スタッファーの電動化プロジェクトの試作3号機の実地試験その3です。
今回の作り方の変更点としては、豚肉を切り分けた後の塩漬けを2日間と長くして、さらにフードプロセッサーにかけた後寝かす時間も2日間にしました。これまではエマルジョンが出来たらすぐにスタッファーに入れて詰めていましたので、まだ空気を含んだ状態で詰めていたわけです。そこで寝かす時間を長くしてなるべく空気を追い出そうということです。
今回のレシピ:
国産ポークの肩ロース肉のブロック |
1.5Kg
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羊腸 |
パイプ1本(約7m)
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調味料1 |
塩 30g、砂糖 30g
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調味料2 ベジタブルコンソメスープ(固形キューブ) |
2個
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スパイス類1;オールスパイス、ナツメグ、ホワイトペッパー、ドイツ製スパイスミックス |
各1g
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雪氷(肉の20%) |
300g
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<1日目:2月12日>
今回も近所のスーパーでカナダ産の豚肩肉約2.1キロのブロックを買ってきました。出来たソーセージは友人2軒のほか来客にご馳走する予定なので1.5キロくらいをソーセージに使い、残りはカレーに入れようと思います。
カレー用とソーセージ(ひき肉)用に分けて切り出します。(脂肪は細かく切って混ぜる) |
<2日目:2月14日>
今までフードプロセッサーにかける時間は数分でしたが、10分かけると明らかにエマルジョンに変化が出ました。細かく残っていた赤い肉のかけらが完全になくなって、プルンプルンとした弾力が出てきました。
1.5キロの豚肉をミンチにしています。 |
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10分弱フードプロセッサーにかけたら、このくらいクリーミーになりました。 |
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細かく切っておいた脂肪を混ぜます。 |
<3日目:2月16日>
エマルジョンはボウルにまとめて全部を混ぜるのですが、今回は電動ミキサーを使って一気に混ぜ込んでみました。これまでフードプロセッサーの容量では一回で全部をエマルジョンにすることは出来なくて、2回ないし3回に分けて作った違うロットを混ぜ合わすのですが、これがヘラではなかなかうまく混ぜられません。そこで思いついたのが泡だて器のらせん形をした金具で混ぜることです。速度が3段階ありますが、2番目が一番具合がいいようです。これを使うと上下も左右も均等に混ぜることができましたので、今後活用しようと思います。チンして味見をしてみたところ、前回同様にしっかりとした弾力が出ていました。これを冷蔵庫で1日寝かせて、空気を追い出したいと思います。
均一に混ぜるために電動のミキサーを使いました。 |
<4日目:2月17日>
さて、十分寝かしたエマルジョンを詰めましょう。室内の気温は10度なので、今回も冷却水循環は使わずにスタッファーにアイスノンを乗せるだけにします。さらに氷水をボウルに入れて、出来たばかりのソーセージを受けるようにしました。
今回もスタッファーをアイスノンで冷します。 |
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ノズルから出たソーセージは氷水を入れたボウルで受けます。 |
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氷水のなかでソーセージを編みました。空気だまりが少ないですね。 |
これを茹でてみましたが、問題の空気だまりは解消とはいきませんでしたがかなり少なくなりました。ただ、問題がひとつあって、今回は特に味が薄いのです。エマルジョンを味見したときはやや濃い目になっていたのに、これはなぜでしょう?前回と違うのは詰めたソーセージを氷水に入れたことですが、これ自体は気温が高い時にスタッファーの冷却と一緒にやっていたことです。あとは茹で時間が多少長かったとか、ゆでたソーセージを冷やすために氷水に入れて置いた時間が長かったのかもしれません。次回は味の安定化を目標にしたいと思います。
スタッファーの電動化プロジェクトの試作3号機の実地試験その5です。
前回のソーセージはとてもマイルドな味付け、つまり味が薄い出来上がりになっていました。なぜなのか?塩分量はちゃんと2%になっています。と言うことは途中で味が抜けたわけですね。詰め終わったソーセージを氷水に浸けて置いた時間、茹で上がったソーセージを冷却するために流水に浸けて置いた時間、これが普段よりも長かった可能性があります。そこで今回はその時間を短くしてなるべく塩分をなくさない作り方をしようと思います。
今回のレシピ:
国産ポークの肩ロース肉のブロック |
1.5Kg
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羊腸 |
パイプ1本(約7m)
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調味料1 |
塩 30g、砂糖 30g
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調味料2 ベジタブルコンソメスープ(固形キューブ) |
2個
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スパイス類1;オールスパイス、ナツメグ、ホワイトペッパー、ドイツ製スパイスミックス |
各1g
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雪氷(肉の25%) |
375g
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<1日目:3月20日>
今回も近所のスーパーでカナダ産の豚肩肉約2.3キロのブロックを買ってきました。出来たソーセージは前回の不出来なソーセージを差し上げた友人に食べていただくつもりなので1.5キロくらいをソーセージに、残りはカレーに使おうと思います。
全部は多いので、カレー用とソーセージ(ひき肉)用に分けて切り出します。 |
<2日目:3月22日>
今回もフードプロセッサーにかける時間は10分にします。ただ、それを2回3回と繰り返すとフードプロセッサーに負荷がかかって止まってしまいます。そこで水分を5%増やしてエマルジョンを軟らかくして負荷を減らすようにしました。
1.5キロの豚肉をミンチにして、エマルジョンを作っています。 |
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エマルジョンをまとめて、冷蔵庫で寝かせます。 |
<3日目:3月23日>
エマルジョンは、2回ないし3回に分けて作った違うロットをボウルにまとめて全部を混ぜるのですが、粘りもあってなかなか均一に混ぜるのは難しいわけです。前回から電動ミキサーを使って混ぜ込んでみましたが、これはなかなかいいです。今回もミキサーを使ってまぜました。
さて、では詰める工程です。前回、氷水に浸けましたが今回は塩分1.6%の氷塩水にしました。本体が塩分2%なのでほぼ同じ、これで氷水に浸けている間に塩分が抜けることは抑さえられると思います。
均一に混ぜるために電動のミキサーを使いました。 |
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塩分濃度1.6%の氷水でソーセージを冷します。 |
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ノズルから出たソーセージは、氷を入れた塩水に浸けられます。 |
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詰めたソーセージは、5時間冷風に当てて乾燥させました。 |
<4日目:3月24日>
さて、ソーセージをゆでましょう。茹でるお湯も塩分1.6%に調整してあります。冷却用の流水にさらすのも必要最低限にしました。
75度で20分茹でました。最低限の加熱です。 |
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今回は長めのホットドック用ソーセージも作りました。 形がデコボコしているのは詰めが緩いせいです。 |
今回のソーセージは本来の塩分を持った味になっていました。やはり前回は皮から塩分が水の方に抜けてしまっていたようです。その点は改善されましたが、水分量を25%にしたので歯ごたえが軟らかくなってしまいました。エマルジョンが軟らかくなるとソーセージがへこみやすくなります。その分詰める量を増やして張りを出さないといけませんが、詰めすぎると編むときに破裂してしまいます。かといってエマルジョンを固くすると、フードプロセッサーが過熱して止まってしまいます。間を開けて冷却しながらやると、止まらなくなりますが生地の温度が上昇して結着が弱くなります。いやはや、難しいものです。
スタッファーの電動化プロジェクトの試作3号機の実地試験その6です。
前回のソーセージは、味が薄くなってしまった原因が真水に浸っていたことであろうと考えてその対策をしてみた結果、味は薄くならなかったものの水分量を増やしたために軟らかくなりすぎてしまいました。水分量を減らして生地を固くすると、フードプロセッサーの負荷が増して過熱して止まってしまいます。エマルジョン化に時間をかけていると生地の温度が上がってぼそぼそになってしまいます。短時間で仕上げるためにはどのくらいの水分量がいいのか、実験してみようと思います。水分量の確認なので肉の量は1キロで作ります。
今回のレシピ:
国産ポークの肩ロース肉のブロック |
1.0Kg
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羊腸 |
パイプ1/2本(約4m)
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調味料1 |
塩 20g、砂糖 20g
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調味料2 ベジタブルコンソメスープ(固形キューブ) |
1個
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スパイス類1;オールスパイス、ナツメグ、ホワイトペッパー、ドイツ製スパイスミックス |
合計2g
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雪氷(肉の22%) |
220g
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<1日目:4月17日>
