夢の島マリーナで仲間とそのゲストを乗せて戸田へ向かいます。新しい燃料タンクは満タン、快調に上流に向かっていたのですが・・・半分くらい走ったところで急にエンジンが吹けなくなりました。3500回転からストンと落ちてまたブワンと戻りまた落ちるを繰り返す、これは前にありましたね。そう、買った当初にさんざん悩んだ燃料系統の詰まりです。船を停めてハッチを開けるとフィルターを調べます。案の定、茶色いサビのようなものがぎっしり詰まっていました。新品のステンレスのタンクなのになぜ?
多分携行缶の底に溜まっていたさびがタンクに流れ込んだのでしょう。給油のポンプには布袋を被せるなどしておかなければいけませんね。ともかくフィルターを分解してパーツクリーナーで掃除して組み付け、再度航走を開始しました。
6時ちょっと過ぎ、現場に到着しました。空いているところを探しながら岸の近くに投錨します。さあ、2年ぶりの花火見物の開始です。

定番のなんちゃってカニ玉を作ります。 |

バナメイエビはバジル炒めにします。 |

出来た料理からパックしていきます。 |

締めの焼きうどんも出来ました。 |

あ〜忙しい、いそがしい。 |

さあ、料理の準備完了です。 |

今年も戸田の花火が始まりました。 |
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2年ぶりの感動です。 |

今年はいつもより大玉が多いようです。 |
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今年のメニューです。
・生ウニと卵豆腐
・ナンチャッテかに玉
・ハマグリの酒蒸し
・バナメイエビのバジル炒め
・スパイシーチキン
・ピリ辛スペアリブ
・焼きうどん
今年の花火は2年分なのでしょうか、大きな花火が多かったようで、一段と迫力がありました。ゲストも喜んで見てくれていたようですし、料理も好評で来た甲斐がありました。
さて帰り道、またエンジンが吹けなくなりました。フィルターはきれいにしたのにどうしてでしょう?そういえばさっきから流量計のカウンターが動いていません。さては羽根で詰まったな。またもやハッチを開けて流量センサーを取り外して直結にしてしまいました。これで航行を継続し、ようやく夢の島マリーナに到着しました。予定より遅くなったので船が修理中で空いている仲間のバースに置かせてもらって帰宅しました。
8月5日
前夜停めておいた船を移動しようと思って夢の島マリーナにやってきました。
船内を片づけてデッキを掃除して、さてエンジンをかけようとするとかかりません。初爆があるのですが、そのあとアイドリングが継続しないのです。スロットルを開けると高回転で始動はしますがやはりイグニッションを始動から戻すと止まってしまいます。
これは電気系統か?まずアレスターを外してスロットルを急に開けて加速ポンプからガソリンが出ることを確認します。OK、つまりキャブレターまでガソリンは来ています。ということは火が飛んでいないのか?イグニッションのモジュールに問題があるとすればこれはどこかの手を借りなければ部品注文が出来ません。そこでマリーナのメカに助けを求めました。やってきたメカ氏は「これ、燃料ポンプが動いていませんね」というのです。「え?ポンプはメカニカルじゃないの?」「いえ、電磁ポンプが燃料フィルターの横に付いています。」なるほど、前のエンジンではメカニカルポンプでしたが、新しくなって変わったのですね。それでコネクターにテスターを当ててイグニッションをオンにしても12Vが出ません。一方、12Vをかけてやるとポンプが動く音がします。つまりポンプはオッケーでも電気が来ていない・・・ところが、ポンプを強制駆動して燃料を送りながら始動させようとしてもやはりかからないのです。となるとやはりイグニッション回路ではないか?
「ポンプの電源は確か圧力スイッチを経由していると思いますが・・・今日はマーキュリーに詳しいものがいないんで・・これ以上はわかりません。」ということでお手上げ状態になってしまいました。
そうなると頼るのはマーキュリーの専門家、KENマリンサービスです。すみませんが助けてください。夏休み前で忙しくてすぐには手は付けられないというのですが、ともかく引き取ってだけもらいたいと頼み込んで、曳航してもらいました。

さて、原因は何でしょうね?イグニッションモジュールなら高そうだなあ・・・ともかく配線図が無ければどうしようもないですものね・・・あ、もしかしたらエンジンに付いてきたCD-ROMに配線図があるかも知れませんね。
8月6日 配線図、発見!
やはりCD-ROMのなかに配線図がありました。(大きな図はこちら)
*マーキュリーのCD-ROMには2010年度の全エンジンの回路図のPDFがありました。故障診断で回路図が必要な方は左のメールボックスアイコンからご連絡ください。

