*秋の恒例、「伊勢エビ(ホントは下田エビ)祭り」
アワビ同様、ご両親が伊豆の下田出身という私の友人が下田漁協から取り寄せて、それを私が調理して皆で賞味するというものがもう一つありまして、それが「イセエビ祭り」です。
しかし彼曰く「伊勢で獲るからイセエビというので、これは下田で獲れる=下田エビ」とよぶのが正しいんだそうです。
それはともかく、以前に彼の案内で下田の民宿に泊まったときに出てきたエビの料理は、まずなんといっても定番のお刺身と、塩ゆででした。
ぷりっと締まった甘いお刺身と、カニとは違うミソが美味しい塩ゆで、どちらも堪能させていただきました。
では、その下田エビを使った「イセエビ祭り」メニューから我が家のメイン料理をご紹介しましょう。まずはお刺身と塩ゆで、そして「祭り」というからには何かもう一品・・ということで作ってみたところ非常に皆に評判が良かったのが中華風の炒め物です。
<作り方>イセエビの下ごしらえ:クール便で来るイセエビは濡れた新聞紙でくるまれておとなしく眠っています。 これを開いてざっと水洗いして砂を落としてください。エビは「ギーギー」鳴きますし尾がはねる力が強いですから、けがをしないように初めのうちは軍手を着用する方がいいでしょう。 |
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運命も知らずおとなしく眠っている、伊勢エビちゃん。 | 水洗いして砂を完全に落とします。 |
頭と胴の間に包丁を差し込んでぐるっと一周薄皮を大まかに切ります。
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両手で頭と胴をつかみ、人差し指を頭の中に差し込んで皮をはがすようにしながら胴をねじって外します。
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胴の殻と腹の内側の左右に、包丁で切れ目を入れておきます。
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スプーンの背やナイフを差しこんで腹の殻を一段ずつはがします。
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刺身の作り方: | |
伊勢エビの刺身は何と言っても見栄えがしますし、美味しいので定番となる料理です。身をそのまま一口に切って盛りつけてもかまいませんが、私はさらに湯引きにして身の弾力を強調します。 そうして締めたエビをそのまま普通のお醤油で刺身として食べてももちろんいいですが、パーティで人数が多く、各々に醤油小皿を用意するのが大変なときは、あらかじめ味を付けてしまうといいですね。わさび醤油に軽く漬け込んだり、少量の出汁(私はビン入りの「白だし」を使います)と千切りの大葉であえる、あるいは塩とユズ皮で味を付けるというのもお勧めです。 |
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盛りつけは一番下の写真のように頭と背の殻を使用しますので一番大きな頭と殻を洗っておきます。 |
皿の上にアルミフォイルをくしゃくしゃにして殻を支える台にします。 |
殻をアルミフォイルの上に押しつけて安定させたら、ヒゲを形良く後方に反らして先端をアルミフォイルをからめて固定します。頭には丸めたキッチンペーパーを突っ込んで汁が出てこないようにします。この状態で冷蔵庫に入れて冷やしておきましょう。 | 沸騰したお湯にわずか塩を加え、そこにお玉やすくい網に乗せたエビを2-3回くぐらせたら直ぐに氷水につけて熱を取ります。水気を拭いて冷蔵庫で冷やしてから切ってサーブします。この写真は、そのまま身を締めるために氷水に入れたものと湯引きにしたものです。色の違いがよくわかりますね。 |
一口大に切って盛りつけたら出来上がりです。今回は醤油とワサビのタレをからめてあります。 |
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サラダの作り方: | |
頭を外した身を塩ゆでします。殻を割って身だけを取り出したら手で細かくさいてボウルに入れます。4センチくらいに切った水菜を入れ、マヨネーズ、レモン汁、塩、コショウで和えれば出来上がりです。 | |
伊勢エビのガーリック炒めの作り方: | |
殻から外した身を一口サイズに切ります。軽く塩胡椒して、小麦粉とバジルを振ります。フライパンにオリーブオイルを入れ、ニンニクを炒めて香りがでたら伊勢エビを加えてさらに炒めます。仕上げにバジルを少し振りかけて出来上がりです。 | |
伊勢エビのフォアグラ炒めの作り方: | |
伊勢エビの殻から身を外しておきます。 |
一口大に切って塩と日本酒をふっておきます。 |
今回使用するのはブロックのフォアグラです。 |
ソテーにするので7-8ミリに切っておきます。 |
フォアグラを軽くソテーし、溜まった脂で伊勢エビとアスパラをさっと炒めてバジルを振ります。 |
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中華風炒め物の作り方: | |
お刺身を作ると頭が残ります。これは半分に切ってみそ汁(具足煮)にしてもいいですが、せっかくですからボリウムのある料理にしてしまいましょう。手は汚れますが殻を噛み砕き、身をほじりだして伊勢エビの味わい尽くすことができます。角は根本の太くなる手前で折り取ります。頭は縦半分に割って2-3つくらいに切ってください。 エラは食べるときにじゃまですからとった方がいいですね。貴重なミソはなくさないように。ボウルに入れて紹興酒をざっと振りかけておきます。 調理の直前に片栗粉をまぶします。身が無い分、ちょっと寂しいと思われるときは普通の芝エビとかブラックタイガーを足します。殻をむいて塩洗いし、水気をとって片栗粉をまぶしておきます。あるいは絹ごしの豆腐を1丁加えても美味しいです。このときはスープを多めにしてアンはゆるめにすると良いでしょう。中華風具足煮というわけです。ネギは5センチくらいに切って細い千切りにしてください。薬味としてショウガとニンニクのみじん切りも用意します。スープは干しエビにお湯を差して2-30分おいたものに、顆粒の鶏ガラのスープの素を少量加えて使います。熱した中華鍋に油を入れ、ニンニクとショウガ、ネギを入れたらエビを炒めて次にイセエビを炒めます。ミソも忘れずに。 スープを注ぎ入れて、煮立ったら水溶き片栗粉でとろみをつけ、次に溶き卵を流します。 最後にごま油を大さじ1杯かけて出来上がりです。 |