今回も近所のスーパーでカナダ産の豚肩肉約1.8キロのブロックを買ってきました。このうち1キロをソーセージに、残りはカレーに使います。豚肉は小さく切ってミンチにしてからフードプロセッサーにかけます。水分量は前回の25%から22%に減らしました。エマルジョンにする時間は5分ではちょっと足りない感じなので、フードプロセッサーの過熱防止装置が働くギリギリ手前の7分としました。出来たエマルジョンはまとめて冷蔵庫で翌日まで寝かせておきます。
雪氷を先に作って、そこにひき肉とスパイスを入れます。1キロを2回に分けてエマルジョン化します。 |
<2日目:4月18日>
では生地を羊腸に詰めましょう。スタッファーに生地を入れてマッシャーで押し込んで気泡が入らないようにします。充填する量をやや増やして、仕上がりがデコボコにならないよう適度は針を持たせるように注意しました。詰めたソーセージは、塩水と氷を入れたボウルで受けて、編むのもそのボウルの中でやります。
これを茹でるのも塩水、茹で上がったソーセージを冷やすのは流水ですが、こまめに冷め具合をチェックして冷えたらすぐに上げて水けを取るようにしました。
スタッファーにエマルジョンを入れます。マッシャーで押して空気を逃がします。 |
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詰め終わったソーセージはボウルの塩水と氷で冷やします。 |
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詰め終わったらすぐに編みます。気泡は針で刺してつぶします。良い張りが出ています。 |
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ゆでた後は流水で冷やします。今回はデコボコになっていませんね、良かった。 |
さあ、こんどこそはいい状態のソーセージが出来たと思います。
早速炒めて食べてみたいと思います。
まずは外観から。でこぼこになってはいませんし、気泡も小さいのはありますがそれほど目立ってはいません。皮は軟らかくて、食べた後口に残りません。いいですね。
肝心のお肉は、市販のソーセージみたいにブリンブリンではありませんが、ちゃんと弾力も出ていますし、味付けもばっちりです。
これでようやく基本のソーセージが完成したようです。このあとはドイツで食べたブラットブルスト目指してさらに開発を進めようと思います。
とは言ったものの、その前に3年前に購入したソーセージスタッファー、この間25回くらい使用しましたが、ピストンの周囲のシリコンシールが破れてしまって、生地が裏に漏れてくるようになりました。
実は、シールが傷んできたのでそれほど長くはもたないと考えて、外形100ミリのゴムのОリングを買ってあるのです。このリングをはめ込む円形のピストンは3Dプリンターで作るつもりです。ということで、次のプロジェクトはスタッファーのピストン交換となりました。お楽しみに。
ソーセージ作りの最初の工程の、ひき肉を細かくして氷と混ぜてエマルジョンというネバネバ状態にするために山本電機のフードプロセッサーを使っています。
このフードプロセッサー、かの和食の神様と言われる道場六三郎氏の監修によるものですが、あくまでも和食を作るための監修であって、ソーセージ作りを念頭に置いたものではありません。それでも回転を自由に選べる利点があるのですが、欠点は何といっても容量が小さいことです。ボウルの容量が0.5リッターなのです。つまり、ひき肉にすると500グラムを入れるのがが限度ということです。
私は大体いつも1.2キロくらいのひき肉で作りますので、そうすると400グラムずつ3回に分けてフードプロセッサーにかけなくてはなりません。これが結構手間と時間がかかる、すなわち生地の温度が上がってしまうので、なんとか一度でできないものか、そういうフードプロセッサーはないのか、と探しておりました。
はい、業務用のフードプロセッサーなら大容量の製品があります。でも、お値段が10万円から15万円もするので、素人の趣味に使うのはちょっと無理です。では中古品はないかとヤフオクを探していたら、ついに適当なものを見つけました。
業務用というと日本でも輸入品のクイジナートが有名ですが、やはり知名度があるだけに競争相手が多く当然落札価格が高い。そこで同じフランス製で若干マイナーなロボクープ社製品に目を付けました。そしてほぼ予算どおりで落札することができて、その品物が到着したというわけです。
早速荷物を開梱してみます。
透明プラスチック製のボウルやカバーは紙の箱に入っています。これは新品みたいです。きっと本体だけでは売れないので、売りやすくするために部品で購入してセットにしたのでしょう。
本体はしっかりしたプチプチに包まれていますね。おや、本体の外側のケースの下が割れて小指半分ほどの破片が落ちていました。これは瞬間接着剤で直しておきましょう。
今使っているフードプロセッサーと一緒に並べてみました。
左が今使っている道場モデル。ボウルは道場の0.5リッターに対しロボクープは3リッターもあります。 |
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こうしてみるとロボクープ製品のボウルはバケツみたいに見えますね。 |
大きいなあ・・・これなら2キロくらいのひき肉を一気に処理できそうですね。うふふ、これを使うのが楽しみです。が、こんな重くて大きなもの、どこに仕舞っておこう?
さて、改めてじっくりと本体を見てみると、結構古びて傷が多い・・・底のゴム脚も無くなっていて、素人がゴム板を切って接着剤で貼り付けてあります。かなり使い込まれた感じです。では、動かしてみましょうか。安全のために回転刃は取り付けないで、モーターだけ回してみます。コンセントにプラグを差し込んで、本体だけだとスイッチを入れても回らないはずですが・・・・あれれ、パルス(チョイ回し)でも普通のオンでもモーターが回ります。これはおかしい。なぜならば、フードプロセッサーは鋭い刃を高速で回すので、刃が露出している状態では絶対にモーターが動かないように、ボウルに具材をセットしてカバーをかけて初めてモーターが回る、そういう安全機構が組み込まれているのです。
ところが、そうなっていないということは「故障」です。スイッチがオンになったまま引っかかっているなんて簡単なことではないでしょうね。何はともあれ開けて調べてみましょう。
うむ、内部の壁とモーターが脂でかなり汚れています。そして、ボウルの蓋をしたら電源が入る安全装置は、本体内に配線でぶら下がっていて、しかもスイッチを改造して常時オン状態にしてあります。つまり前の所有者は、壊れてもちゃんと修理をしないで、危険を承知で安全装置をバイパスして使っていたのですね。
さて、まずは掃除から行きましょう。
残念ながらモーターを固定しているネジのメクラブタが外せないので、スイッチ類をビニール袋に入れてそのまま洗剤で洗い流します。裏蓋は傷だらけなので塗装し直しましょう。
問題の安全装置はこれ(マル印)。ケースの隅が割れて破片が落ちていました。(矢印) |
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ネジでスイッチを押しこんで固定しています。 |
モーターの軸受けは脂まみれでカビ発生。 |
ケースと底板を洗剤で洗って乾燥中です。 |
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洗浄前のケース内部(左)と洗浄後のケース(右)。 |
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底板には無数の擦り傷がありました。 |
薄いクリーム色で塗装しました。 |
ボウルを含めて全体を除菌しました。これを組み立て直して、とりあえずここでお休み。壊れている安全装置を部品で手に入れたら原状復帰できるのですけどね。
スタッファーとは、ソーセージの生地を羊腸に詰めるための機械で、言わば注射器の親分。なので、生地を詰めるシリンダーとそれを押し出すピストンから構成されていて、ピストンはシリンダーの内壁に密着するようにシリコンのシールで包まれています。
今-使っている-スタッファー-は中国製で、2018年の6月に購入しましたのでもう3年になりますが、さすがにシリコンのシールが擦り切れて破れてしまいました。
もともとのピストンは歯が刻まれたシャフトの先に丸い鉄の円盤があってその表と裏と周囲をシリコンの被膜で覆っていました。それがシリンダーの内壁にこすれて裂け目が入り破れたものです。
シリンダーの内径は113ミリですから、直径113ミリの円盤で外周にシール材を巻いたものを用意すればいいわけです。それって3Dプリンターで作れるんじゃない?
シールには汎用のO-リングが使えます。たまたま、モノタローで太さ5ミリ、外径100ミリのO-リングを見つけたので入手しました。太さが5ミリで全体で10ミリの高さがあるから、直径103ミリの円盤にかぶせたらちょうど113ミリでぴったり入るようになるのではないですかね。
でもゴムを引っ張ると伸びて細くなるから、外径100ミリを113ミリに広げると13%伸ばすわけで、太さ5ミリも13%減るのかな?まあ、4.5ミリくらいとして直径104ミリの円盤にしておきましょうか。円盤の厚さはリングの太さと同じ5ミリですが、リングがすっぽり入るように底を丸く掘りたいところですが、私が使っている3Dソフトではできないなあ。リングが飛び出さないように壁を作るのが精一杯です。と言うことでこうなりました。
印刷してみると、これが反ったり縁が汚かったりしてなかなか大変です。
散々失敗して、最終的にO-リングを保持する円盤、シリンダーの先頭がふくらんでいるのでそこに生地が溜まらないよう、ピストンの先端を山型にする円盤、そして固定ナットを隠すカバーの3枚が出来上がりました。
ところが組み立ててシリンダーに入れようをすると入らないのです。どうして?
測ってみると、なぜかO-リングの外径で115ミリあります。2ミリも大きい。なぜこうなったのか?計算違いか、寸法ミスか、あるいは樹脂の膨張か?
3Dソフトの設計図と較べて、修正のうえ作り直さなくてはいけません。やれやれ・・・・
さて、ソーセージスタッファーのピストン修理の続きです。
私がいま使っているスタッファーは中国製です。いつもは電子部品ばかり買っている中国のサイトですが、試しにスタッファーを検索したら手ごろな製品があったので購入しました。そこでひょっとしてピストンのシールも消耗品として売っていないだろうかと、探してみたら、なんとあったのです。
いまのピストンは丸い鉄板の周囲をすっぽりとシリコンで覆ってありますが、補修品は5ミリ厚のシリコンの円盤を2枚の鉄板で挟んでボルトでシャフトに固定するようになっています。直径は113ミリでシリンダーの内径と同じです。早速注文しました。通常、中国からは3週間くらいかかって日本に到着するのですが、これはなぜか10日くらいで到着しました。
中には型から出したばかりのバリの残るシリコン板とプレスで打ち抜いただけの鉄板が2枚入っていました。シリコンの円盤の縁はまっすぐではなく丸くなっています。つまりシリンダーとは面ではなく、線で接する構造です。これはちょっと心配ですね。面積が小さいので、生地が漏れてこないといいのですが。
さて、シャフトに取り付けてシリンダーに入れてみました。あれ?周りに油を塗るまでもなくスカッと入ります。それどころか周囲に少しですが隙間もあります。ノギスで測ってみるとシリコン板の直径は112ミリしかありません。なんじゃ、こりゃああ!