これで故障診断が出来ます。ここで問題を整理してみましょう。
・スターターモーターは回り、クランキングする=バッテリーはOK
・加速ポンプからガソリンが出るのでキャブには燃料がたまっている
・キャブにブレーキクリーナーを吹きつけながら始動してもかからない
・以上の二つはプラグに火が飛んでいないことを示している
・ただしクランキング中は爆発しているがイグニッションオンに戻すと止まる
・燃料ポンプが回らない
以上を回路図で追っていくと、確かに燃料ポンプは油圧スイッチ経由でイグニッションプラスから電源をもらいますがそれはエンジンがかかってからのこと、クランキング中もスターターから電源をもらっているようです。となるとポンプは原因ではない。そもそもイグニッションプラスは来ているのでしょうか?キーをひねるとピーッとブザーが鳴りますからメーターパネルまでは行っていますが、そこからの戻りがイグニッションコイルにも、イグニッションモジュールにも入っています。これがなければ当然エンジンはかかりません。む、これじゃないの?イグニッションキーからエンジンまではランヤードスイッチという、操縦者がコクピットを離れたらエンジンが切れるようにヒモでつないでおくエマージェンシーカットオフ機構があります。

エンジンがかからないときに、そこはオフになっていないか最初にチェックしましたが接触不良までは見てはいませんでした。テスターでイグニッションコイルで12Vを測ればすぐにわかることです。よぉし!
8月18日 エンジンがかかった!
夏休みで地方に行っていましたが、東京に戻ってきてすぐ東京湾マリーナに出かけました。
まだトリニティを見る時間がなくてそのままおいてあるということでしたが、ちょっと自分で調べたいのでとテンダーを借りて船に行ってみました。トリニティはマリーナの奥の離れた桟橋に係留してあるので、船でなければ行けないのです。
早速イグニッションコイルにテスターをつないでイグニッションスイッチをオンにします。電圧が出ません。そこでイグニッションコイルに直接12Vをジャンパーケーブルでかけて始動してみると・・・かかった!思った通りでした。
メーターパネルからのハーネスとエンジンハーネスをつなぐレガシーケーブルのコネクターを外して回路を点検します。確かにイッテコイがありません。リモコンのコントロールパネルを外してランヤードスイッチをカチカチしているうちに導通が復活しました。ちゃんと腐蝕した接点を磨いたりしていないのでいまひとつ納得がいきませんが、ともかくこれで修理完了です。
テンダーを曳航してマリーナのバースに移動し、KENマリンさんに状況を説明して船を引き取らせてもらいました。そのまま新中川まで移動して係留所に戻って一安心。
さて、今回の教訓として燃料フィルターは大きいのに変えましょうね。
2012年9月10日 燃料フィルター交換
早速、燃料フィルターをネットで探してみました。油水分離タイプの方がメンテナンス性がよさそうです。ガソリン用で時間当たり206リッターもの通過容量があるものが見つかりました。あのエンジンはアワーあたり55リッターくらいですから十分です。ネオネットマリンで扱っていて価格も8000円とリーズナブルです。今のは1500円で買った物で多分船外機用だと思われます。中のフィルターの網は取り外して金属タワシに換えてありますので、流量は良いとしても、カスがたくさんたまると掃除を頻繁にしなければなりません。

ネットで注文したフィルターが来ました。 |

これが今のフィルター。容量に不安があります。 |

こうして並べてみると大きさの違いがわかります。 |

交換が完了しました。 |

フィルターの出入口は二つあってメクラプラグで蓋をしています。出口には流量センサーを直結しました。 |
フィルターの出口には流量センサーを直接つなぎました。作業完了後、エンジンを始動しました。しばらくするとフィルターのボウルの中にガソリンが入ってきて一杯になりました。これでオッケーです。回転を上げて、流量カウンターが上がるのも確認しました。
さて、前回花火で走らせて依頼ガソリンは入れていません。来月、会社の同僚とそのカメラ仲間を乗せてゲートブリッジ、レインボーブリッジ、ベイブリッジの会場からの撮影会で船を出す約束になっています。燃料を入れておきましょう。携行缶に3つで60リッター、それを2サイクルやって120リッターを補充しました。これで満タン近くなったでしょう。
今日も暑かったですが、さすがに夕方になると涼しくなりました。その分、暗くなるのも早くなりましたね。さて疲れました。帰るとしましょう。
2012年10月6日 準備作業
会社の同僚から、カメラ仲間と東京湾の橋を海から撮影したいので船を出してくれとの依頼を受けました。それが10月7日なのです。初めて船に乗る人もいるようですから、花火の時のようなトラブルがあってはなりません。それで燃料フィルターを確実なものに換えたわけですが、念のため試運転をしておきたくてやってきました。キャビンを掃除してトイレも洗浄し、ドリンク類も用意しました。エンジンオイルを点検し、ベルトもチェック、暖機運転をして桟橋を出ます。河を遡り、数回滑走させて油圧や水温に以上がないことを確認します。GPSや魚探の作動もオッケー、桟橋に戻ります。
次に、バッテリーの太陽電池充電システムの修理をします。エンジン始動用バッテリーの端子に取り付けた逆流防止用ダイオードが7年経って腐蝕して断線してしまい、ソーラーで充電が出来なくなっていたのです。新品のダイオードと付け替えて、腐食防止のグリスを塗っておきました。