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ゆでイセエビ: これは簡単です。ざっと洗ったエビをそのまま1リットルにつき大さじ一杯の塩を入れたお湯で10分ほどゆでるだけです。 ただ、カニと違ってエビは元気一杯はねますのでお湯に入れるときは注意が必要です。 もし自信がなければ、かわいそうですがボウルの真水にしばらく沈めて弱らせるか、電子レンジで軽くチンして死んでからゆでるという方法があります。 |
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<おまけ> 2003年度 伊勢エビ祭り 今年はフランス出張時に持ち帰った食材が加わって一世一代の超豪華メニューとなりました。 |
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<前 菜> ・ヒラメのスモーク ・角切りスモークサーモン ・フォアグラのカナッペ ・ブーダン(フランスのソーセージ)のソテー<お造り> ・伊勢エビのお造り2種 ・活シマアジの姿造り(写真右上)<酢の物> ・宮城産生ガキ、ユズポン酢和え<サラダ> ・ラールドン(生ベーコン)とモッツアレラチーズのサラダ<お楽しみ> ・伊勢エビと豆腐の中華風スープ ・カモ胸肉のステーキ、フレッシュフォアグラソテー添え (写真右:一番下はスライスしたジャガイモをバルサミコ酢に漬け込んでバターソテーしたもの、カモ胸肉は1センチ厚に切って塩こしょうで下味を付けてソテー、最後にフォアグラのソテーを載せて出来上がり) |
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<おまけその2> 2007年度 伊勢エビクリスマスパーティ いつもの友人とのクリスマスパーティ、今年は伊勢エビと馬刺とケーキとシャンパンの差し入れがありました。そして我が家では恒例のターキーでお出迎え。秋にオーブンを大きいのと買い換えたので、初めての5.2キロという大きなターキーにしました。・刺身(伊勢エビ、ホタテ、ミル貝) |
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お刺身は伊勢エビはそのままと湯引きにしたものの2種類。 |
初めて作ってみたサラダは評判がが良かったです。 |
馬刺には、しょうゆにミリンを加えたたまり風を用意。 |
野菜スティックといつものサラダ。 |
これも定番の中華風煮込み。 |
さすがに5キロ超えのターキーは大きいと感じます。 |
<おまけその3> 2008年度 伊勢エビクリスマスパーティ 今年も30年来の友人とのクリスマスパーティ、今年は時期をずらしてクリスマスの後に行いました。 |
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定番の伊勢エビのお刺身。身は霜降りにしてあります。 |
一口に切ってオリーブオイルとガーリックで炒めました。 |
10人分のパスタです。大皿に2枚になりました。 |
今回は過去最大の6.5キロのターキー。大きいですね。 |
<おまけその4> 2010年度 伊勢エビクリスマスパーティ 今年も30年来の友人とのクリスマスパーティ、今年は図らずも息子の誕生日と同じ日になりました。 |
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一番大きな伊勢エビは刺身にしました。醤油とワサビで味付けしてあります。 |
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差し入れの鹿肉の刺身です。ニンニク醤油もしくはショウガ醤油でいただきます。 |
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恵比寿のフカヒレ専門店「筑紫楼」のフカヒレ姿煮260gです。蒸しパンをソースに浸けていただきます。 |
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差し入れのフォアグラをソテーにして、さらに伊勢エビとホワイトアスパラをその脂で軽く炒めました。 |
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ゲスト持参の生パスタを初めて使った、伊勢エビの頭のスパゲティです。もっちりとした食感が新鮮! |
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今回のターキーは6.2キロでした。焼き具合も最高です。 |
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料理のトリは、これも差し入れのイノシシ肉と野菜のショウガ焼きです。珍しい! |
<おまけその5>
2012年度 伊勢エビクリスマスパーティ
今年も伊勢エビの提供があり、今回の特別料理は「伊勢エビのアメリケーヌ風」となりました。これまでと違って、頭と身を別々の料理にせずひとり半身を使用するという贅沢なメニューとなっています。
これが「お手本」の、オマールのアメリケーヌ。お米が入っています。 |
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ハインツのアメリケーヌソースとトマトソースです。 |
本日の主役です。きれいに洗って砂を落とします。 |
まずは出刃包丁でまっぷたつに切ります。 |
大事なミソをなくなさいように気をつけます。 |
オリーブオイルとバターで身の方をソテーします。 |
ひっくり返して全体を炒めます。 |
アメリケーヌソースを入れて煮込み、生クリームを加えます。味を見て、必要なら塩で味を調えます。 |
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最後にご飯を投入して出来上がりです。 |
出来上がり。もう少しソースが欲しかったかな。 |