ちなみに鉄板のほうは、105ミリとありますが実測値は107ミリでした。鉄板のほうは別にそのままで使えますが、肝心のシリコン板はもうちょっと直径を大きくしないことには使えません。さて、どうするか?円盤の周りにシリコンを薄く塗って直径を大きくする?難しいなあ。
実は以前使っていたイギリス製の小さいスタッファーも周りに隙間があって、キッチンペーパーをかぶせてゴム風船を上からかぶせて隙間を埋めていました。またそれで行きますか?いやあれは毎回の脱着が面倒でした。そのままピストンに被せて常用できるものがいいです。厚手で円盤に馴染むもの・・・厚いビニールテープを巻いてみました。これを表と裏から鉄板で挟んだらそう簡単には外れません。これなら大丈夫でしょう。
シリコンの円盤の周囲にビニールテープを巻き、表裏2枚の鉄板で押さえこみました。 |
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中央のボルトで締め付けます。 |
その上からカバーでボルトを隠します。 |
ピストンの周囲にバターを塗ってシリンダーに差し込みます。うん、いい感じ。でもさらに奥に押し込むにしたがってギシギシ音がしてきつくなってきました。入口の方はスムーズで奥はきつい、ということはシリンダーがテーパーになって奥の方の直径が小さくなっていたのです。多分0.5ミリくらいの差でしょうが、シリコンは軟らかいのでその差を吸収したのですが、ビニールは固いのでそれが出来なかったのです。
つまりもっとゴムのように柔らかいテープが必要です。ゴム?うん、幅のあるゴムのベルトをかぶせましょうか。早速、アマゾンで厚さ1ミリ、幅17ミリ、二つに折った長さが120ミリというゴムバンドを見つけて注文しました。それが翌日配達とは嬉しいですねえ。
早速かぶせてみました。円盤との接触が線なのですぐに横にずれてしまいますが、何度かやってかぶせることに成功。すかさず鉄板で抑え込みます。うん、いいんじゃね?
シリンダーに差し込んでみると、ゴムが厚い分ちょっと大きいのですが適度に接触して滑りも悪くありません。よっしゃ、これならOK。出口の凸部に合わせた山型の3Dプリンターのプレートも重ねて固定します。段差があるので、ここはシリコンを塗って滑らかに、生地が隙間に入り込まないようにしておきます。
ビニールテープをやめて幅広のゴムバンドをかぶせました。 |
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使用したのは幅17ミリのゴムバンドです。 |
表と裏から鉄板で押さえています。 |
シリンダーに合わせて山形プレートを重ねます。 |
段差はシリコンで埋めてあります。 |
ボルトは穴が開いていてシャフトにエアが抜けます。 |
ボルトのカバーにはエア抜きの穴があります。 |
ピストンの修理、完成です。あとは実際に使ってみたいですね。
新しいフードプロセッサーもあるし、じゃあ豚肉を買いに行かねば!!
スーパーに買い物に行ったついでに豚の肩肉2.1キロを買ってきました。
1.1キロはカレーを作るのに使いますが、残りの1キロで新しく手に入れたフードプロセッサーと修理したスタッファーでソーセージをテスト製作してみようと思うのです。
豚肉のブロックを切り分けて、さらにミンサーに入る大きさにカットします。それをミンサーでひき肉にしました。
さあ、ここからです。これまでは400グラム見当に小分けして、氷もスパイスも回数分に分けていました。今日からはその作業は必要ありません。まず最初に牛乳を凍らせた氷を200グラムボウルに入れてフードプロセッサーのパルスボタンを押します。ガクン、と反動が来てガガガガっと3秒で氷は砕けて雪氷になっていました。すごい!次にひき肉は全部、スパイスも全部ボウルに投入して今度はスイッチオン。
ガーーーーとこれまたにぎやかな音ですが、ボウルの中ではズバッ、バサッ、ズズッと豚肉が細かくなっていく感じがします。3分経ちましたので一度止めて中を見てみます。すごい、もうほとんど出来ている。前のフードプロセッサーは300ワットで国産ではかなり強力なほうですが、十分なエマルジョンにするのに7-8分かかっていました。10分やろうとすると過熱して自動停止してしまうからです。それが600ワットのパワーを誇るロボクープは3倍近い量を3分で粉々にしてしまいました。おっと、温度を測らないと。2度だったひき肉は氷を混ぜていたのに9度になっていました。
さすがにパワーがあるだけに温度上昇も早いですね。
さらに2分、念を入れて稼働させてみました。エマルジョンにつやが出てきました。もう十分です。しかし温度のほうも13度と「炉心崩壊」ギリギリの温度に上がっています。これはまずい、緊急冷却しなくては。ボウルごと冷凍庫に放り込みました。
2.1キロの豚肉をソーセージ用(右)とカレー用(左下)とソテー用(左上)に分けました。 |
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100gの牛乳氷を入れました。 |
ガガッと回ったらもう雪氷が出来ました。 |
5分弱フードプロセッサーにかけたら、こんなにクリーミーになりました。 |
このようにして、ハイパワーのフードプロセッサーロボクープ4100は期待以上の能力を見せてくれました。
<5月31日>
次はピストンのシールを修理したスタッファーの番です。
一晩寝かせた生地をスタッファーに充填して、ピストンのシールの周囲には豚の脂肪を塗りつけて滑りを良くしておきます。では、羊腸に充填開始。
こちらも問題なく進行しました。ピストンはスルスルと奥に入っていき、裏側に漏れてくる生地もありません。
はい、詰め終わりました。あとは編んでいつものように茹でればソーセージの完成です。
ボウルのまま冷蔵できるのは嬉しいですね。直接スタッファーに詰めます。 |
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今回もスタッファーをアイスノンで冷しながら、羊腸に詰めていきます。 |
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ノズルから出たソーセージは氷水の中で編みます。 |
茹で上がったソーセージを水で冷やします。 |
ソーセージが出来ました。空気だまりも少ないですね。 |
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さっそく焼いて食べてみました。 |
というわけで、ロボクープのテスト使いと修理したピストンの実地テストはどちらも成功に終わりました。
強いて問題点を上げると、ロボクープの回転数は1500回転ですがそれではちょっと速すぎますね。トルクはそのままで速度だけを落としたいのですが、このロボクープのモーターは単相100ボルトのコンデンサー進相式なので回転数は電源周波数に依存します。
60Hzだと1800回転になります。ですが、周波数を大きく変えると進相コンデンサーが発熱する恐れがあるのでできません。まあ、これで使いこなすしかないですねえ・・・・
さてさて、安全装置をバイパスしたフードプロセッサーのその後です。
6月1日にロボクープの代理店に部品を発注しました。発注書をPDFで作成してメールで送ったのです。翌日、何のリプライもなかったのでどうなっていますか?というメールを出しました。そしてさらに翌日、つまり昨日のことですがこれも返事がなかったので、代理店のホームページから連絡しました。そうしたら電話があって、発注書もメールも届いていないというのです。そこで先方からメールを送ってもらってそれに返信する形で再度発注書を送りました。しかしこれも届かない。それで住所はホームページのコメントで送るから、とにかく発送して欲しい、発注書は後でファックスで送るからとお願いしました。
ということで、先ほど部品が到着しました。
部品は2000円ちょっとですが、送料と代引手数料が入って3500円ほどになりました。
早速取り付けます。ねじで止めて配線を3本つなぐだけです。
はい、終了。テストしてみましょう。スイッチを入れても本体だけでは、動きません。
ボウルとカバーをセットしてやると、グイーン、OKですね。これで原状復帰完了です。
ボウルが正しい位置に来ると、矢印のところが下がって安全スイッチを押すのです。
それにしても、ちょっとの努力で修理できるのに改造して売るなんて困った人がいるものです。それにもかかわらず扱った品には責任をもって対応して、部品代まで負担するという岐阜のモンドプラスさんは素晴らしい。出品者はすべからくこうあってほしいものです。
さて季節は冬になって、外気温が10℃を下回るようになりました。ソーセージ作りに適した季節の到来です。
今回はロボクープだけでエマルジョンを作ります。粘りが強い生地が出来るという牛肉も使い、豚肉はいつもの肩ロースではなく腿肉を使ってみようと思います。つまり、結着の邪魔になる脂肪を排除して生地を作り、あとから脂肪だけを混ぜてみようと思うのです。
今回のレシピ:
オーストラリア牛の腿肉ブロック |
300g
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国産ポークの腿肉のブロック |
700g
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羊腸 |
パイプ1/2本(約4m)
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調味料 |
塩 20g、砂糖 20g
|
スパイス類1;オールスパイス、ナツメグ、ホワイトペッパー、ドイツ製スパイスミックス |
合計2g
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雪氷(肉の20%) |
200g
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ということで、まずは牛肉と腿肉をミンサーで挽きます。
はい、では挽いた肉をロボクープでエマルジョンにします。先に牛肉だけでスイッチを入れてねばねばのエマルジョンを作りました。
次に豚肉と氷、スパイスを入れてスイッチオン。
温度をチェックしてみると10度になっていましたので、ミンサーで挽いておいた脂肪を加えてさっと回します。見る間にエマルジョンが白っぽくなりました。ロボクープは強力なだけに温度上昇も激しいので注意が必要です。
エマルジョンが出来上がったので、カップを引き上げてみるとこのとおり。少量ですがカッターのシャフトを伝わってエマルジョンが漏れ出ていました。カップ自体は大きいのですが、実際に漏れずに使用可能な容量としてはカップの1/3くらいのようです。
エマルジョンをボウルに移して、残しておいた脂肪を粒のまま全体に混ぜ込んで冷蔵庫で保管します。
11月14日:
冷蔵庫でしっかり冷やしておいた生地をスタッファーに詰めて羊腸に詰め込みます。
外気温が8度なので、スタッファーは循環冷却はしないで窓を開けて作業をします。
詰め終わったら氷水で冷やしながら編んで、75度で20分茹でて出来上がりです。
今回のソーセージの出来ですが、残念ながら弾力が足りませんでした。
ロボクープでは回転が強力すぎて温度上昇が早いため、十分にエマルジョンにするための時間が短くなってしまったのが原因と思われます。その対策としては、あらかじめ挽き肉を半凍結くらいに冷やしておくことと、途中でいったんカップごと冷凍庫に入れて冷却することでしょう。
次回はその方法で作ってみたいと思います。
さて今回は番外編として、ちょっとした実験をしましたのでその結果を記してみます。
私の趣味のソーセージ作り、もう始めてから6年になります。回数にすると45回。その間、ずっと疑問に思ってきたことがあるのです。
それは最後の過熱方法として、どのレシピを見ても「75度のお湯で30分弱ゆでる」とあるのですが、本当にそれ以外の方法はないのでしょうか?