さて、これで明日のクルージングの準備は大丈夫でしょう。あとは天候が良いことを祈るだけです。
2012年10月7日 撮影クルージング
朝、外を見ると雨が降っています。ネットの天気予報では昼には雨が上がって午後は晴れるというのですが・・・同僚と相談して当初10時の出航時間を12時に変更することにしました。予定のコースはゲートブリッジ〜風の塔〜川崎シーバース〜ベイブリッジ〜京浜運河〜東亜石油プラント〜羽田空港〜お台場〜レインボーブリッジ〜夢の島マリーナです。始めはお昼を横浜のタイクーンで取る予定でしたが、出航を遅らせたためにお昼は各自で済ませてからの出航となりました。
さて、集合場所から重そうなカメラバッグを引いて乗り込んできたのは6名のカメラマン&ウーマン。皆さんキャノン党なんですね〜魚眼から超望遠まで高価そうなレンズをとっかえひっかえの撮影です。キャビンに置いてあるのはもしかして全員合わせると数百万円の機材では?・・・搭乗者にはひとり1000万円の障害保険がかかっていますけれど、手荷物には保険は利くのだろうか・・・ちょっと不安になった船長なのでありました。
ゲートブリッジでは曇り空でしたが、ベイブリッジに到着した頃には晴れて太陽が輝き、暑いくらいになりました。予定では川崎沖を航行する予定でしたが、羽田沖からの三角波がひどいので往復とも京浜運河を通るコースに変更しました。それでも羽田沖は通らなければなりません。ちょうど着陸する飛行機を真下から撮ったり、離陸する瞬間を真横から撮影できるベストポイントなのですが、揺れ具合もなかなかのもので、ファインダーを覗きっぱなしのゲストさんにはかなりきつかったと思います。

最初の撮影ポイントは今年開通したゲートブリッジです。橋の下にはスカイツリーも見えます。 |

ちょうど観光船の安宅丸が通過するところでした。 |

こちらは風の塔。左奥には海ほたるも見えます。 |

横浜のベイブリッジに着きました。青空が広がり、太陽も輝いています。 |

レインボーブリッジに戻ってきたときにはもう夕陽です。シルエットの橋が美しいですね。 |

おまけのサービスで隅田川を遡ってきました。 |

こんな感じで皆さんが撮影していました。 |
レインボーブリッジまで戻ってきたときには、もう太陽も傾き始めていました。予定ではこれでクルージング終了ですが、せっかくなのでもう一ヶ所、スカイツリーを撮りに行きましょう。隅田川を遡ってアサヒビール本社前のポイント2ヶ所、そして浅草前で1ヶ所に案内して全てのコースを終了しました。
いかがでしたか?船のクルージングは思ったよりも大変だったことと思いますが、普段経験できないアングルの撮影が出来るのは間違いありません。これに懲りずにまたどうぞ!
今回のクルージングは、航行時間7時間、使用燃料は170リッターでした。
2012年10月27日 警告音の調査中?
先日、撮影隊をのせて走ったときのことです。時々警告ブザーが鳴りました。大抵はスロットルを開けて滑走にはいるかどうかというとき、そして滑走からスロットルを戻しているときにそれぞれ数秒間だけピピピと断続的に、あるいは長くて10秒間くらい鳴るのです。この症状は前にも起きていて、その時は原因が特定できないまま温度センサーを磨いて終わってしまいました。それが再発したので、今回しっかりと検証してみようというわけです。
あらためてCD-ROMにあった回路図を調べてみると、警告ブザーを鳴らすのは潤滑回路の油圧スイッチ、ドライブのギアオイルのリザーバーのレベルスイッチそして冷却水温はサーミスタとイグニッションモジュールに内蔵されたアンプの組み合わせに変更されています。この3つはパラレルに接続されていて、いずれもアースに落ちるとブザーが鳴る仕組みです。