ソーセージの生地を作ったあと羊腸に詰める前に味の確認をするのですが、その時は生地を小皿にとって電子レンジでチンします。そうすると生地はフワフワとスポンジのような弾力を持ち、味はやや濃いめになります。ですがそれを詰めてゆでると弾力感は少なくなって味も薄くなります。味が薄くなるのは、塩分がゆでるお湯に溶け出してしまうからでその対策として1.5%の塩水でゆでる方法をとったこともありますが、弾力がなくなるのはどうしてなのかわかりません。
もしかして電子レンジで加熱したら、生地そのままの弾力が保てるのではないか?いやオーブンはどうなのだろう?
そこで、単独で実験する方法として、近所のスーパーで生ソーセージを買ってきて試してみたのです。比較する加熱方法は、
1.電子レンジで一番弱い200Wで1本あたり1分加熱する
2.電子レンジの過熱水蒸気「茶碗蒸し」メニューで加熱する
3.中華せいろで弱火で15分蒸す
4.従来どおりお湯で75度25分ゆでる
の4種類です。いずれも加熱終了後冷水で締めて歯ごたえと味を比較しました。
その結果ですが、まず1番は電子レンジ加熱はどうしてもムラがあるので均一には熱が入らず、集中するところが出てきます。そのため一見良さそうでも裏返すと破裂しているものもありました。つまり、2、3本ならともかく1ロット何10本も同時に加熱する方法としては落第です。
加熱のムラのせいで部分的に膨らんでいる。 ひっくり返してみると皮が破れている。
次に2番、電子レンジの庫内に水蒸気を満たしておいてそのあとオーブンで150度くらいで25分加熱しますので、皮がパリッと仕上がり脂が溶けるのでジューシーで悪くありません。ただ、150度は温度としては高すぎで、溶けた脂が皿に染み出してきていました。オーブン温度は110度まで下げられるのでマニュルで設定するなど、まだまだ改善できそうです。
そして3番の蒸し上げる方法ですが、仕上がりも茹でるのに近く何といっても味が抜けないというメリットがあります。ただし、多数のソーセージを、それも温度を上げすぎて破裂させないように(お湯でも沸騰させると破裂します)むらなく蒸すのはやや難易度が高いと思われます。
そして最後のゆで上げですが、意外なことにこのソーセージはスパイスがかなり効いているのですが、それがいい具合に抜けて肉の旨味が一番よく出ていました。
左がお湯でゆでたほうで、右は蒸したほう。蒸したほうが中がジューシィだが
蒸気のムラのせいかデコボコになっている。
肝心の弾力性に関しては、このソーセージ自体が結着剤を使っているからなのかもしれませんがどの方法でも適度な弾力性が出ていて、特に茹でたのが劣るということはありませんでした。
ソーセージの製造工程の最後でゆでるのは、じつはソーセージは「加熱食肉製品」だからです。
ソーセージは羊腸に詰めた時点では「食肉製品」と呼ばれます。いわゆる生ソーセージですね今回買ってきたのがそうです。ですが、そのままでは冷凍して保存しなければ日持ちがしませんので、その後加熱して「加熱食肉製品」となります。この状態であれば、冷蔵庫で数日間保存できますし、フライパンで焼いても美味しくいただけます。市販のソーセージはですからこの状態にして売られているわけです。
そして加熱の条件として、食品衛生法では「中心部63℃で30分以上の加熱もしくは同等以上の過熱」をすることと定められています。余談ですが、「加熱食肉製品」には2種類ありまして、ローストビーフのように塊になっている場合は「特定加熱食肉製品」として、加熱条件がやや緩くなりますが、ひき肉を使うソーセージは「加熱食肉製品」です。ということで、今回の実験は、製造工程の最後として、殺菌して「加熱食肉製品」に仕上げることを目的としてそれに適した加熱方法を探していたわけです。
ところで、「中心部63℃で30分以上の加熱もしくは同等以上の加熱」が必要なわけですが、それでは1番目の電子レンジだけの加熱だと加熱時間は1本あたり1分しかないではないか?30分加熱すべきところなのに時間が短すぎないか?という疑問があるとおもいます。
ご安心ください。それについては、63度×30分に匹敵する殺菌効果を得るためには何分間なら何度以上が必要かという計算式があるのです。すなわち中心温度を70度にすれば、4分の加熱で、さらに中心温度を75度にすれば、たった57秒=1分の加熱でも同じ殺菌効果が得られることがわかっています。それをわかりやすく票にしたものがこちらです。
今回もそうですが、ソーセージを加熱したときは必ず中心温度を測定して必要な加熱時間を取っています。なので電子レンジの時は、余裕を見て中心温度78−80度にしました。加熱後にその温度で1分近く置いておけば大丈夫、というわけです。
ということで、この実験の結果はやはり茹でたソーセージが一番美味しいという結論になりました。
皆さんがやっているからにはそれなりの理由があったというわけですね。しかしオーブンを使う方法は、大量処理もできますしフライパンで焼く手間を省略してすぐ食べることも可能なので、これはこれでもっと詰めてみたいと思います。
東京と違って朝は寒い御殿場です。外の気温は零下で部屋の中でも4度、吐く息が白く見えるのです。でも、この天然冷蔵庫のような温度は、ソーセージ作りにぴったりなのでありますね。
というわけで、今回のソーセージ作成では友人の依頼をうけて「魚を使ってソーセージが作れないか?」という課題にチャレンジしました。すでに市販されている魚肉ソーセージがありますが、あれはスケトウダラを原料としているのですね。ほかの白身魚、例えばカレイなんかではどうなのか、それを実験してみようと思います。
今回のレシピ:豚肉ソーセージ
カナダ産ポークの肩ロース肉のブロック |
1300g
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羊腸 |
パイプ1/2本(約4m)
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調味料 |
塩 25g、砂糖 25g
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スパイス類;ドイツAVO社製スパイスミックス ウインナーブルスチェン、オールスパイス、ナツメグ |
合計8g
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雪氷(肉の20%) |
250g
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今回のレシピ:魚ソーセージ
アメリカ産カレイ冷凍 |
300g
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カットアカイカ冷凍 |
200g
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豚脂 |
50g
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羊腸 |
パイプ1/4本(約2m)
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調味料 |
塩 10g、砂糖 10g
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スパイス類;セージ、黒コショウ、オールスパイス |
合計2g
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結着剤:全卵1個、片栗粉、パン粉 |
80g
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1. 豚肉の処理
今回使用したのはカナダ産の豚肩ロースですが、あらかじめ脂肪と筋を切り分けて赤身だけをミンサーでひき肉にしておきました。これを冷凍庫でパーシャル冷凍にしておきます。
背脂をよけ、筋もミンサーやフードプロセッサーの刃に絡まるので取り除いておきます。 |
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ボウル内が赤身肉、まな板の左が脂肪で右上にあるのが不要な筋です。 |
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塩と砂糖を赤身肉にまぶしておきます。 |
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赤身肉をミンサーで挽きます。 |
すべて挽き肉になりました。 |
2. 魚の処理
スーパーで買ってきたのは冷凍のカレイ、それにイカです。生の魚を使うほうが良いのですが、条件を悪くしてどの程度出来るのかを実験するために、あえて冷凍を使いました。まずカレイをさばいて皮を引きます。冷凍ゆえ水分が多いので、ぎゅっと絞ってからフードプロセッサーにかけます。豚肉の場合ですと水を加えるのですが、今回はもともと水分が多いので入れません。結着のために玉子、片栗粉、パン粉少々を加え、味付けは塩と砂糖にセージやブラックペッパー、オールスパイス少々、最後にパサつき防止で豚の背脂も混ぜます。ガガガッと回してねっとりとしたペーストが出来ました。うーん、まだ水分が多かったかな、ちょっと軟らかめです。
骨から身を外して、皮を引きます。解凍したので、べちゃべちゃですね。 |
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イカとカレイ、それに調味料や片栗粉などをフードプロセッサーに入れます。 |
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豚の背脂も加えます。間違って黄身も入れてしまったので黄色っぽい色になっています。 |
3. 豚の肉のエマルジョン化
続いて、豚肉にかかります。ひき肉にガーデンクックで初めて購入してみたドイツ製のウィンナーソーセージ用のスパイスをメインに使い、氷水を加えてフードプロセッサーでしっかりとエマルジョン化します。なるべく長く機械にかけるために、1/3ずつ分けて小さい山本電機のフードプロセッサーを使ったのですが、やはり8分くらいで過熱保護回路が働いてしまいました。やはり無理があるようです。そこでロボクープを使用。こちらは本当に強力ですね。あっという間にエマルジョンが出来ました。それも赤身だけにしたので弾力のあるいい生地が出来ました。脂肪は細かく切ってあとで混ぜ込みます。
氷を粉砕しておいてひき肉を入れます。 |
エマルジョン化完了です。 |
ロボクープ登場です。全部の豚肉を1分かからずにエマルジョンにしてしまいました。 |
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冷凍庫で凍らせておいた脂肪を細かく切ります。 |
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出来たエマルジョンに脂肪を投入。 |
全体に混ぜ込んでおきましょう。 |
4. ハーフ&ハーフも作ります
先ほど作ったカレイとイカのエマルジョンと豚肉を半分ずつ混ぜた生地も作ってみました。以前にマグロのソーセージを作った時の手法です。
5. スタッフィング
こうして3種類の生地が出来ましたので、スタッファーに入れて羊腸に詰めました。まずは魚から。
魚ソーセージです。ずいぶん白いですね。 |
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ハーフ&ハーフは魚ソーセージよりややピンクがかっているのがわかります。 |
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そして見慣れた豚肉です。いったんボウルの冷水に浸けておきました。 |
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手早く編んでいきましょう。指先がじんじん痛くなってきました。 |
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魚ソーセージは豚肉と比べるとずいぶん白いですね。 |
6. 最終工程
さあ、詰め終わったソーセージは、お湯で茹でるわけですが・・・魚ソーセージって豚と同じでいいのかな?とりあえず豚肉と一緒に、75度で30分茹でてみます。
ゆでるとみな同じ色に見えますね。 |
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ゆで終わったソーセージは冷水で冷やします。 |
うん、豚肉はいつも通りこれで十分ですが、魚のほうはまだ固まっていない感じです。
一般にタンパク質は60度以上で固まるはずですが、玉子の成分が邪魔をしているのかな?となると80度以上にする必要がありますね。魚ソーセージと半分混ぜたソーセージだけ90度で10分加熱してみました。わ、まずい。一部破れてしまいましたが固まった感じが出ましたね。こうなると、やはり玉子は入れないほうがいいようですね。
十分に冷ましてから、フライパンで炒めて食べてみました。
魚ソーセージは、かなりやわらかくて生地がつながっていない感じが残りましたが、味付けは悪くありません。冷凍の材料を使った割には臭みもありませんでした。
そしてハーフ&ハーフは、豚肉のおかげで全体がまとまった感じがでています。これなら不自然な食感ではなく、味もさらにソーセージっぽくなっています。やはり豚肉のヘルプがあったほうが美味しいものができるようです。
最後に豚肉のほうですが、脂肪を分けて赤身だけでエマルジョンを作ったのが良かったようで、過去最大の弾力が出ていました。新しいスパイスもマイルドで上品、常用するに耐える製品だと思います。
というわけで今回のお魚ソーセージの試作でわかったことは、
・冷凍ではなく生の魚を使うほうが良い(さばく手間がかかる)
・玉子は入れずにエビを入れるほうが良い(コストアップ)
・豚腸だと皮が厚いので、生地が柔らかい魚ソーセージには羊腸が合う(魚フランクフルトはNG)
ということでした。魚ソーセージの道も奥が深いですね。
前回、カレイとイカの魚肉ソーセージを試作しましたので、早速依頼主である豊洲の「目利き協会」に持ち込み評価をお願いしました。理事の方々の反応はきわめてポジティブで、「魚市場で無駄になっている魚を使って魚肉ソーセージを作り、自分たちのイベントでホットドッグ風に販売してみたい」ということになり、急遽そのためのプロジェクトが立ち上がったのです。
ついては、ソーセージの基本的な知識と作り方を理解していただくためにプロジェクトの主要メンバーの方々を対象にソーセージ作り体験会を開こう、ということになりました。
まずは基本のソーセージとして豚肉のソーセージを作りましょう、さらに魚肉ソーセージの原料として協会が手持ちしていた冷凍のカンパチを使って魚ソーセージも作りましょう、さらにさらに合いそうなハーブを探しましょう、ソーセージに合うケチャップだって欲しいという風に発展したのであります。さて、盛りだくさんの計画、その成果や如何に?
今回のレシピ:豚肉ソーセージ
アメリカ産ポークの肩ロース肉のブロック |
1400g
|
羊腸 |
パイプ1/2本(約5m)
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調味料 |
塩 20g、砂糖 20g
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スパイス類;ドイツAVO社製スパイスミックス ウインナーブルスチェン、オールスパイス、ナツメグ |
合計6g
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雪氷(肉の20%) |
280g
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今回のレシピ:魚ソーセージ
養殖カンパチ冷凍 |
700g
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豚肉(上で作ったエマルジョンを利用) |
100g
|
羊腸 |
パイプ1/2本(約4m)
|
調味料 |
塩 15g、砂糖 15g
|
スパイス類;黒コショウ、ディル、タラゴン、レモンピールなど |
合計10g
|
結着剤:片栗粉 |
5g
|
1. 豚肉の処理
今回使用したのはアメリカ産の豚肩ロースですが、前回同様、あらかじめ脂肪と筋を切り分けて赤身だけをぶつ切りにして塩20gをまぶしておきました。これを5ミリ穴のミンサーでひき肉にして、キンキンに冷えるよう冷凍庫でパーシャル冷凍にしておきます。背脂は包丁で5ミリ角くらいに小さく切って、これも冷凍庫に入れておきます。
2. 魚の処理
持ってきたのは冷凍の真空パックのカンパチ2パックです。
まず解凍しておいた魚の皮を引きます。1パックは背のほう、もう1パックは腹のほうですが、砂ずりの固い部分は切り落とします。これをフードプロセッサーにかけるので1センチ厚くらいに切りまわます。塩と砂糖を重量の2%、それに少量の片栗粉と臭みけしに黒コショウ少々をいれます。あとで生のハーブやレモンピールを混ぜ込むので、ここではスパイスは使いません。前回パサつき防止で豚の背脂を混ぜましたが、今回のカンパチは養殖のうえ腹身に十分脂が乗っているので豚の背脂は入れないで作ります。
これには小さい300Wのフードプロセッサーを使います。3分くらい回してねっとりとしたペーストが出来ました。
3. 豚ひき肉のエマルジョン化
続いて、豚肉です。十分冷やしておいたひき肉に、砂糖、ウィンナーソーセージ用のスパイス、ナツメグ、オールスパイスを入れます。ロボクープ社の700W強力フードプロセッサーで氷水280gを粉砕して雪氷を作ってから、ひき肉全量を投入します。
途中で何度か温度を測りながら、5分くらい処理してしっかりとエマルジョン化します。10度を超えることなく、プルプルとした弾力のあるいい生地が出来ました。脂肪は細かく切ったものを、腸に詰める前に混ぜ込みます。
4. 魚ソーセージの生地
先ほど作ったカンパチのすり身は700g。冷凍庫に入れて冷やしておきました。
魚だけではボソボソした食感になりますので、これに100gの豚肉のエマルジョンを混ぜて粘りを持たせます。少量を小皿にとって、電子レンジで500Wで20秒加熱して食べてみました。うん、いい感じですね。味付けもいいようです。ではこれを3つに分けて刻んだ生ハーブやみじん切りにしたレモンピールを加えて、ケーキミクサーを使って均等に混ぜ込んで魚ソーセージの生地が3種類できました。
5. 豚のソーセージの生地
こちらもフードプロセッサーの影響で温度が上がっていますので、すぐに冷凍庫に入れて冷やしておきます。少量を小皿でチンして味と弾力を確認、ちょっと塩が足りない感じですが、まあいいですね。これは後でゆでるときに塩分が抜けるので、この時点ではちょっと塩辛いくらいにしておくほうがいいのです。ですが、ゆでるお湯に塩分を入れることでこれ以上味が薄くなることを防止できますので、調整はできるのです。
さて、冷えたら凍った脂肪の粒をエマルジョンに混ぜ込みます。ハーブは入れません。
もうちょっと小さく切ってもよかったですね。これもミンサーにかけて挽いてしまうと早いし粒がそろうのですが、ミンサー内部がべっとりと脂だらけになっちゃうのですよねえ。洗うのが大変なので包丁で切っています。
6. スタッフィング
さて、冷蔵庫から塩漬けの羊腸を出して、塩抜きをしなければいけません。同時にパイプから12ミリのスタッファーノズルに羊腸を移動しましょう。ぬるぬるしてやりにくいですが、蛇口の下にパイプを持って行って、腸の内部に水を少し入れてやるとスムーズにたくし上げられます。
準備した生地は4種類あるのですが、これをスタッファーに一度に詰めると混じってしまいます。ですから面倒ですが1種類ずつ、しかもノズルの中に残った分も棒で押し出してやりながら入れ替えるしかありません。全く味が違うものなら、毎回スタッファーを洗いながら入れ替えなければなりませんが、今回はそこまでやりません。最初にやり方を実演して、あとは研修生の皆さんに実際にやっていただきました。一番難しい生地の詰め具合の調整もすぐにコツをつかんで難なくこなしたのはさすがです。ここでのポイントは腸の太さパンパンに詰めないで、8割くらいにしておくことです。なぜならあとで腸を鎖のように編むからであり、ゆでると生地が膨張するからです。
<スタッファーに巻いてあるのは、氷水を流して本体を冷却するための銅管です。>
こうして4種類のソーセージが詰め終わりました。生地が詰まった羊腸は、ボウルの氷塩水のなかでとぐろを巻いています。これを編むのが次の作業です。
7. リンキング(鎖編み)
長いソーセージの両端を見つけて、半分のところを指でつまみ2、3回ねじります。そして2本をまとめて掌に乗せて、掌の幅を基準として小指の下で2本同時につまんでつぶします。垂れ下がっている2本を同時にねじり、片方をたった今できた輪の中を後ろから通して前に持ってきます。
こうすることで、さっきねじったところが元に戻ることはありません。これを繰り返してつながった鎖状にするわけです。(動画はこちら)
このとき、大事なことが二つあります。