まずは油圧スイッチ。これはエンジンの潤滑オイルの圧力によってオンオフされるもので、場所はイグニッションコイルの付け根に取り付けられています。紫/黒の配線で平端子が付いており、イグニッションオンでブザーが鳴るのはこのセンサーのせいです。エンジン停止時は油圧がゼロですからスイッチはオンでアースに落ちています。そしてエンジンがかかると油圧が上がりオフになります。これは問題ないでしょう。潤滑オイルのポンプは機械式で、エンジンが回転を始めると3バール近くになりますし、それが高回転になれば油圧がさらに上がりこそすれふらふらと下がるとは考えにくいからです。
次はドライブギアオイルのリザーバータンクのレベルスイッチです。ドライブのオイルは漏れでもない限り温度による膨張くらいの変化しかなく、これも警告音の原因とは考えにくい要素です。
最後は水温センサー。これは2009年の調査で以前のオンオフの水温スイッチから新しいエンジンではサーミスタとアンプになったのがわかっています。そしてセンサーの金属部を磨いたら直ってしまったのですが、今回はもう少し詳しく調べてみることにします。

左上が油圧スイッチ。左下はサーモスタットハウジングに取り付けられた水温センサー。右上はアンプが入っているイグニッションモジュール。右下がドライブギアオイルのリザーバータンク。 |

水温センサーのコネクタに可変抵抗を接続します。 |

これで水温を常温から100度まで変化させます。 |

テスターで水温センサーの電圧と抵抗値の変化を読みとり、ブザーが鳴るポイントを探します。 |

中央がサーモスタット。ハウジングの右が水温センサー、左がメーターパネルの水温計のセンサー。 |

水温センサーの表面に錆が付いているものの水の流れを妨げるような異常はありません。 |

水温センサーの信号はAに入り、その電圧によってBの出力がアースに落ちてブザーを鳴らす。 |
水温センサーのコネクターを外してボリウムをつなぎます。水温センサーは20度くらいで2.5kオーム、95度で260オームとわかっていますので少しずつ変化させてブザーが鳴り出す値を探します。

その結果、電圧にすると常温では3.9Vであり、それが0.5Vになるとブザーが鳴ることがわかりました。センサーの抵抗値にすると約200オーム、つまり温度にして100度近いわけです。ということは普通の運転温度が80度ですから、100度がオーバーヒート警告としてもおかしくありません。自動車のエンジンの場合ですと運転温度が90度くらいでオーバーヒート警告は118度と高いですが、これは冷却回路が加圧されているからであって、このエンジンのように直接冷却でオープン回路だと100度で冷却水が沸騰しますからそれ以上に温度が上がることはないのです。
こうなると水温センサーの僅かな抵抗の違いでブザーが鳴るわけで、センサーの不良=特性ずれが疑われます。次回は実際に航行して水温の変化とセンサーの電圧を測定してみようと思います。
2012年12月16日 警告音の調査終了
前回の調査から時間が空きましたが、ようやく船を走らせる時間がとれました。今回は実際に走らせて水温の変化とセンサーの値を確認するのが目的です。
センサーの信号を読みとるために、アンプの入り口から分岐してその電圧をコクピットに置いたテスターで読みとります。最初にエンジンを始動する前の電圧を測り、続いて暖機後のアイドリング状態と滑走時とその前後の電圧を測定します。
=>ハーネスを開いて、温度センサーからの黄色の配線の被覆をコネクターの直前でむき、長いリード線を接続してコクピットまで引いてテスターにつなぎます。
左下:エンジン始動前のセンサー電圧は2.98V
中央:暖機完了後の水温80度のときの電圧は0.73V
右下:滑走中の回転数3550回転のとき。水温計は80度のまま変わらないが、テスターの電圧は0.63Vを示している。
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テスターで水温センサーの電圧を読みとり、エンジン回転数と電圧の変化を観測します。 |
今回のテストによって、メーターパネルの水温計は一定でも滑走時には0.1Vの変化が出ることがわかりました。そして12月という水温が低い環境ですが、一時的には0.63Vまで下がりました。前回の実験で電圧が0.5V以下になると警告ブザーが鳴ることがわかっています。ということはわずか0.1Vの余裕しかありません。つまり僅かの温度上昇によって、実際にはオーバーヒートしていなくてもブザーが鳴る可能性があるということがわかりました。従って、 アンプへの電圧を少しだけ上げるために黄色の配線に10-20オームくらいの抵抗を直列に挿入することによって防止できることもわかりました。
あとは来年の夏になって水温が高くなったときに、抵抗を入れたり外したりして航行してみれば確実に対策としての効果を確認できるでしょう。
これで2012年のトリニティ日記を終了します。それでは皆さん、また2013年の日記でお会いしましょう。
2013年に続く
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