ひとつ目は、掌の上に並んだ二本をくらべて、同じ太さになるように摘まんだところで生地を先に送ったり戻したりして調整することです。充填しているときにどうしても太くなったり細くなったりしますが、そこであまり神経質に修正しないで、この段階でやるほうが腸を破ったりする危険が少なくて手早く出来ると思います。
そしてふたつ目は気泡をつぶすこと。ソーセージの中の気泡は、ゆでたときに破裂する原因でもあり、出来上がった後細菌が繁殖する場所になります。気泡を見つけたら、画鋲や針で腸をつついてやれば空気は自然と出ていきます。
私はこういう針を自作して気泡つぶしに使用しています。(塩ビパイプの先に針を入れてつぶし、接着剤で固めたもの)
8. 最終工程:ゆで上げ
さあ、詰め終わったソーセージは、お湯で茹でるのです。
今回魚ソーセージがあるわけですが、玉子は使っていないので豚肉ソーセージと一緒に、75度で25分茹でます。このとき、冷たいソーセージを入れるとお湯の温度が一気に下がりますので、なるべく多くのお湯と火力のあるコンロを用意することが望ましいです。ゆであがるとソーセージは浮いてきますので、こまめに上下を入れ替えることと温度調節を忘れないでください。
ゆであがったら、すぐに冷水に浸けてソーセージを冷まします。十分に冷えたら、キッチンペーパーなどで丁寧に水気を拭いてタッパーなどに入れて冷蔵庫で保管してください。
これでソーセージが出来上がりました。いかがです?皆さん初めてなのに見事な仕上がりになっていますよ。赤いのは同時進行で作ったソーセージに合うケチャップです。
さて、ではソーセージをいただきます。これは豚肉ソーセージのほう。ケチャップの酸味が心地よくとても美味しく出来ています。
というわけで、ソーセージ作り体験会は大成功。大きな成果を上げました。
このプロジェクトの先行きが楽しみになってきましたよ。
暑くなる前になるべくたくさんのソーセージを作りましょう。
今回使用したのはアメリカ産の豚のもも肉です。これまでずっと肩肉を使っていましたが、最近豚肉の価格が上がっているので少し安いもも肉だと味はどうなるのかテストしてみるのです。もも肉のほうが赤身だけにしやすいので結着もいいのではないかという気もします。
アメリカ産ポークの腿肉のブロック |
1200g
|
羊腸 |
パイプ1/2本(約5m)
|
調味料 |
塩 20g、砂糖 25g
|
スパイス類;ドイツAVO社製スパイスミックス ウインナーブルスチェン、オールスパイス、ナツメグ |
合計6g
|
雪氷(肉の20%) |
250g
|
1. 豚肉をエマルジョン化する
脂肪を取り除いて赤身肉だけを小さく切ってミンサーにかけ、フードプロセッサーでエマルジョン化します。脂肪は5ミリ角に切ってエマルジョン化したあとフードプロセッサーに入れて混ぜ込みます。なお、ひき肉は一部を残しておいてこれもエマルジョン化した生地に混ぜ込みます。やや粗びき風の食感を狙ってのことです。
出来上がった生地は冷凍庫に入れてしっかりと冷やしておきます。
2. フードプロセッサー冷却作戦
ミンサーと山本電機のフードプロセッサーに冷却ファンを取り付けたのは、2019年の10月でした。その後導入した、ロボクープの業務用強力フードプロセッサーには冷却ファンは付けてありません。しかし今回のようにエマルジョン化をしっかりやるために10分近く稼働させるとさすがにモーターが熱を持ってきます。じゃあ、こっちにも冷却ファンを付けようではありませんか。生地を冷却している間に冷却作戦に取り掛かります。
まず本体を分解して内部を調べます。
モーターの周囲には隙間がありますね。ファンを排気の向きに取り付けて、モーターの周りの空気を背面に押し出すようにするのが良さそうです。
内部の空気を外に出すのですから、代わりに冷たい空気を吸い込まなければなりません。でも正面に吸気穴をあけるのは見栄えが良くないので、底面から吸い込むようにしましょう。そして、使用するファンは、手持ちの12Vのパソコン用ファンです。電源も必要なので、小さな12Vの電源を使うことにしました。
底面パネルに穴をあけて空気を吸い込みます。 冷却ファンは12Vのものを使います。
冷却ファンの排気穴を背面パネルのここに開けます。
3. 生地を腸に詰める
十分冷やしておいた生地を、なるべく空気を入れないようにして手早くスタッファーに投入します。
羊腸に詰め込みます。出来たソーセージはボウルに入れておいた保冷剤と冷水で冷やします。
詰め終わったら、編んでから75度のお湯でゆでます。あとは冷やして出来上がりです。
4. フードプロセッサーの加工
ドリルで風が抜ける穴を開けます。
ドリルで開けた穴を丸やすりで整形します。
底面パネルには外の冷たい空気を吸い込むための穴をたくさん開けます。
吸気穴を底面パネルに開けました。
背面の壁にファンを取り付けます。電源は12Vの小型スイッチング電源をスイッチの裏に固定して、100Vに直接接続します。
冷却ファンは背面パネルにねじで固定しています。 電源は100Vに直接接続しました。
これでクーリング作戦は終了です。底面パネルを4本のねじで固定して完成です。
これでモーターの熱を気にしないで、温度上昇の限度までじっくりとエマルジョン化をすることが出来ます。
残念なことに前回のソーセージは不出来でした。
食感が悪くパサパサのソーセージになってしまったのです。原因としては、もも肉を使ったので脂肪の量が少なかったこと、詰めた後の冷却が不十分であった上編む際に太さを調整するために手で温めてしまったこと、そしてもしかするとエマルジョン化した後冷蔵庫で保管して翌日に詰めたことで結着力が落ちたのではないかという気もします。
そこで今回は一連の作業を手早く続けてやることと、充填後の温度管理に気を遣おうと思います。
今回のレシピ:豚肉ソーセージ
アメリカ産ポークの肩ロース肉ともも肉のブロック |
920g(うち脂肪300g)
|
食パン(8枚切り) |
1枚
|
羊腸 |
パイプ1/2本(約5m)
|
調味料 |
塩 20g、砂糖 20g
|
スパイス類;ドイツAVO社製スパイスミックス ウインナーブルスチェン、オールスパイス、ナツメグ、コンソメ |
合計8g
|
雪氷(肉の20%) |
200g
|
1. スパイスの準備
ドイツのスパイスを中心にナツメグとオールスパイスを足しました。またマギーのコンソメキューブを2個加えました。氷水は全体の20%として200グラム用意しました。
2. 雪氷の用意
フードプロセッサーのボウルに200gの氷水を入れてフラッシュして雪氷を作ります。
3. 豚ひき肉のエマルジョン化
十分冷やしておいたひき肉を入れて、砂糖、スパイス、コンソメを加えてスイッチオン。途中で何度か温度を測りながら、8分くらい処理してしっかりとエマルジョン化します。11度までぎりぎり処理をして、プルプルとした弾力のあるいい生地を作りました。脂肪もミンサーで5㎜に切ったものを、生地に加えてフラッシュして混ぜ込みます。なお、脂肪はミンサーで挽いた後に食パンをミンサーに入れて内部に付着するのを防止しています。
出来上がった生地は冷凍庫で冷やします。
4. 羊腸への充填
スタッファーをセットして氷水を循環させて冷却します。生地と羊腸をセットして充填し、出来たソーセージは氷水に落としてさらに冷却します。
5. 編みこみ(リンキング)
編む作業も氷水に浸けた状態で行い、温度上昇を防止します。
6. ゆで上げ
75度のお湯で25分茹でて冷水に浸けて冷やします。
ソーセージが冷えるのを待って、さっそく味見をしてみました。
今回はおいしくできました。味ももちろん良いのですが、お肉に適度な弾力があってパサつきは全く感じません。脂肪を30%よりもやや多めにしたのが良かったのかもしれません。また、ミンサーで挽いた脂肪を、十分に粘りを出した赤身にさっと混ぜたのも良かったと思います。
5月28日(土)に「お魚ソーセージ研究会」の第一回ミーティングが開催されます。
私はその席上でソーセージの作り方の解説をすることになっていますが、出席者の皆さんに手作りソーセージを試食してもらいたいので作ってきてほしいという要望が事務局からありました。
そこで今回は「エマルジョンタイプ」と「ノンエマルジョン(手ごね)タイプ」の2種類を作ってみようと思います。
今回のレシピ:豚肉ソーセージ
カナダ産ポークの肩ロース肉と国産もも肉のブロック |
1800g(うち脂肪500g)
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食パン(8枚切り) |
1枚
|
羊腸 |
パイプ1本(約8m)
|
調味料 |
塩 35g、砂糖 40g
|
スパイス類;ドイツAVO社製スパイスミックス ウインナーブルスチェン、オールスパイス、ナツメグ、コンソメ |
合計10g
|
雪氷(肉の20%) |
350g
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1. ひき肉の準備
はじめに、脂肪だけをミンサーの5ミリプレートで挽いた後に食パンをミンサーに入れて内部を掃除します。そのあと肩肉ともも肉の赤身部分を小さく切って、ミンサーでひき肉にします。
2. 雪氷の用意
フードプロセッサーのボウルに350gの氷水を入れてフラッシュして雪氷を作ります。
3. 豚ひき肉のエマルジョン化と手ごね
フードプロセッサーに150gの雪氷と十分冷やしておいたひき肉800gを入れて、砂糖、スパイス、コンソメを加えてスイッチオン。途中で何度か温度を測りながら、8分くらい処理してしっかりとエマルジョン化して、プルプルとした弾力のあるいい生地を作りました。脂肪もミンサーで切ったものを180g、生地に加えてフラッシュして混ぜ込みます。
残しておいたひき肉500gに塩やスパイスと150gの雪氷をボウルでこねます。粘りが出てきたらさらにミキサーでこねながら脂肪とバジルを混ぜ込みます。バジルを入れたのはフードプロセッサーでエマルジョン化したソーセージと区別をするためです。なお、出来上がった生地はそれぞれ冷凍庫で冷やしておきます。
4. 羊腸の準備
羊腸を塩抜きしてノズルにセットします。充填を開始するまで、ノズルは乾燥しないように冷水に浸けておきます。
5. 編みこみ(リンキング)
気温が高いので、シンクに水を張って大量の氷をいれて冷水を作ります。スタッファーにポンプからのホースをつないで冷却します。充填したソーセージは直ちにこの冷水に浸けるようにし、さらに編む作業も氷水に浸けた状態で行い、温度上昇を防止します。
6. ゆで上げ
2種類のソーセージは、75度のお湯で30分茹でてから冷水に浸けて冷やします。
ソーセージが冷えるのを待って、さっそく味見をしてみました。
今回も前回同様、おいしくできました。味ももちろん良いのですが、お肉に適度な弾力があってパサつきは全く感じません。ミンサーで挽いた脂肪を、十分に粘りを出した赤身にさっと混ぜたのも結着を維持できて良かったと思います。
さて、もうひとつのノンエマルジョンタイプのほうですが、さすがにエマルジョンほどの弾力はありません。はっきり言うとボソボソで、温度管理を失敗したエマルジョンタイプと同じ食感です。フードプロセッサーを省略できる点は手作りソーセージとしては大変なメリットですが、クオリティ的にはやはり難しいのかなと感じました。
現在使用しているソーセージスタッファーは2代目で、2018年に買った中国製です。丸4年使用して、最近シールのゴムを交換しました。
シリンダーの周囲に銅管を巻き付けて冷水を流すようになっているので、夏季でもスタッファー内部を冷たく保つことが可能になっています。このスタッファー、まだ壊れたわけではないのですが最近、ヤフーショップで国産メーカーの安いスタッファーを見たら急にそれが欲しくなって、購入してしまいました。
新しいスタッファーというのは、左の写真のように縦型です。今まで使っていたのは横型で、そのほうがコンパクトに思えたのですが、実際に使ってみると押し出すためのハンドルを回すためにかなりの力が必要なので、本体はテーブルなどに金具で固定しなければいけません。またハンドルがテーブルに当たるので、必ずテーブルの端に固定しなければならないのです。キッチンでソーセージを作るときは、カウンターのテーブルを使うのですが、固定金具を使うときは一番上の引き出しをそっくり引き出して空いた穴に金具を固定しなければならず、これが毎回面倒なのです。
新しいスタッファーは、縦型で重量があって、押し出し機構にはギアが入っているのでハンドルを回すのも軽く、特にテーブルに固定しなくても置くだけでスタッフィング出来ます。高さこそありますが、作業スペースとしては台の面積だけあればよく、横型のようにテーブルの上を広く片づける必要がありません。難点としては、横型と同じシリンダー容積3リッターなのですが全体的に大きくて重いこと、そしてノズルの根元が90度曲がっているのでそこに押し出されない生地がこぶし大くらい残ってしまうことです。
さて、では箱から出してシリンダーやピストン、ノズルを洗います。組み立てながら感じたのですが、同じステンレスでも新しいほうはすべてが頑丈でがっちりと作られていて、信頼感がありますね。ピストンのシールや小さくて無くしやすいエア抜きバルブなどは最初から交換用のスペア部品が付属しているのもいいですね。あと7‐8年は安心して使えそうです。
では、使い始める前に冷却用の胴のパイプを移設しようと思います。右が現行のシリンダーで、左の背が低いほうが新しいシリンダーです。容量は新旧とも同じで3リッターです。
古いスタッファーから銅管を外します。このシリンダーはただの筒で、一番前と後ろに固定用の金具が付いているだけです。割と簡単に銅管を取り外すことが出来ました。
次は外した銅管を新しいほうのシリンダーに巻き付けるわけですが、固定金具が大きい上にシリンダーが短いので巻き付けることができるのは中央部の10センチくらいの隙間だけですね。銅管は10メーターありますが、多分半分くらいしか巻けないでしょう。
ところが、これがうまく巻けません。銅にはわずかながらバネ性がありますが、いくらしっかり巻き付けても手を離すと戻ってしまいます。そして、新品を初めて巻くのではなくいったん巻いたのを伸ばしてから巻いているのですが、そのせいか隙間なくきっちりと巻けません。何度やり直しても隙間なくシリンダーに密着したコイルにならないのです。ここでいったんあきらめて、シリンダーにはアイスノンを当てて冷やしながらテストをやることにしました。
スタッファーのテストなので、分量は少なく半分くらいになっています。
今回のレシピ:豚肉ソーセージカナダ産ポークの肩ロース肉と国産もも肉のブロック |
900g(うち脂肪300g)
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羊腸 |
パイプ1/2本(約4m)
|
調味料 |
塩 20g、砂糖 25g
|
スパイス類;ドイツAVO社製スパイスミックス ウインナーブルスチェン、オールスパイス、ナツメグ、コンソメ |
合計5g
|
雪氷(肉の25%) |
230g
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★ソーセージ製作過程
1. ひき肉の準備 |
2. 雪氷の用意 |
3. 豚ひき肉のエマルジョン化 途中で何度か温度を測りながら、8分くらい処理してしっかりとエマルジョン化して、プルプルとした弾力のあるいい生地を作りました。ミンサーで切った脂肪も生地に加えてフラッシュして混ぜ込みます。クリームのような生地が出来ました。 |
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4. 羊腸のセットと充填 |
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5. ゆで上げ |
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6. 水切りと感想 |
さっそく味見をしてみました。
今回もおいしくできました。味ももちろん良いのですが、水分量が多めだったので若干軟らかいものの、お肉にパサつきはなくて適度な弾力があります。気温が高い季節でしたが、前回と同じようにミンサーで挽いた脂肪を十分に粘りを出した赤身にさっと混ぜたので結着を維持できた理由だと思います。
さて、初めて縦型の新しいスタッファーを使ったわけですが、作りが良いので信頼感があることとハンドルが軽くてひとりでも楽に作業が出来ました。やはりちゃんとできたものは違うなと感じました。ただ、予想したように生地がシリンダーの中に残ってしまいますので、これをうまく充填させる方法は考えたいと思います。今回は丸めて平らにしてフライパンで焼いて食べました。
新型のソーセージスタッファーの冷却を銅管で試みてうまくいかなかったので、アマゾンでシリコンチューブを購入しました。内径4ミリ、外径6ミリで長さは10メーターあります。熱帯魚などの水槽に空気を送るチューブなので銅管よりはるかに安価です。
シリンダーの周囲にシリコンチューブを巻き付けます。軟らかくて伸縮性があるので、引っ張りながら巻き付けるとつぶれて楕円形なってシリンダーに接触する面積が大きくなるうえぴったりと密着するのがわかりました。シリコンよりは銅のほうがはるかに熱伝導率はいいのですが、銅管ではどうしても隙間ができてシリンダーに密着しないのに対しシリコンは密着するので冷却性能はもしかするとシリコンのほうがいいかもしれません。
シリコンチューブは10メーターですが、ほぼ全部を巻き付けて注入側と排出側にそれぞれ1メーターくらいの余りが出ました。排出側はそのままシンクに排水して、注入側のポンプからのホースは直径10ミリ内径8ミリなのでとりあえずビニールテープを巻いて接続します。ポンプに接続して水を流してみたところ、特に障害もなく排出口から水が出てきます。シリコンチューブ、なかなか良さそうですね。
ということで問題は冷え具合です。一度ソーセージを作って実験してみたいですね。早速スーパーに行って豚肉を買ってきました。
今回のレシピ:豚肉ソーセージ国産もも肉のブロック |
1100g
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国産豚の背脂(冷凍) |
450g
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羊腸 |
パイプ1/2本(約5m)
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調味料 |
塩 25g、砂糖 30g
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スパイス類;ドイツAVO社製スパイスミックス 、オールスパイス、ナツメグ、コンソメ、乾燥バジル |
合計10g
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雪氷(肉の25%) |
380g
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★ソーセージ製作過程
スーパーでは背脂だけ冷凍で売っていましたので1.4kgを一袋買ってきました。そして豚肉は脂肪が入っていないもも肉を使ってみます。背脂はかたまりになっているのをはがして、必要量を計りミンサーに入る大きさにカットしておきます。もも肉は筋をとって、これもミンサーに合わせた大きさにカットして塩をまぶしておきます。
ミンサーで脂肪ともも肉をひき肉にします。脂肪は冷凍庫に戻して凍らせておきます。
もも肉はロボクープでエマルジョンにします。プルプルのエマルジョンが出来たら脂肪を混ぜて軽くフラッシュして全体に混ぜ込みます。
ここで羊腸の準備をしておきます。塩漬けの羊腸を水に入れて塩を落としながらノズルに移動させます。全部ノズルにかぶせたら、ノズルごと水に浸けて塩抜きをします。
冷凍庫で冷やしておいたスタッファーのシリンダーにエマルジョンを詰め込みます。電気釜がちょうどいい大きさだったので、シリンダーを差し込んで固定するホルダーとして利用しています。
シリンダーをスタッファーに装着してポンプからの冷水を流してみます。排水口から水がチョロチョロと出ているのが見えます。
これはスタッファーの後ろ側です。右のチューブから冷水が送られて上から下に流れ、左に見えるチューブからシンクに排水されます。
ノズルを装着して生地を少し押し出し、先端を結びました。これから連続して詰める作業にかかるところです。シリンダーが冷やされて表面が白く曇っているのがわかります。水温は約3度です。
ハンドルを回すと生地がぐんぐん押し出されてきます。青いペン型の棒は先端が針になっていて生地の中の気泡をつぶすためのものです。
このあと冷水に浸けた状態でソーセージを編んで、75度のお湯で30分ほど茹でたら出来上がりです。氷水でシリンダーを冷却することが出来たので、温度管理も問題なく弾力のあるソーセージが出来ました。ひとつ、問題点としては当初150gくらいひき肉として残すつもりだったのが間違って全部ソーセージに使ってしまったこと、そしてゆでた後冷水に浸けておいたのですが後片付けに気を取られて長く置いておいたために味が薄くなってしまったことです。レシピはきっちりと守らなければいけませんね。
11月最後の土曜、日曜と、築地目利き協会「おさかなソーセージ委員会」の実技講習会を御殿場で開催しました。時間的に1泊するということで参加した生徒さんは3名、委員会のN代表、それに講師は不肖の私という5名のメンバーでの開催です。
午後3時半に豊洲でメンバーをピックアップし、危惧していた東名の渋滞がなかったのでスムーズに御殿場に到着、到着したらまずはビールで乾杯して、それから全員で宴会の準備です。全員が築地魚がしコンシェルジュなので手分けして豊洲の飯田水産さんに用意してもらった食材を中心にてきぱきとさばいて料理を作ります。
夜8時半、準備ができて宴会の開始です。宴会の料理はこちらをご覧ください。
飲んで騒いだ楽しい一夜が明けて、朝食を済ませたら、いよいよソーセージ作り口座の開始です。
まず、豚の肩肉ブロックから脂肪を切り分けます。赤身と脂肪をそれぞれミンサーに入る大きさに切ってミンサーでひき肉にします。それから雪氷を作ってスパイスを混合してフードプロセッサーでエマルジョンを作ります。今回は豚肉100%のソーセージとカンパチを半分混ぜたソーセージの2種類を作りました。エマルジョンができたところで、冷凍庫で保存してスパゲティミートソースのランチ。
午後はいよいよスタッフィングです。
羊腸を塩抜きして、ノズルにセットします。冷凍庫から出したエマルジョンを詰め込んで、ふたり一組でスタッファーを動かします。もう一人は詰め終わったソーセージを編んでもらいました。編み終わったソーセージは75度のお湯で25分間茹でます。その間に片付けをして、出来上がったソーセージを試食して、残った分は各自に持ち帰ってもらいました。
みなさん、長時間お疲れさまでした。羊腸を取り扱う感覚を覚えていただけたと思います。
さて、次の課題はこの講座をいかにして東京で開くかですね。必要な道具は東京まで運べばいいことですが、冷却に必要な氷の確保が必要です。
せっかく気温が低い富士山のふもとに滞在しているのだから・・・やりますか。というわけで車のタイヤ交換にやってきたのですが、それも終わったので今年初のソーセージ作りです。今回は、午後に東京に帰るのでそれまでにできるよう時短簡素化手順で短時間での作成を試みます。
そのために前夜もも肉と肩肉を切り分けて冷凍庫に入れておきました。
今回のレシピ:豚肉ソーセージ
国産もも肉のブロック |
600g
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国産豚の背脂、肩肉 |
400g
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羊腸 |
パイプ1/2本(約5m)
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調味料 |
塩20g、砂糖 15g
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スパイス類;オールスパイス、ナツメグ、コンソメ、コショウ |
合計6g
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雪氷(肉の22%) |
220g
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朝食後、8時45分からミンサーでお肉を挽きはじめ、ゆで上げを終えたのが10時40分、2時間で出来上がりました。
まだ凍っている肉を30秒電子レンジで加熱してほぐしてからミンサーに入れます。
今回は雪氷を作らず、いきなりフードプロセッサーにひき肉と氷、塩とスパイスを全部入れてまとめてフードプロセッサーにかけてみました。プロセッサーが強力なので、氷も全部砕けて雪氷式と変わらない生地ができました。
羊腸を塩抜きしながらノズルにセットします。
スタッファーに生地を詰め込みます。このマッシャーは穴が大きくて良くないですね。
スタッフィングを開始。ひとりでクランクを回すなら、台座をもっと重くしたほうがいいですね。
はい、するすると詰め終わりました。
ゆであがりました。レシピはいつももと同じですが、試食したら味が薄くなっていました。ゆでている間に塩分が抜けてしまいます。次回はレシピに修正を加えてみましょう。
作ったソーセージは東京に持って帰っていただきました。
さて、スタッファーの冷却水パイプは透明な樹脂チューブですが、内部にところどころカビが発生しています。そこで漂白剤を希釈した水をボウルに入れてしばらく循環洗浄させてみました。
チューブ内のカビが剝がれ落ちて出てきました。水中に浮いている黒いものがカビです。
すっかりきれいになりました。これで気持ちよく使えます。
今回は小学生のお嬢さんが初のソーセージ作りを体験してみたいというので、やってまいりました。
今回のレシピ:豚肉ソーセージ
国産もも肉のブロック |
750g
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国産豚の背脂、肩肉 |
250g
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羊腸 |
パイプ1/2本(約5m)
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調味料 |
塩20g、砂糖20g
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スパイス類;オールスパイス、ナツメグ、コンソメ、コショウ |
合計6g
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雪氷(肉の20%) |
200g
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最初にもも肉を降ろします。
筋が多いところをよけ、ミンサーに入る大きさに切り分けます。次に肩肉を、こちらは赤身は多いところと背脂の多いところを分けるようにしてそれぞれ別に取り分けます。
今回は雪氷を作らず、いきなりフードプロセッサーにひき肉と氷、塩とスパイスを全部入れてまとめてフードプロセッサーにかけてみました。プロセッサーが強力なので、氷も全部砕けて雪氷式と変わらない生地ができました。
羊腸を塩抜きしながらノズルにセットします。心配そうに見つめるご両親。
スタッファーに生地を詰め込みます。今回は半分をカリーブルストにするので、作るのは半分だけです。残りの半分にはカレー粉とガラムマサラを混ぜておきましょう。
スタッフィングを開始。
はい、詰め終わりました。今度は中身をカリーブルストに変更して同じ工程を繰り返します。
ゆであがりました。私の失敗で、外見からはどこの部分がカリーブルストかわからなくなってしまいました。もっとはっきりわかる目印を付ければよかったですね。
この後、75度の温度で25分間茹でて冷やしたら出来上がりです。
今回は夏ではありますが、簡略化した方法を思いついたのでその方法でどの程度出来るのか知りたくて作ってみました。
今回のレシピ:豚肉ソーセージ
国産もも肉のブロック |
700g
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国産豚の背脂、肩肉 |
300g
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羊腸 |
パイプ1/2本(約5m)
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調味料 |
塩20g、砂糖20g
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スパイス類;オールスパイス、ナツメグ、コンソメ、コショウ |
合計6g
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雪氷(肉の20%) |
200g
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最初にもも肉と肩肉、それに脂肪をそれぞれミンサーにかけます。
筋が多いところをよけ、ミンサーに入る大きさに切り分けます。次にもも肉を、フードプロセッサーで十分に処理します。そこに肩肉と脂肪を曳いたものを混ぜて、軽くフードプロセッサーで攪拌します。これで生地造りは終了、スタッファーに詰めます。
スタッファーで冷水に押し出します。
編んでから茹でで冷水で冷やします。
これで出来上がり。その結果は残念ながらもそもそ感が強いソーセージとなりました。
やはり、「手抜き」は行けないということでしょうか?ただ、今回は温度の件がありますので、もう一回寒い時期に作ってみようと思います。
前回から半年がたちました。今年初めてのソーセージ作りなのです。今回は新レシピで、デキストリンを使ってみます。デキストリンとは麦芽糖のことです。業務用のソーセージによく使われているのです。ただ、分量がわかりませんので、1.2キロのお肉に対して50グラムを使ってみます。砂糖よりは品の良い甘さになるはずです。
今回のレシピ:豚肉ソーセージ
国産もも肉のブロック |
600g
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国産豚の背脂、肩肉 |
800g
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羊腸 |
パイプ1/2本(約5m)
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調味料 |
塩30g、デキストリン50g
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スパイス類;タマリンド、メース、コンソメ、コショウ |
合計6g
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雪氷(肉の20%) |
250g
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最初にもも肉の筋を取ってやります。
肩肉、それに脂肪をそれぞれミンサーにかけます。
最初に赤身を、続いて残りをフードプロセッサーにかけます。最期に脂肪を混ぜ込みます。
茹で時間は25分です。
早速試食してみましょう。うん、いい出来です。
まずは原料の豚肉の掃除です。肩ロースのブロックを脂肪や筋を取って赤身肉だけにします。
それぞれの部位をミンサーにかけます。
モモと肩ロースをフードプロセッサーにかけてエマルジョン化させます。
スタッファーで羊腸に詰めていきます。
75度で25分茹でて冷やせば出来上がり。
仕上がりはなかなか良さそうです。